労働者の休み方に関する課題と提案

企業としての方針・目標の明確化に関する悩み

課題と提案

課題
企業の休み方改革において、方針・目標の明確化について多くみられた課題は、トップメッセージの発信・浸透に課題があるというものです。
全社的に休み方改革に取り組みたい、経営層は年次有給休暇の取得促進に積極的であるにもかかわらず社員に浸透していないということはありませんか?
このような悩みを抱える企業の場合、「トップメッセージを社内サイトに掲載して終了」「人事部の通達のみで経営層のメッセージがない」等、発信方法に課題があり、会社の経営層が本気で取り組んでいることが社内で認知されていないことがあります。また、「年次有給休暇をとりましょう」「効率的に働き、よく休む」等のような抽象的な目標設定に留まり、具体的な数値目標や取得日数を定めていないこともよくあります。
提案
効果的な解決策としては、トップメッセージの発信と浸透に工夫をすることが考えられます。社長自らが数値目標を盛り込んだ方針を社員の前で説明する、社長の名前でメッセージを発信する、社員の目に留まる(認知される)方法でメッセージを伝える等の工夫から始めてみましょう。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
情報通信業
平成28年度
製造業
平成28年度
サービス業(他に分類されないもの)
平成28年度

改革を推進する体制づくりに関する悩み

課題と提案

課題
休み方改革を進めようとする企業の悩みとして、社内で取組を推進する体制がないというものがあります。「人事部が他の業務と兼任して働き方改革も実施している」「社員の声を反映する組織・体制がない」等、企業経営上も重要な課題である働き方・休み方改革について専念して取り組む体制がないという悩みを抱えている企業が多くみられます。
提案
まず、取り組むべきは、労使で協力推進して取り組む体制の構築です。働き方・休み方改革は労使で協力して取り組むことが成功の鍵です。特に、現場の意見を反映せずに残業時間の削減や年次有給休暇の取得の義務化をすると、かえって現場の負担が増し、結果として社員が疲弊するような場合もあります。労働組合と合同でワーキングチームを作る、社員の意見を吸い上げる機会を設定する等、労使で協調して取組を進める体制を作るところから始めてみましょう。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
小売業
平成28年度
医療・福祉
平成28年度
製造業
平成27年度

改革を支援する制度がないことに関する悩み

課題と提案

課題
年次有給休暇の取得促進において、重要な要素に「休みやすい制度設計・運用になっているか」という点があります。会社の休暇制度はどのような制度設計・運用になっていますか。年次有給休暇を取得しないことが社内で一般的になってしまっている場合、会社側が年次有給休暇を取得しやすい環境を設計することが重要な解決策となることがあります。
提案
その解決策として、「誕生日等のメモリアル休暇を設定すること」が考えられます。会社として、「誕生月に1日年次有給休暇を必ず取得する」ような取得を促進するルールを設定します。メモリアルの内容はどのようなものでも構いませんが、全員に平等に設定できるもの(誕生日や入社日など社員全員に設定できる日)であることが重要です。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
医療・福祉
平成28年度
サービス業(他に分類されないもの)
平成28年度

年次有給休暇取得を促進するルールがないことに関する悩み

課題と提案

課題
年次有給休暇の取得が進まない理由の1つに、年次有給休暇の取得を社員に任せて、取得日数の管理を行っていないというものがあります。本来、年次有給休暇の取得は労働者の権利であるため、労働者が自由に個人の意思で取得できることが前提です。しかし、管理職などの上長が確認しないと、「グループ内で取得日数に偏りがある」「特定の本部のみ取得率が低調」等の問題が生じてしまいます。また、管理職に年次有給休暇の取得は労働者の当然の権利であるという認識が薄いと、「管理職が年次有給休暇の取得を認めない空気を出している」「メンバー全体に年次有給休暇をとりにくい空気がある」等、社員の年次有給休暇取得が許されないような風土が生まれてしまうこともあります。
提案
このような上長や配属先によって休みやすさに差が出てしまう環境の改善には、管理職に対する人事評価項目に部下の労働時間・年次有給休暇の取得の状況を入れることが有効です。会社として定めた年次有給休暇取得目標の達成において、管理職層は自分の部下についても責任を負う形にすることが重要です。評価の結果をどのように活用するのかは会社の裁量によりますが、「人事評価項目である」ということを示すこと自体が、重要なメッセージとなります。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
サービス業(他に分類されないもの)
平成28年度

年次有給休暇取得の意識に関する悩み

課題と提案

課題
自社の社員は年次有給休暇について、どのようなイメージを持っていますか?取得率が低調な企業の場合、社内研修で年次有給休暇に関する情報を提供していない場合があります。このような企業では、「取得が労働者の権利であることを知らない」「管理職も年次有給休暇を取得できることを知らない」等、年次有給休暇について基本的な知識が欠けていることがあります。  
また、全社として取得促進を行っていることが伝わっていないと、「取得することに罪悪感がある」「周囲が取得を許してくれない」等、休暇取得に対して消極的な意識・風土が生まれてしまうことがあります。
提案
意識の改善に有効な解決策は、社員研修を実施することです。働き方・休み方改革に関する研修を特別に実施することが望ましいですが、研修時間に限りがある中ではなかなか難しいのが実情です。まずは、本人と部下の意識に大きな影響を与える管理職層の意識改善から始めるのがよいでしょう。管理職層のマネジメント研修や新任研修で内容を追加し、現場の意識に多大な影響を与える管理職層に年次有給休暇取得の意識を根付かせましょう。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
サービス業(他に分類されないもの)
平成28年度
卸売・小売業
平成27年度
金融・保険業
平成27年度

情報提供に関する悩み

課題と提案

課題
年次有給休暇の取得促進を進める中で、取得が低調な人に何らかの働きかけを実施していますか?取得率に個人で大きな差や偏りがある企業の場合、取得率低調者に対して個別の働きかけや通知を行っていないことがあります。
提案
労働基準法が改正され、2019(平成31)年4月1日より、使用者は、法定の年次有給休暇日数が10日以上のすべての労働者に対し、毎年5日間、年次有給休暇を確実に取得させることが必要となりました。これにより、取得低調者への働きかけは重要性を増しています。ポスター掲示や個別通知、勤務表入力システム上でのアラート表示等、取得低調者に対して情報提供を行うと共に、取得促進に役立つ情報を提供しましょう。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
卸売・小売業
平成27年度
製造業
平成27年度

仕事の進め方に関する悩み

課題と提案

課題
年次有給休暇の取得が進まない理由として、「仕事を休んでも替わってくれる人がいない」「休暇の前後に残業時間が増えてしまい、かえって負荷が高まる」等の理由をあげる方がいます。仕事の進め方でみた場合に、仕事が属人化していることが原因です。本人しか業務内容を把握していない状況に陥り、周囲と仕事を分担・支援しあえる関係にないため、休むことに対して消極的になってしまうのです。このような状態は、休暇取得の場面以外でも体調不良による離脱や突然の退職時に事業遂行の大きなリスク要因となります。
提案
仕事が属人化している場合には、まずは組織的な遂行体制の確立から取り組みましょう。主担当・副担当制の設置による業務の相互担当制も効果的ですが、業務内容を相互に理解する機会を設置する、社内のメール共有者を増やす、多能工化によって交代可能なメンバーを育成しておく等の方法が考えられます。複数メンバーで業務遂行できる体制を構築することが重要です。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
金融業・保険業
平成28年度
製造業
平成28年度

実態把握に関する悩み

課題と提案

課題
働き方・休み方改革の取組を実施してきたけれど、中々成果があがらない企業も多くあります。自社で社員の残業や年次有給休暇取得に関する意識調査を行ったことがありますか?企業としては社員のためによかれと思って実施した制度であっても、職場環境やニーズを把握・反映できていないと、結果として制度が歓迎されないことがあります。また、取組後に効果検証として意識調査を実施していない場合、取組に対する社員の評価を把握できないため、改革のPDCAサイクルを行うことが困難になります。
提案
働き方・休み方改革において重要なことは、社員のニーズを反映した取組を行うことです。ES(従業員満足度)調査等の既存の調査を活用して、残業時間や年次有給休暇の取得しやすさについて社員の声を把握しましょう。定期的に実施することで、改革の進展状況や推移を比較検討することが可能になります。

参考事例一覧

企業名 業種 収集年度
製造業
平成28年度
医療・福祉
平成28年度
金融業・保険業
平成28年度
サービス業(その他に分類されないもの)
平成28年度
建設業
平成28年度
建設業
平成28年度