手島精管株式会社
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
| 企業名 |
手島精管株式会社
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|---|---|
| 所在地 |
東京都
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| 社員数 |
56人(2025年10月時点)
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| 業種 |
製造業
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取組事例
| 取組の目的 |
○自社で実施する働きがい(エンゲージメント)に関する取組の経緯
・同社で導入しているクラウド管理システムにサーベイ機能があり、従業員に対するアンケートを実施している。従業員の心理的状態や退職兆候などを把握している。 ・現場で従業員と対話する中で、経営層が従業員の率直な意見を把握している。また、毎月15分程度の全体朝礼を開催し、会社の目標を共有している。 ○働きがいの把握や向上施策を開始したきっかけ・目的 ・現社長の社長就任時から現在までに、組織として企業文化や業務の進め方を見直す過程で、従業員が多く退職したことによる売上減少を2回経験してきた。その度に、企業文化や業務の在り方の改革は進めつつも、従業員の働きやすさ・働きがいの向上と企業の成長を両立させる方法を模索してきた。そうした中で、会社の目標を達成するために、会社と同じ方向を目指し、より意欲が高い従業員が報われる企業文化と、従業員の活躍や人材確保の観点から多様な人材が働きやすい環境を整備することが重要だと考えた。 ・2023年頃に地域的な要因などから多くの従業員が退職し、従業員数の減少に伴い売上が減少した。こうした状況から会社を立て直し、従業員数や売上を以前の状態に戻すために、まず働きやすさに関する施策を実施してきており、今後働きがいに関する施策の導入を検討している段階である。 |
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| 取組の概要 |
○採用力強化のため、効率的な業務環境を整備
・従業員を増やし、売上を以前の水準まで戻すために、まずは採用力を強化することを重視した。そのために、生産管理システム、オンライン会議ツール、社内チャットツールなどのITツールやAIを活用し、効率的な業務環境を構築している。 ・同社では、2006年に品質マネジメントに関する国際規格であるISO9001を取得し、業務プロセスの標準化や生産管理システムの整備を進めてきた。そのきっかけとしては、現社長が同社に入社した際は、多くの業務がベテラン従業員の経験や知見に依存していたこと、生産や発注が紙に記録されており統一的に管理されていなかったことなどが挙げられる。生産管理をシステム化したこと、製造工程に関する業務手順書を明確化したことで、人の経験に依存せず、組織として安定して事業運営ができる体制になった。これにより、同社が有する高い技術力を維持し継承することも可能になった。 ・上記のとおり生産管理システムを長期にわたり活用していたこともあり、以前から、現場でのITに対する心理的ハードルは低かった。業務を効率化し、また他業種での勤務経験がある優秀な人を採用するために、バックオフィス業務の改革(オンライン会議ツール、チャットツール、テレワークの導入など)を行った。一方、製造現場では対面コミュニケーションや電話等も活用し、担当間で連絡を取り合い滞りなく製造ラインが進むよう留意している。それぞれの部署、業務内容に応じて適切な進め方を採っている。 ・同規模の地方の製造業企業と比較して、先進的にAI・ITツールを導入・活用していると自負している。また、同社の取引先には海外企業も多く、グローバルに仕事ができる環境もある。採用活動にも力を入れたことで非常に多くの方から関心を得て、約2年間で2,000人以上から応募があり、順調に採用にもつながっている。 ○求職者の目に留まり、従業員の働きやすさを叶える職場環境の整備 ・多様な従業員の活躍を促すため、また採用競争力を強化するために、従業員が働きやすく、また求職者にとって魅力となる職場環境整備に取り組んでいる。社内にカフェテリアを作り、従業員は無料でランチを食べられるようにした。また、ドリンクバーを設置して休憩時に無料で飲み物を飲めるようにした。 ・求職者と面談をする中で、「働きたいが、保育園が決まらないので入社日を遅らせたい」といった声があった。子育て中の方など多様な人材を採用対象とし、多くの方に応募してもらい、優秀な方に入社してもらえるよう、社内に託児スペース(Kids Innovation Center、通称KIC)を設けた。保育スタッフも採用し、従業員は子どもを託児スペースに預けて勤務することができる。これにより、小さな子どもがいる方の採用・活躍につながっている。特に、共働きが標準となっている昨今、母親も仕事をしなければならない状況を踏まえ、母親の子育て支援、子供の自由な発想が育める環境を整備したい、という現社長の思いから、KICの設立に至った。 ・社内のカフェテリアを使い、従業員向けの親睦会や従業員とその家族が参加できるイベントを定期的に開催している。これらのイベントは、担当の従業員が主体となって企画している。所属する部署のみならず、会社での横のつながりを築くことにつながっている。 ○業務における裁量の付与 ・働きがいを高めるためには、自分が担当する業務に裁量を持ち進められることが重要だと考える。会社の方針を踏まえて部署や従業員別に目標を設定するが、目標達成までの過程に関して細かく指示することは少なく、従業員の裁量に任せている。 ・担当する業務を自律的に進める従業員、裁量を持ち自ら動く従業員を育てたい。働きがいの向上は、お金をかければ解決する問題ではなく、従業員の意識変革が重要であると考えている。そのため、自律的に動ける従業員を評価する方針を社内に共有している。人材の意識改革には、時間を要するため、日々、細かいことでもコミュニケーションをとることで、意識改革につなげている。 ・同社ではISO9001を取得しており、個人の権限と業務内容の明確化をしている。各従業員が担うべき権限の範囲が明確化されているため、各々が裁量を持つ中でも業務の抜け漏れなどは防げている。 ○働きがい向上のための取組にあたる体制の構築(担当部署や関係者の巻き込み) ・働きがい向上に関する施策は、基本的には経営層が中心となり方針を策定した上で、各組織が裁量を持ち具体的な施策を検討・実施している。 ・同社では、経営層と従業員の距離が近く、日々の業務や対話を通じて従業員の仕事ぶりや意見を把握している。そのため、直属の上司による1on1などの場は実施していない。これは、個別の場で従業員の本音を聞き出すには一定のスキルが必要であり、難易度が高いと考えることも背景にある。 ・その一方で、従業員の本音を把握するため、同社は社外の人事専門家に従業員へのヒアリングを依頼している。経営層や同僚には言いにくいキャリアに関する内容なども、第三者である専門家の方が話しやすいと考えるためだ。こうして収集した従業員の本音は、今後の人事施策の検討・展開に活用し、離職率の低下につなげることを目指している。 ○働きがい向上のための取組の設計・運用にあたり苦労した点や、その克服に向けて行った工夫 ・従業員の採用選考では、採用後に配属予定となる部署の従業員にも選考に参加してもらっている。これにより、当該従業員の入社後、チーム力の高い組織になることを期待している。 |
| 現状とこれまでの取組の効果 |
○働きがいに関する施策の導入による効果
・従業員同士のチームワークを重視しコミュニケーションを促したことで、新たに採用した従業員の定着率は大きく改善した。 ・担当する業務内容について、自分で目標を立ててその目標を達成することにより、従業員の働きがいややる気は大きく向上すると考えている。 |
(R7.10)