専門家のコラム
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Column 3.企業におけるドナー休暇制度導入の勧め
血液疾患に苦しむ患者を一人でも多く救いたいと、企業の皆様に「ドナー休暇制度導入」への普及活動を進めています。
日本骨髄バンクを通じて、骨髄・末梢血幹細胞移植を希望する患者は年間 3千人前後*)ですが、実際に移植できるのはそのうち約 1,300 人*)です。移植を待っている間に亡くなる方もいらっしゃいます。助かる命は助けたいとの思いでこの活動を続けております。
骨髄バンク事業には「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が平成26年に施行され、日本骨髄バンクには現在、約 46万人*)がドナー登録されております。 移植に当たっては患者とドナーの白血球の型(HLA 型)の適合が必要となりますが、患者と適合するドナーは、平成26年は約 2 万 9,000 人*)もいたにもかかわらず、前述のように実際に提供されたのは約1,300人*)に過ぎません。
障害になっている大きな要因の一つとして、ドナーが、提供に必要とされる時間が確保できないことが挙げられます。骨髄の提供には、平均で 3 泊 4 日の入院など、平日の日中に医療施設へ 8 回前後足を運ぶ必要があります。ゆえに会社勤めの方はそれだけの休暇が取れない、休暇が取れても有給ではないなど、提供に至るまでにはいくつかハードルがあります。
善意で提供してくださるドナーに対して、企業の協力をいただければ、このハードルを少しでも取り除くことができるのではないかと考えております。
ドナー休暇制度の現状を申し上げますと、国家公務員につきましては平成5年から、人事院規則にこのドナー休暇制度が盛り込まれ、提供に必要とされる期間については特別休暇(有給)が認められています。地方公務員につきましては同様の制度を8割の自治体が導入しています。
民間企業では現在、約 400 社の企業に導入いただいているところですが、移植の現状からしてまだまだ必要と考えております。
企業におけるドナー休暇制度導入のご検討をお願いする次第です。
社名の掲載・リンクを希望される方は、導入後下記3団体のホームページに掲載されます。
- 出典:日本骨髄バンク調べ