株式会社アオアクア

厚生労働省

事例カテゴリ

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  • ワークエンゲージメント

企業情報

株式会社アオアクア
企業名
株式会社アオアクア
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所在地
東京都
社員数
100人(正社員のみ)
(時点:2025年11月)
業種
医療・福祉
事業内容
訪問看護ステーション、居宅介護支援・福祉用具貸与・販売

働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い

・看護師の人手不足が課題となる中で、離職防止と採用が最も重要な課題である。離職防止・採用の視点からもライフ・ワーク・バランス、男性の育児休業の取得促進、福利厚生の充実は重要と考え、積極的に取り組んでいる。
・代表は、看護師として病院に勤務していた当時、休暇を取得しにくい職場環境を経験し、その経験から、自身が会社を設立するのであれば、医療機関であっても、職員が無理なく休暇を取得でき、安心して働き続けられる職場を実現したいという強い思いを抱くようになった。この理念のもと、2011年の開設当初より、年次有給休暇取得率100%を目標として掲げている。単なる制度上の目標にとどまらず、実際に取得しやすい体制づくりと職場環境の整備を継続的に行い、働きやすい職場づくりに取り組んできた。
・代表からは、ライフ・ワーク・バランスをとること=楽をすることではなく、仕事と休みのメリハリをつけてほしいと呼びかけている。社員自身がライフとワークを充実させ、健康な状態でなければ、良いサービスは提供できない、という理念が社員にも浸透している。

主な取組内容

残業削減の取組

・法定外労働時間は管理職を含め全体で月平均11時間程度、管理職では15時間程度である。40時間を超えると通知されるが、近年は管理職でも40時間を超える者はいない。
・具体的な取組は、各事業所単位で実施し、毎月の社内会議で状況を共有している。
・一般のスタッフは、19時以降は上司の許可がないと残業できないこととしている。業務日報に誰の許可で残業に入るのか書いてもらったり、残業する人は終礼で手挙げして理由を述べ、何時までに終わるか宣言してもらっている。
・ノー残業デーは週に1回、各自が設定する。朝礼でその日にノー残業を実施予定の社員が誰かを共有し、協力して達成できるようにしている。
・残業が月20時間以上の場合は全社員参加の会議で発表、月30時間以上の場合はクラウド上の全体連絡帳に氏名が掲載される仕組みもあり、抑止力となっている。
・残業が多い社員には、年3回のキャリア形成検討会で何の業務で負荷がかかっているか聞き取り、可能な場合は業務分担の調整をしている。また、業務の棚卸として、業務を書き出し、必要なものに絞った上で、負荷が平均的になるよう割振りを行っている。
・以前は社内で行っている委員会活動も残業の原因になっていたが、業務時間内に組み込んだ上でシフトを調整する運用に変更した。

年次有給休暇の取得促進

・年次有給休暇取得率は、2011年の創業以来100%を達成し続けている。
・社員は休暇取得に積極的で、4~5連休の取得が通常となっている。土日をあわせて9連休を取得する者も少なくない。2週間以上の連続休暇を取得し、海外旅行をする者もいる。
・休暇取得率100%を達成するため、個人単位での休暇管理表を作成している。表計算ソフトで保存しており、誰でも状況を確認することができる。休暇の取得日数と有効期限が一覧できるようにしている。これとは別に経営層用の管理表もあり、個人別に残日数や取得計画を管理している。
・実際の取得にあたっては、個人がカレンダーに取得希望を書き込み、それを踏まえて管理職が全体を調整し2週間前までにシフトを作成する。この時点で取得の可否が確定となる。
・カレンダーに希望を記入してもらう際、どうしても土日祝日や年末年始に希望が偏るが、事業所は年中無休であり、利用者様に迷惑がかからないようにするために、全員の希望どおりに取得してもらうことはできない。そのため、互いに相談の上、休みの希望を書き込んでもらうように呼びかけている。
・なかなか休暇を取得できていない社員がいれば、管理職から声かけを行うほか、社内の全体連絡でも残日数を伝えている。また個人携帯に休暇取得の促しの通知もしている。取り残しがないよう、年次有給休暇が追加される前月にはすべて消化することとしている。
・年次有給休暇を利用して行った活動については、朝礼のスピーチで報告してもらうこともあり、ブログ上でも公開している。
・社員を対象としたアンケートでは、取得日数に対する不満はないが、希望する時期に取得したいという声が挙がっている。ただ、土日祝日を含めて人員配置をする必要があるため、全員の希望を認めることは難しい。

管理職の働き方に関する取組

・管理職の労働時間が長い傾向にあるが、近年減少傾向にあり、法定外残業時間が月40時間を超える者はほぼいない。
・断捨離を含め、こまめに業務改善を行ったり、管理者の業務を部下に委譲して管理業務に専念できるようにするなど、役割分担の見直しを現場レベルで行っている。また、シフト上で訪問件数を減らして管理業務に専念できるようにしたり、管理職の仕事量を把握し、何の業務を行っているのかを確認して、周囲に仕事を振るように言っている。
・管理職の労働時間が長かった理由としては、新規の申込みや緊急対応が必要な利用者の増加など、イレギュラーな対応を行う際に管理職がカバーをする必要が生じるためであったが、現在はイレギュラーな対応も含め、管理職以外でも担える業務は他の社員に割り振ることで、業務が偏らないようにしている。
・管理職の業務を平準化するため、月に1回開催する管理職会議で、各自が抱えている仕事の状況を共有し、偏りがある場合には分散できないか検討を行っていた。しかし、社内アンケートで、管理職会議も業務が長くなる原因だという意見があったことから、少人数のワーキング・グループ(社内では「塾」と呼称)の開催に変更した。管理職会議で扱っていた多岐にわたる議題をそれぞれの「塾」に割り振ったことで、会議の時間も3分の1に短縮できた。

チーム制・業務の体制

・チーム制を採用しており、一人の利用者様に対して複数名で対応している。そのため、誰かが休んでも対応できる体制となっている。チーム制をとることで、多角的な視点からの支援が可能となるため、利用者様にとってのメリットも大きい。
・事業所間の距離が近いため、突発的な休暇などで欠員が出た場合は各店舗間でサポートすることもある。
・利用者が少ない日は休みの取得を希望する人を募るなど、繁閑に応じて稼働できるようにシフトをコントロールしている。

電子カルテの活用

・外出中に時間が空いた際、近くの他店舗に寄りPCを利用することはできる。また、外出先からの電子カルテへのモバイル入力も可能。
・利用者のカルテはすべて電子化しており、会社支給のスマートフォンでどこからでも確認できる。スマートフォンの音声入力アプリも活用し、業務の効率化を図っている。

寄付金との連動による社内効率化

・働き方の見直しを進めるため、残業をしない、21時消灯、遅刻・早退をしない、タイムカードの打刻をするなど細かい事項を達成するたびにポイントが所属する店舗に付与され、そのポイントを海外の支援を必要とする子どもたちへ寄付することができるという制度「寄付金への道」を導入している。ありがとうスプレッド(他の社員への感謝のメッセージ)を送った数、無事故無違反、研修への出席等でもポイントが付与される。

女性の健康に関する取組

・女性の健康に関して、生理用ナプキンの無償配置、月経前症候群(PMS)の啓発活動、婦人科健診費補助(子宮がん・乳がん)等の取組を行っている。コロナ禍で生理の貧困の問題が顕在化した際、それを知った代表の働きかけで、女性トイレに生理用ナプキンを置くことになった。同時に、男性トイレにはPMSの症状に関するチラシを貼っている。

社内アンケートの実施

・会社の良い点と不満を自由記載で回答してもらう社内アンケートを実施している。アンケート結果を見て、改善できることはすぐに取り組み、働きやすい職場づくりを進めている。働き方以外にも、ピンクのポロシャツの制服を変えてほしいという意見が寄せられたため、色やデザインを選べるスクラブを試してもらうことなどもしている。

取組の成果・展望

【法定外労働時間の推移】
<2021年度>(月平均)14.76時間
<2025年度>(月平均)11.79時間

【年次有給休暇取得率の推移】
<2020年度>年間平均取得率:100%
<2025年度>年間平均取得率:100%

休暇取得促進による効果

・働きやすい環境を作ることで、採用や離職防止にも効果が出ている。離職率は、2022年には21.5%であったが、2024年には11.11%に改善した。社員の紹介で入社する人もおり、採用にかかるコストを削減することができている。
・こうした取組が評価され、公益財団法人日本生産性本部・ワークライフバランス推進会議が主催するワークライフバランス大賞の優秀賞を受賞した。東京ライフ・ワーク・バランス認定企業制度では、令和6年2月に2度目の認定を受けた。
・男性育児休業取得率は100%であり、1年間取得する男性もいる。年次有給休暇取得率100%という土壌があるため、育児休業も取得しやすいようである。性別にかかわらず、子どもが生まれることが分かった社員には、希望する取得期間を聞きとり、調整している。

働き方・休み方改善に関する今後の展望

・働き方の面では、法改正も見据えてさらに対応していく必要があると考えている。
・社員の勤続年数が伸びるにつれ、付与される年次有給休暇の日数も増えてくるため、どうやって取得率100%を達成し続けるか検討する必要がある。
・勤続年数が伸び、年齢を重ねた社員も増えてきたため、病気や更年期症状に関する取組も実施できるとよいかと考えている。病気になった社員への対応としては、現在の休暇日数だけでは不足するので、今後の課題として検討していきたい。

(R8.3)

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