兼松株式会社

厚生労働省

事例カテゴリ

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  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制
  • ワークエンゲージメント

企業情報

兼松株式会社
企業名
兼松株式会社
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所在地
東京都
社員数
821人
(時点:2025年3月)
業種
卸売業
事業内容
国内外のネットワークと各事業分野で培ってきた専門性と、商取引・情報収集・市場開拓・事業開発・組成・リスクマネジメント・物流などの商社機能を有機的に結合して、多種多様な商品・サービスを提供する商社

働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い

働き方の現状

・2016年度に勤怠システムを刷新し、以前より厳密な管理が可能になった。
・部署による差はみられるが、傾向は一律ではない。時節によって、残業の多い部署が変わる。
・非管理職層と管理職の差はあまりない。

働き方の課題

・フレックスタイム制を導入しているものの、活用が十分にできていない。フレックスタイム制は課単位で導入するという運用を行っているが、マネジメントの懸念等から利用する部署が限定的である。

休み方の現状

・年次有給休暇の付与日数は、法定どおりである。2024年度の年次有給休暇取得率は71.2%。
・特別休暇としてボランティア休暇などがある。

休み方の課題

・非管理職層の取得率は70%を超えている一方、管理職層の取得率が低い。年次有給休暇の取得促進に取り組む以前は、従業員から、部署や上司によって年次有給休暇がとりにくいことがあるという声があがっていた。

主な取組内容

働き方改革に関する方針・推進体制

・2023年4月にテレワーク規程を制定し、「従業員の自律的な働き方の尊重」と「会社業績の向上」を両輪で実現することを目指し、働き方の選択肢としてテレワーク(在宅・サテライトオフィス勤務)を位置付けた。それぞれの狙いは以下の通り。
→在宅勤務
ウェルビーイングの観点において、通勤ストレスの解消等により働きやすさを高め、企業価値や業績向上を実現することを目指す。
→サテライトオフィス勤務
外出時の移動による時間のロスを削減、遠隔地への出張中の業務や商談等を可能とし、業務効率化の更なる推進を促す。

フルフレックス制度の導入

・2019年度にフレックスタイム制の利用単位を課から個人に変更し、2021年度にコアタイムのない「フルフレックス制度」を導入、既に社員の8割超が利用している。今後、2026年度までに95%の利用率達成を目指している。
・フレックスタイム制の利用が課単位であり、制度を十分に活用できていなかったため、2019年度より、利用を課単位から個人単位に変更した。

テレワーク制度の導入

・2019年度にテレワークの試験的導入(サテライトオフィス・在宅勤務)を開始、新型コロナウィルス対応での在宅勤務規程を制定した。
・2022年度の本社移転時に徹底したペーパーレス化を行い、テレワークでの業務遂行を円滑化した。
・更に、2023年度には、アフターコロナでの最大週2日までの在宅勤務を可能とし、サテライトオフィス勤務を含むテレワークを正式な制度としている。

ABW(Active Based Working)の導入

・働きやすさと効率化が促進されるよう、2022年度よりABWを導入している。具体的には、プロジェクト推進や入札業務に特化した場所や、短時間の会議を推奨するオープンミーティングエリア、集中して作業できるブースなどを新設し業務に合わせた働き方を選べる環境を提供している。

役職者の業務負担軽減

・役職者の業務負担軽減を目的として、管理スパンに応じて一定程度の組織には課長代理相当の人員を登用することを可能としている。

健康状態の把握

・当社では従業員の健康に関するデータを可視化するため健康管理システムを2024年3月に導入した。同システムを用いて、兼松健康保険組合と連携してデータ分析を行い、従業員の健康状態に即した健康施策を実施し、効果を測定している。また、従業員自身も同システムを使うことで、自身の健康課題の把握、健康的な生活の習慣づけが可能となっており、全従業員の健康意識向上を図っている。

位置情報システムの導入

・社員がどこにいるかがわからないという状態が、テレワークやABWを推進する上での阻害要因となると考え、PC・スマートフォンで位置情報を把握することができるシステムを導入し、コミュニケーションの円滑化を図っている。

「ブロンズウィーク・プラス」制度の導入

・2016年度より、年次有給休暇の取得率向上を目的に、ゴールデンウィークやシルバーウィークにつづく、第3の大型連休として、「ブロンズウィーク」を導入した。飛び石連休の中日、あるいは3連休の前後に年次有給休暇を取得することで、連続4日間の休日とすることを原則としていた。
・2020年度からは「ブロンズウィーク・プラス」として、取得候補日を限定せず、通常の週末に連続して設定可能としたことで利便性を向上させた。また、取得義務日数を2日から5日に変更し、休暇取得しやすい職場環境の整備を目指している。
・夏季休暇時期に「ブロンズウィーク・プラス」制度を再案内することで取得を推奨し、前年度末の「ブロンズウィーク・プラス」による休暇計画時に在籍していなかった社員にも周知徹底を図った。
・「ブロンズウィーク・プラス」などによって、連休が確保されると、計画を立てたうえで、目的のある休暇を過ごすことがしやすくなる。休暇を充実させることができ、また、予め決まった休暇に合わせて仕事を進めることで、気兼ねなく休みをとることができる。

時間単位年次有給休暇の導入

・2019年度より、個人の事情による柔軟な働き方、時間配分が出来るよう、通常勤務者を対象に年次有給休暇の時間単位取得を可能にした。
・2022年度までに有給休暇取得率は70%を超えており、2026年度までに取得率75%を目指している。

「マイウィークエンド」制度の導入

・2019年度より、個人の趣味や家族の記念日のための有給休暇取得を促す「マイウィークエンド」を導入し、特に休暇を取得しづらい管理職に、少なくとも年間5日の利用を要請し、仕事とともに私生活も大事にする働き方を支援している。

出生時の育児休暇制度「ハローベビー休暇」の導入

・2022年10月より、法定の「産後パパ育休(出生時育児休業)」4週間に対し、その2倍に当たる「出生翌日から8週間までの特別有給休暇」を付与する制度を設けて積極的な育児参画を促し、2026年度までに男性の育児休業等取得率100%を目指している。

取組の成果・展望

【年次有給休暇取得率の推移】
<2017年度>年間平均取得率:66.7%
<2024年度>年間平均取得率:71.2%

年次有給休暇の取得促進の効果
・従業員が年次有給休暇を取得しリフレッシュをすることで、新たな発想を持って仕事に取り組むことができる。また、従業員満足度の向上、心身の健康維持効果にも影響し、従業員のWell-being向上に繋がっている。

その他の働き方・休み方改革の成果の指標
・働き方・休み方改革の成果を捉えるため、プレゼンティーズム、アブセンティーズム、ワークエンゲージメントを指標としている。

プレゼンティーズム(%)(※1)
2022年度:20.3、2023年度:20.4、2024年度:19.5
アブセンティーズム(日)(※2)
2022年度:1.0、2023年度:0.9、2024年度:0.9
ワークエンゲージメント(点)(※3)
2022年度:3.1、2023年度:3.2、2024年度:3.1

※1:「病気や怪我がない時に発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事を評価してください」への回答結果を算出し、100%から減算したもの(東大一項目版を用いて測定)。(2024年度:回答者数812名、回答率98.3%)
※2:社員1名当たりの傷病による平均休職日数
※3:「働きがいのある仕事だ」への回答の平均値(5段階評価)(職業性ストレス調査を用いて測定)。(2024年度:回答者数812名、回答率98.3%)

業務効率・生産性
・コロナ対応およびオフィス移転にあたり、徹底したペーパーレス化を行ったことで、従業員が就業場所に依存せず効率的に業務に取り組んでいる。
・テレワークのデメリットとして、チームで実施する業務は業務効率を上げにくいことがある。また従業員同士や上司とのコミュニケーション不足になることがあるため、2022年に移転した新オフィスでは最新の会議システム導入や、コミュニケーションスペースの活用によりテレワークとオフィス出社勤務の使い分けをするなど、改善に取り組んでいる。

従業員のワーク・ライフ・バランス、モチベーション
・フルフレックス制度の利用率は2025年10月時点で88.9%となっており、オフピーク通勤を含むオフィス出社と、サテライトオフィス・在宅勤務の利用とを組合せて、従業員各自の業務状況や、育児や介護などの家庭環境に合わせた効率的な働き方が可能となった。また従来以上に自己啓発や学び直しの時間を取りやすくなった。

多様な人材の活躍
・男女共に育児休業等取得率は100%である。
・2024年度以降は、育児や介護による自己都合退職はゼロと、非常に低い水準となっている。
・一方、在宅勤務者や短時間勤務者との会議の設定など、チームで連携しての業務推進に工夫が必要になっており、新オフィスの会議設備、コミュニケーションツールなどを活用して、様々なバックグラウンドを持つ多様な人材間での円滑な意思疎通と業務推進を図っている。

採用・人材の定着
・採用に関しては、働き方の自由度を増したことで、より多様かつ有望な人材の採用が可能になっている。
・一方で、離職に関しては、働き方の向上が従業員満足にはつながっていると考えられるが、離職の理由は外部環境も含めて様々であり、一概には言えない。

その他
・出生時育児休業として法定の2倍の日数の特別有給休暇を導入し、主に男性の育児による休暇取得への収入面での安心材料としている。

今後の展望
・人的資本経営推進の一環として、今後とも、継続的に質の高い働き方、休み方に取り組んでいく方針である。

(R8.3)

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