トヨタ自動車北海道株式会社

厚生労働省

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制
  • ワークエンゲージメント

企業情報

トヨタ自動車北海道株式会社
企業名
トヨタ自動車北海道株式会社
PDF
所在地
北海道
社員数
3,452人
(時点:2025年4月)
業種
製造業
事業内容
自動車部品の製造

働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い

・2017年度実績で、非管理職の所定外労働時間は月平均20時間。管理職の労働時間は月平均24.2時間であった。
・当時、全社的には、それほど所定外労働時間は多くなかったが、部門による偏りはあった。例えば、技術部では、数年に一度、新製品ラインの敷設等の大きなプロジェクトの時に、プロジェクト担当者を中心に負荷が高くなるため、所定外労働時間が年540時間になることもあった。そのような年単位で実施されるプロジェクト系の業務は、新技術・新工法といった答えが用意されていない、生み出しの要素があり、その中で納期を厳守し解決するため所定外労働時間が長くなる実態があった。
・一方で、休み方については、従来から、年次有給休暇を取得することは当たり前といった風土が根付いており、2018年時点で管理職については、非管理職ほど取得率は高くないが、平均して月1日以上は取得できている状況にあった。
・2025年現在では、昨今の若年層は長時間労働を避ける傾向が強く、人材の定着などに課題があり、リソーセスの拡充を強化している。
・また、時間外労働時間の目標は、組合員360h/年を目線とし、超える場合は540h/年を意識している。
・働き方や所定外労働時間の削減については、人事室で旗振りしながら、労働組合とも協議している。
・また、労使協議を通じて、働き方の議論(余力づくり、やりがい・働き甲斐)を行っている。

主な取組内容

年次有給休暇の取得推進

・法定を上回る日数の年次有給休暇を付与している。
(1年目…12日、2年目…17日、3年目…18日、4年目…19日、5年目…20日)
・長年、使用されなかった年次有給休暇の消滅(カット)をゼロにしようとする「年休カットゼロ」の活動が行われてきたため、非管理職・管理職とも、年次有給休暇を取得することが当たり前という風土が既に根付いている。
・年3回の長期の連続休暇を設けている。2025年度は、ゴールデンウィーク10日、夏季9日、冬季10日の連休を設定した。
・なお、年次有給休暇で2連休を取得するよう会社が主導するという取組を2019年度まで推進していたが、社員が自主的に取得するようになり、取得率が向上したため廃止した。
(展開を取りやめ後も約80%は取得している)

ヘルスケアスパデー制度

・所定外労働時間が、非管理職・管理職ともに3カ月連続で月45時間を超えた場合、年間540時間を超えた場合、仕事を離れて近隣の温泉施設等でリフレッシュできる「ヘルスケアスパデー」という制度を設けている。「ヘルスケアスパデー」は、勤務日扱いとし、温泉施設などの利用費用は、会社負担としている。

人員配置上の工夫

・製造ラインでは、年次有給休暇の取得や急な病欠者が出た場合、代替要員を確保できないと、他の従業員への負荷が大きくなり、現場が回らなくなってしまう。そのため、製造ラインの人員配置の計画は、全員が出勤する前提ではなく、出勤率を92.8%と想定した数値で算定し、配置要員を決定している。
・欠員が出ても困らないように、従業員は複数工程への対応が可能なように訓練している
・シフト勤務のある製造部門でも、育児と仕事との両立を図りやすいよう、昼勤務のみで育児短時間勤務が可能な「常一直(じょういっちょく)」という働き方を導入している。なお、「常一直」の社員が配置されたラインについては、通常の必要要員に1名プラス(プラスワン)する人員配置を行っている。1名プラスされる要員は、ライン作業を行ったり、カイゼン活動を行ったりしている。

DX化の推進

・各種帳票類の電子化、スマートデバイス支給対象の拡大を行った。スマートデバイスについては、従来は管理職にのみ支給されていたが、対象拡大後は、スタッフ部門では基本全員に、製造部門でも一定の職制まで支給されている。

業務の改廃(業務の「ヤメカエ」)

・具体的に見直しが出来そうな内容をピックアップし、リスト化。その内容を上位者と共有の上、改廃を上位者主導で進めている。

管理職の働き方改革

・製造部門:忙しく部下の人材育成時間を捻出できない、という意見が労使協議で議題となったことをきっかけに中間のリーダー層の管理スパンを縮小。
・スパン縮小に必要な人数を全社ヒアリングのうえ、中間リーダー層の育成を推進している。
・管理職(非組合員):年間の残業時間・年休取得に関する労使会議体において、管理職の残業目標目線も含めて議論。

柔軟な働き方に関する制度

【スタッフ部門】
・メリハリある働き方を図るため、事務・技術職(スタッフ部門)を対象としたスーパーフレックス制度を導入している。本人の業務スケジュールに応じて、柔軟に取得できるよう、午後から使いたい場合でも、昼イチのミーティングまでに申請すれば利用できるようにしている。
・在宅勤務など、物理的なロケーションが異なることなどにより、各種申請の電子化、デジタルツールの推進、全員へのデジタルデバイス(スマートフォン)支給を行っている。
【製造部門】
・一部、職場においてフレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入している。

エンゲージメントサーベイの実施

・2024年度からエンゲージメントサーベイを開始し、その結果に基づいて、全社施策および職場ごとの施策を推進している。

取組の成果・展望

【所定外労働時間の推移】
<2018年度>(月平均)24時間
<2024年度>(月平均)22時間
改善した理由:
・事技系部署でも、社員1人ひとりの業務負担を軽減し、余力をつくりのために採用を強化している。

【年次有給休暇取得率の推移】
<2020年度>年間平均取得日数:18.2日/取得率:93.4%
<2024年度>年間平均取得日数:19.2日/取得率:97.0%
改善した理由:
・労働組合の年休カットゼロ活動により、基本的に全組合員が年休カットゼロの風土が労使ともに根付いている。

【その他の効果】
・多残業者(540h/年)数の減少32名(18年度)⇒0名(24年度)※組合員
・多残業(540h/年)者をつくらないよう、業務のヤメカエ、チーム戦で業務に従事など、働く風土が変わってきている。一方で、単純に早く帰るのか、出来た余力で何をするかは意識の差はある。

今後の展望

・年次有給休暇については、すでに十分取得率が高いため、この状態を維持できるようにしたい。
・所定外労働時間の削減については、数年かけて全員が年間360時間以内に収まるように推進する。そのためには、仕事の無駄を改善ノウハウや知見の蓄積など、生産性高く仕事ができる環境を整えるなど、従業員の意識改革を図っていきたい。
・本人の自主性の尊重、任せて育てる文化、といった職場風土見直しを推進中である。これらによって、個人のやりがい向上にもつなげていく。
・特にスタッフ部門では、従来の画一的な研修受講ではなく、キャリア選択の幅を広げられるような枠組みも検討中である。

(R8.3)

以下の事例も是非ご覧ください。

事例を評価する