制度導入がもたらすメリット
制度導入がもたらすメリット
勤務間インターバル制度を導入することによって、事業主・従業員双方に以下のようなメリットが期待されます。
- メリット1従業員の健康の維持
向上につながります。 - インターバル時間が短くなるにつれてストレス反応が高くなるほか、起床時疲労感が残ることが研究結果から明らかになっています。十分なインターバル時間の確保が、従業員の健康の維持・向上につながります。
- メリット2従業員の定着や
確保が期待できます。 - 労働力人口が減少するなか人材の確保・定着は、重要な経営課題になっています。十分なインターバル時間の確保により、ワーク・ライフ・バランスの充実を図ることは、職場環境の改善等の魅力ある職場づくりの実現につながり、人材の確保・定着、さらには、離職者の減少も期待されます。
- メリット3生産性の向上に
つながります。 - 十分なインターバル時間の確保は、仕事に集中する時間とプライベートに集中する時間のメリハリをつけることができるようになります。このため、仕事への集中度が高まり、製品・サービスの品質水準が向上するのみならず、生産性の向上にも期待できます。
ここで、米国の慢性的睡眠不足とパフォーマンス低下の関係に関する医学的知見をご紹介します。
- 米国の研究で、被験者を一晩の睡眠時間が4時間、6時間、8時間のグループに分け、14日間、実験室に宿泊させて反応検査を実施。同時に3日間徹夜させるグループにも同様の反応検査を実施しました。
- この反応検査は、ランダムに提示される刺激に対して、0.5秒以上かかって反応した遅延反応数を解析し、グループごとに経日変化を観察したものです。
- 図は、横軸が実験日、縦軸が反応検査で0.5秒以上かかった遅延反応数を示しています。
- 毎日4時間の睡眠時間の場合、その状態が6日間継続しただけで、一晩徹夜したのと同じくらいの遅延反応が生じ、10日以上続くと二晩徹夜したのと同等レベルの遅延反応が生じています。
- また、毎日6時間の睡眠時間の場合でも10日以上その状態が連続すると、一晩徹夜したのと同等以上の遅延反応が生じる結果となっています。
- この実験結果から言えることは、毎日少しずつでも睡眠不足が続くと、睡眠負債が積み重なり疲労が慢性化し、やがて、徹夜したのと同じ状態になってしまうということです。判断能力や反応が鈍くなり、当然、仕事にも支障をきたすことになります。つまり、毎日しっかりと睡眠時間をとることが重要なのです。
- (勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル(全業種版)より)
制度導入企業の声
- 製造業
- 総労働時間が削減されたほか、従業員から「体が楽になった」「体調が良くなった」等の声が聞かれ、数値には表れない多くのメリットが考えられます。
- 福祉業
- 一時40%を超えていた離職率が6%まで低下しました。この業界では珍しく入職待機者が多数出るなど、人材獲得においても非常に大きな成果を上げています。
- 小売業
- 無駄な時間外労働がなくなり、その日の業務量を終業時間から逆算して決めるといったように、定時で仕事を切り上げる意識が非常に高くなりました。
- 建設業
- 現場従業員に行ったアンケートでは、回答者の7割が勤務間インターバル制度を含む各種の働き方改革の取組により生産性が高まったと回答しています。