白鷺電気工業株式会社
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
| 企業名 |
白鷺電気工業株式会社
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|---|---|
| 所在地 |
熊本県
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| 社員数 |
139人(2025年11月現在)
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| 業種 |
電気工事業
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取組事例
| 取組の目的 |
○従業員の働きがいの現状を把握するための施策
・2019年から、自社の状態や生産性を定量的に把握するために外部サービスを活用して組織効果性サーベイを実施している。2021年からは、同じく外部サービスを活用してエンゲージメントサーベイも実施している。いずれも、人材コンサル会社からの紹介を受けて開始した。 ・組織効果性サーベイは、大きく分けて以下の8つの設問項目から成る。計80問程度である。 ①環境対応(情報への感度、顧客対応等) ②戦略(戦略への理解度や納得性) ③業務遂行(人員配置や業務量) ④構造(ガバナンスや情報管理等) ⑤人材(業務理解、多様性等の人材への理解) ⑥組織文化【組織風土】(上司の指導や組織風土、文化等) ⑦組織文化【指向性】(個人の指向性) ⑧組織の成果 ・エンゲージメントサーベイは大きく分けて以下の7つの設問項目から成る。計20問程度である。 ①事業の将来性イメージ ②仕事の意義・貢献 ③自己成長実感 ④上司の支援 ⑤人間関係づくり ⑥多様な働き方の選択 ⑦処遇の公平感 ・組織効果性サーベイとエンゲージメントサーベイは同時に実施し、全体で100問程度に対して1年間に1回、従業員が回答する。回答率は94~95%程度である。 ・サーベイの設問は利用している外部サービスが設定しているものを活用しており、同社で独自に設定した設問は無い。従業員はPCや社用スマートフォンからサーベイに回答する。 ○働きがいの把握や向上施策を開始したきっかけ・目的 ・現社長が同社に入社した2010年頃から長期的な人材育成の重要性を感じており、研修の実施等に注力してきた。 ・組織効果性サーベイは、中期経営計画の策定に向けて自社の状態を定量的に把握し、他社比較も実施するために開始した。 ・エンゲージメントサーベイは、組織の生産性測定に向けた補助的な指標として導入した。またコロナ禍を経て退職者が出たタイミングでもあり、社内のエンゲージメントの実態を把握することも導入の目的の1つであった。 |
|---|---|
| 取組の概要 |
○サーベイの実施及びサーベイ結果の活用
・組織効果性サーベイ及びエンゲージメントサーベイの実施、外部のコンサル会社による結果の集計・分析、集計結果を踏まえた部門別の改善計画の作成を、1年間に1回、取組のサイクルとして実施する。 ・集計結果では、基本的には部門別に組織効果性サーベイの8つの項目、エンゲージメントサーベイの7つの項目に関する結果を出している。あわせて、同社の回答結果と、他社平均や建設業界平均との比較についても分析を行っている。集計結果は管理職に共有される。 ・エンゲージメントサーベイを開始した2021年から2023年までは、各部門の部長を対象とした管理職研修の中で、部長が集計結果を基に対策を検討し発表していた。サーベイの実施や結果の集計を依頼するコンサル会社から、研修の実施も含め支援を受けていた。研修は1年につき計3回実施し、初回ではサーベイ結果の見方を部長に教えた上で、自部署の改善計画を立てた。2回目、3回目の研修では計画の進捗を各部門の部長が発表し、コンサル会社からのフィードバックを受けた。 ○長期経営計画や部門別の経営計画方針書に基づくエンゲージメントの改善 ・部長層が過去3年間の研修を通じて取組のサイクルを概ね体得したことから、2024年には前述の研修は実施を終了した。その代わりとして、2026年に会社創業80周年の節目を迎えることを見据えて、長期経営計画である「白鷺電気工業Vision80」の策定に取り組んだ。この取組には、引き続きコンサル会社にも参画を依頼した。Vision80策定に向けた会議には、部長級以上の全員に加え、課長及び担当職からも数人が参加し、合計で12~13人の体制で策定を実施した。担当職については、将来の活躍が期待される人材を経営層が選定した。 ・2024年以降は、Vision80を基に毎年度各部門が経営計画方針書を作成している。経営計画方針書にはエンゲージメントに関する内容も記載し、部門別に取組を進めることで、エンゲージメントの向上を目指す。 ・「白鷺電気工業Vision80」には、①本業を深め、広げる②社内起業を促進する③働き方改革を実現する④さらに地域と共に歩む、という4つのテーマがあり、テーマ別に各部門が毎年度方針を作成する。エンゲージメントに関連する部分では、例えば①に関連して若手従業員への技術継承、②に関連して新規事業の創出、③に関連して業務効率化やDX推進、業務の平準化、安定的な人手の確保等が挙げられることが多い。 ・2024年以降の取組の流れは以下のとおり。 (1)12月~1月上旬:従業員がサーベイに回答 (2)~2月:サーベイ結果がコンサル会社から提出され、各部門に結果を共有 (3)~4月:サーベイ結果や「白鷺電気工業Vision80」を踏まえ、各部門の経営計画方針書(1年間の運営計画)を作成 (4)4月:全社に対する経営計画方針書の発表会 (5)四半期に1回:部門長が経営層に対して、経営計画方針書の進捗を報告する報告会を実施 (6)半年に1回:経営計画方針書の進捗状況を評価するためのヒアリングを実施し、経営側が進捗を評価 ・(3)経営計画方針書の作成は各部門が主体となり実施する。その際、管理職以外の従業員の意見も聞きながら経営計画方針書を作成する。役職を問わず、従業員それぞれが考える「部門のありたい姿」を経営計画方針書に反映する機会となっている。 ・(4)経営計画方針書の発表会は、各部門の計画書を発表・宣言する場であるとともに、KPI設定の場でもある。各部門から発表のあった経営計画方針書に対して出席者から質疑やコメントがあり、この発表会を経て経営計画方針書が確定する。時には「もっと厳しいKPIを設定すべき」という指摘が出ることもある。発表会には経営層や全部門の部長等が対面で参加するほか、オンライン会議で社内に配信しており、若手の従業員も含めてオンラインから質疑や意見表明をすることも可能である。決して「ただ話を聞く場」ではなく、「お互いの計画を知る場、決める場」として機能している。 ・(5)四半期ごとの報告会は、経営計画方針書達成に向けた進捗状況を、部門長から経営層に対して報告する場である。報告会への参加者は、各部門の部長全員と経営層のみである。四半期に1回報告会を実施することで、各部門での計画的な取組実践を実現している。KPIは上期と下期ごとに設定している。 ・(6)半年に1回のヒアリングは、各部署の取組を経営層が評価するために実施する。このヒアリングは、役職を問わず従業員も傍聴できる。各部門の部長が取組状況やKPIの設定状況を発表し、経営層が評価する。 ○サーベイの位置づけ ・取組を開始した2021年当時は「前年度よりサーベイ結果が改善しているか」という点を重視していた。現在では、エンゲージメントサーベイの結果はあくまで組織の健康診断であり、全体の傾向を把握するものとして位置づけ、個人の点数を極端に追い求めないようにしている。 ・考え方が変わったきっかけとして、過去に転職した従業員のエンゲージメントサーベイでの数値は高く、退職の予兆を把握できなかったことがある。そのため、個人別の数値の向上に注力しすぎても意味が無く、回答者が特定可能な状態はかえって正直な回答を妨げるなどの悪影響が出るのではないか、と考えた。 ○上司と部下、経営層と従業員の間でのコミュニケーションの増加 ・サーベイ結果を基に、同社では上司と部下の間でのコミュニケーションに関するスコアが比較的低いことがわかった。この結果を踏まえ、上司と部下の間でのコミュニケーションの機会を増やしている。 ・会社のビジョンの浸透に向けて、社長と従業員が対話する機会を増やしている。例えば社長と、その月に誕生日を迎える従業員でのランチ会を毎月実施している。社長と従業員の接点の増加のみならず、従業員同士での社内ネットワーク形成支援の役割も果たしている。 ○働きがい向上のための取組にあたる体制の構築(担当部署や関係者の巻き込み) ・「白鷺電気工業Vision80」や経営計画方針書の作成は経営戦略室が担当し、サーベイの実施など人事に関する施策は経営管理室が担当する。同社では、経営戦略や基本方針の作成と人材育成が大きく関連しているため、両室が連携している。 |
| 現状とこれまでの取組の効果 |
○働きがいに関する施策の導入による効果
・従業員の意見を部門の経営計画方針書作成に反映するようになったこと、経営層と従業員や、上司と部下の間でのコミュニケーションを増やしたこと、人材育成にさらに注力するようになったことなどもあり、エンゲージメントサーベイのスコアは上昇傾向にある。 ・回答時の心理的安全性を確保し従業員から正直な回答を引き出すために、従業員別の回答状況は把握できない仕組みとしている。回答率は比較的高いが、回答してない従業員こそが、エンゲージメントが低い層なのかもしれないという課題感も持っている。 |
(R7.10)