有限会社共栄資源管理センター小郡
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
企業情報
企業名 |
有限会社共栄資源管理センター小郡
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URL | |
所在地 |
福岡県
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社員数 |
39人
(時点:2023年8月) |
業種 |
サービス業
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事業内容 |
一般廃棄物収集運搬業
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働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い
1 働き方の現状
・組織は、廃棄物収集運搬等を行うサービスチームと、総務管理部門である経営・支援チーム、新商品・サービスの開発・営業等を行う開発・営業チームに分かれている。
・チームを超えて多能工化を行い、業務にあたっている。多能工化を図っているため、総合職等の社員の労働時間が長くなる傾向にある。
2 働き方の課題
・他部門の業務に対応できる社員に、残業が多くなる傾向にある。
・当社では、例えば年間を通じた採用等、専任者は置かず、委員会を設置する形態を採っている。委員会でチームリーダーを担うことのできる社員は限られており、そのため一部の社員の残業時間が多くなっている。多い時で月12~13時間、少ない時で月3時間程度である。
・残業時間管理は厳しく行っている。残業を行う際は事前に申請し、部門長の承認が必要となる。残業の際には「残業中」という札をつけて業務を行うこととし、未申請の社員が職場に残ることのないようにしている。また内部のコンプライアンス担当が年2回ほど抜き打ちで職場を巡視し、何の仕事を行うために残業を行っているのかを確認している。
・また始業時刻がチームにより異なるため、時間表示の異なる時計を2つ配置したり、終業時刻にサイレンを鳴らすことで、時間を意識できるような工夫も行っている。
・以前に変形労働時間制の導入も検討したが、法令に適った制度運用と作業計画を立てることができず、導入には至らなかった。
・男性社員の育休取得が浸透するのにも時間がかかっているが、昨年、1か月間の育休を取得した男性社員も出始めている。
3 休み方の現状
・期首(9/1)の前月8月に、全社員の有休取得希望を確認している。また年間の業務計画表を全社員に周知しており、業務の閑散期を計画有休取得推奨日に設定。「計画有休調査票」を提出してもらい、業務計画表を作成する際に活用している。
4 休み方の課題
・代替要員の確保が課題となっている。必要な人的資源の確保に向けて、定員や収集車両を増やしたが、すぐに成果や社員の負担軽減につながっていない。
主な取組内容
1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制
・顧客満足向上委員会とコンプライアンス事務局が中心となって取り組んでいる。
・顧客満足向上委員会ではES(Employee Satisfaction)調査を毎年実施しており、評価の低い項目については満足度が向上する施策を講じている。
・有休の取得目標の管理等はチームごとで行っているが、残業時間についてはコンプライアンス事務局でも実態確認を行っている。
2 働き方改善に関する取組内容
中期アクションプランの作成
・残業時間の削減や有給休暇取得日数増については、共栄グループ中期アクションプランに盛り込み、管理指標を設定している。
・目標として、残業時間は前期比20%減、有給休暇取得日数は3日連続を含む13日と設定している。
・中期アクションプランは具体的な活動内容に落とし込み、全社員で目標を確認している。
テレワークの導入
・新型コロナウイルス感染症への対応として、テレワーク可能な環境にある社員を対象に、テスト的にテレワークを行った。少しずつだが、現在も実施体制が構築できている。
3 休み方改善に関する取組内容
特別休暇の導入
・特別休暇としては以下を導入している。
①ボランティア休暇5日/年
②永年勤続表彰(10年、20年、30年)による5日間以内
③5年ごとのPET検診・人間ドック検診(40歳以上対象)
・その他、私傷病療養のための健康増進賞与(20万円以内、2回/年)の制度を設けている。
年次有給休暇5日取得に向けた取組
・2015年から、3日連続休+週休2日(土日)のリフレッシュ休暇の取得を推進している。
・毎年7~8月に次年度の有給休暇取得時期について全社員に調査を行い、業務計画表に落とし込んでいる。
・現在はリフレッシュ休暇に加え、1日単位の有給休暇5日についても事前調査を行っている。
時間単位の年次有給休暇
・2019年に導入。時間単位で取得できるのは年3日までとしている。
・個人の用事に合わせて取得できるため、社員の利便性が向上した。
・会社としても年次有給休暇取得率向上が図れた。
・ただし、使用している労務管理システムが未対応だったため、管理方法が煩雑になったという課題がある。
年次有給休暇の計画的付与
・2019年に導入。年次有給休暇付与計画表による個人別付与としている。日数は5日間。
・人員配置の均衡化、年次有給休暇取得率向上といった効果がみられている。
4 働き方・休み方改善に関する課題・工夫
・有休取得に対する管理職の意識改革や職場環境の醸成を図ったり、業務の標準化を図り、人に仕事がつかないよう、教育訓練体制を整備している。
・例えば新入社員のOJTとして、午前は収集、午後は事務所の業務を行うといった形で実施している。
取組の成果・展望
1 取組の成果
労働時間の削減
・取組を通じて、メリハリをもち、効率化を考える職員が増えた。
【所定外労働時間の推移】
<2018年度>(月平均)7時間
<2022年度>(月平均)4.5時間
年次有給休暇の取得促進
・年次有給休暇の取得率が向上したことで、社員1人1人がQOLの向上について考える時間が取れ、リスキリングの意識が高まった。
【年次有給休暇取得率の推移】
<2018年度>年間平均取得日数:10.6日
<2022年度>年間平均取得日数:14.7日
従業員のワーク・ライフ・バランス、モチベーション
・上述のとおり、リスキリングを希望する社員が増えた。
2 今後の展望
・未だ慢性的な人材不足であるため、今後も国の方針に沿って、可能な限り施策を実施していくつもりである。