株式会社サイバーエージェント
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
企業名 |
株式会社サイバーエージェント
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所在地 |
東京都
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社員数 |
6,337名(連結)1,977名(単体)(2022年9月時点)
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業種 |
情報通信業
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取組事例
取組の目的 |
・1998年に会社を設立し、設立2年後である2000年に上場。急激な成長・拡大を続ける中で、上場した2000年から2003年にかけては職場もまだまだ混乱しており、新しい社員がたくさん入社しては、大量に辞めていき、退職率が3年連続で年間30%を越える状態だった。
・そのような状況の中で、2003年に初めて役員合宿を実施し、経営課題を議論した。当時は急な事業拡大の中で役員間でも理念の共有が不十分な状態だったが、合宿で未来に向けて議論し食事を共にしたところ、同じ目標に向かって進んでいく関係性を構築することができた。この合宿をきっかけに、短期的な成長にこだわりすぎるのではなく、中長期視点で会社を成長させることが必要であると判断。その結果、一緒に働く仲間である「社員」を大事にしよう、という方針から取組を進めることになった。 |
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取組の概要 |
○主な取組内容
・以下3つの取組を行っている。 ①軸の明文化 ビジョン、ミッションステートメント、パーパスをキーワードとして、明文化されていなかったものを明文化した。 ②横のつながりの強化 社内での関係性構築を支援する。 ③個人への光 集団としての「社員」ではなく、働く「個人」を見て施策を展開する。 ①軸の明文化 会社のビジョンとミッションステートメントを明文化して社員と共有した。ポイントは以下3つ。 (1)「優秀な人」を採用するのではなく、「ビジョンやミッションステートメントに共感した、一緒に働きたい人」を採用する。一緒に働きたいと思える仲間を集め、ともに変化・成長をしていくという採用方針とした。 (2)年功序列の禁止。経験年数や年齢による序列ではなく、社員のやる気や能力に着目して処遇する。同社における「長期雇用」とは、価値観が合う人を採用し、長く活躍していただくことを意味している。 (3)たとえ失敗してもセカンドチャンスのある会社とすること。挑戦の結果、失敗することやうまくいかないこともあるが、たとえ失敗してもセカンドチャンスがあるという風土を作り、実際にその成功事例があれば、社員のチャレンジも促進されると考えている。 ②横のつながりの強化 社内では、社員間、内定者間、保有しているサッカーチームの応援、クリエイター同士など、様々な交流が活発であるが、これらの懇親会や部活動の支援を会社で行っている。懇親会支援は毎月1回、部署で実施の場合1人5,000円まで補助している。懇親会を通して情報共有ができるとともに、役割外活動も増え、何よりガバナンスやコンプライアンスの観点からは、相互に知っている関係があることで不正が減る。また、信頼関係が強いことによって業績のマイナス面が減るというメリットもある。役員も社員と食事に行くことを重要だと考えており、日々の業務と少し離れた時間にコミュニケーションをとることで、お互いのことをよく知ることができ、相互理解が進むと考えて積極的に参加している。 ③個人への光 年に一回、ホテルの会場を借りて全社表彰を大々的に行っている。社長によるプレゼンテーションに続き、新人賞やマネジャー賞などをその場で発表し、表彰する。この表彰の際に誰を表彰するか、という点が重要であると考えており、成果をあげた人のなかでも「人望のある人を壇上にあげる」ことを重視している。人望のある人は壇上で周りへの感謝を伝えることが多いからである。どのような人を表彰するかは、経営メッセージのひとつであると考えている。 ○取組の普及・促進策 経営陣がしっかりと基本的な方針や方向性を定めて、メッセージを発信することが重要である。一方的な発信に留まらず、社員の理解や納得につながるよう、発信と対話を続ける必要があると考えている。 ○活用している指標 ・社員のエンゲージメントを定期的に観察する指標として、自社独自の「GEPPO」を利用している。「GEPPO」は全社員を対象にした毎月3問の簡単なアンケートで、「快晴」から「土砂降り」までの天気になぞらえて五段階で評価する。回答によって個人の「天気」を確認でき、集計すれば部署ごとに状況も可視化できる。回答状況は上司に開示せず、全社の異動担当部門である「キャリアエージェント」が管理・運営している。 ・GEPPOに変える前は、一回につき20問程度のサーベイを利用していたが、社員側の回答負荷が高く、なかなか回答率が伸びなかった。そこで、簡易に回答ができるGEPPOに変更し、かつ回答は「業務」であると明示した。変更した当初は回答率が低かったが、継続していく中で社内に定着し、現在は実施して5営業日以内には回答率が90%以上になっている。 ・キャリアエージェントは社員のフリーコメントに毎月返信し、「打てば響く」と感じられる状況を作るようにしている。天気が大きく変化したなど、気になる社員には声かけを行う。さらに、必要だと判断すれば人事部門が改善や異動を提案することができる。年間で200名程度の異動を支援する。 ・ポイントは「定性の定量化」によって全体を把握する点にある。推移と比較で検証することが重要だと考えている。また、個人のフリーコメントをそのまま役員会議で確認する。たった一人の声が経営課題だと扱われることもあり、そういった「自分たちの声が会社を動かす」という経験や実感がモチベ―ションにつながると考えている。 ○その他の取組 社員のやる気を引き出す取組として、「抜擢」を導入。これは、肩書を変えるということではなく「期待をかけて任せること」である。この時にも「失敗を恐れない」「挑戦と安心はセット」であることが重要であり、抜擢→挑戦→失敗→学びのサイクルが回って、本人と組織の成長につながるのであれば、失敗が起きること自体は問題視しない。むしろ、失敗経験から何を学べるか、次の成長につながるかを見るようにしている。 |
現状とこれまでの取組の効果 |
・GEPPOへの回答とそれに基づく取組は社内に定着。調査開始から比較して、いずれの項目も「晴れ」が占める割合が増えており、職場全体のエンゲージメントも向上している。
・人事異動や抜擢が契機となり、社員の自発的なキャリア開発も進んでいる。近年は役員にも若手メンバーを抜擢しており、社員全体が挑戦を恐れない環境の中で新事業開発等も活発になっている。 |
(R5.6)