犯罪被害者等の被害回復のための休暇
犯罪被害者等の被害回復のための休暇
犯罪被害者等の被害回復のための休暇とは、犯罪行為により被害を受けた被害者及びその家族等に対して、被害回復のために付与される休暇です。例えば、犯罪被害による精神的ショックや身体の不調からの回復を目的として、1週間の休暇を付与することや、治療のための通院や警察での手続、裁判への出廷等のために利用できる休暇の付与などが考えられます。
犯罪被害者の方々の状況をご存知ですか?
二次的被害とは
犯罪による被害は、命を奪われる、けがをさせられる、物を盗まれるなどの生命、身体、財産上の直接的な被害だけではありません。 直接的な被害の後生じる様々な問題は、総じて「二次的被害」といわれています。
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事件に遭ったことによる精神的ショックや
身体の不調
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医療費の負担や失職
などによる経済的困窮
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捜査や裁判の過程における精神的、
時間的負担
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周囲の人々の無責任なうわさ話や
マスコミの取材、報道による精神的被害
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こうした被害を軽減・回復するためには、犯罪被害者等※の方々が仕事を続けられることが重要な意味を持っています。
※犯罪被害者等とは、犯罪被害者とそのご家族またはご遺族のことをいいます。
しかし、現状では…
- 心身の不調による仕事の能率の低下や対人関係の支障
- 治療のための通院や裁判への出廷等のための欠勤
などにより、仕事を続けたくても辞めざるを得ない状況に置かれることも少なくありません。
事業者のみなさまへ
犯罪被害者等の方々の被害回復のための休暇について考えてみませんか?
犯罪被害者等の方々が、仕事を続けられるようにするため、年次有給休暇だけではなく、被害回復のための休暇制度の導入が求められています。
事件や事故の直後は、警察への届出、事情聴取、証拠提出などで警察へ出向かなければならず、また病院で診察を受けるなど、これらの対応で被害の直後から様々な手続きなどに時間を割かなくてはならない状況に置かれます。
また、裁判が始まると、そのたびごとに裁判への出廷・傍聴や、弁護士との相談・打合せが必要となる場合もあります。多い場合は1年に10回以上裁判が行われる場合もあるなど、年次有給休暇だけでは対応できない場合が多くあります。
この休暇の具体的な導入方法としては、以下のようなものが考えられます。
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- 既存の特別な休暇制度を活用
- 既に病気休暇や裁判員休暇等の特別な休暇制度を導入している企業であれば、その制度の対象として、犯罪被害者等を含めることを就業規則等において明示することなどが考えられます。
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- 社内広報等において、犯罪被害者等となった従業員については、それぞれのケースに応じて、必要な休暇を付与する旨を周知
- 必ずしも休暇制度として設けなくても、犯罪被害者等となった従業員は休暇の取得が可能であることを周知することにより、従業員に安心感を与えることができます。
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- 各企業における特別な休暇制度の一つとして「犯罪被害者等休暇制度」を創設
- この場合、どのような犯罪被害を休暇制度の対象に含めるか、また、休暇の付与日数をどうするかなど、各企業の労使で十分に話し合うことが必要です。
いずれの方法をとるにせよ、この休暇を検討する際は、アンケートやヒアリングを行い、休暇に対する従業員のニーズをつかむことや社内の意見調整を行うなど、労使で十分に話し合って、自社の状況に合ったものとすることが重要です。
犯罪被害者等の被害回復のための休暇制度導入事例
犯罪被害者等の被害回復のための休暇制度を導入している企業の事例を検索できます。
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就業規則記載例
- (犯罪被害者等休暇)
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会社は犯罪の被害等を受けた従業員の心身の回復を図り、早期に通常の業務に専念することができることを目的として 日を限度に有給の休暇を与える。
なお、この休暇は時間単位の取得も認める。 -
前項の休暇は、従業員が次の事由により勤務しないことがやむを得ないと 認められる場合に与える。
- 犯罪被害者による心身の治療のための通院
- 犯罪被害者による警察等からの事情聴取、裁判への出廷・傍聴
- その他前各号に準じ会社が必要と認めた事由
- 前項の対象となる従業員には、配偶者、子、父母、配偶者の父母、兄弟姉妹等 (○条○項で定める範囲)の親族が犯罪の被害を受けた場合を含む。
- 会社は、従業員の事情により別途の取り扱いを行う場合もある。
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会社は犯罪の被害等を受けた従業員の心身の回復を図り、早期に通常の業務に専念することができることを目的として 日を限度に有給の休暇を与える。
新たな休暇制度として「犯罪被害者等休暇」の規定を設けた例です。
日数の制限や時間単位の取得の可否、有給無給の別など、各企業の状況に応じて定めてください。
参考資料
関連動画
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企業インタビュー:犯罪被害者等の被害回復のための休暇の導入事例(犯罪被害回復休暇)