株式会社ヴィス
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
| 企業名 |
株式会社ヴィス
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|---|---|
| 所在地 |
東京都
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| 社員数 |
309人(2025年10月時点)
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| 業種 |
サービス業、ワークデザイン業
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取組事例
| 取組の目的 |
○自社で実施する働きがい(エンゲージメント)に関する取組の経緯
・自社で提供するサービスの特性や性質から、社会が「エンゲージメント」に注目する前から、自社従業員の働きがいを大事にしてきた会社であり、社会潮流の変化とともに、自社の取組に「エンゲージメント向上」という名前がついてきたようと評価している。創業当時から従業員の横のつながりを形成できる場の提供などの取組を実施してきた。 ・1998年に空間デザインの企業として創業し、2004年からオフィスデザイン事業を開始した。クライアントのオフィスを、従業員が活き活きと生産性高く働けるようにデザインするには、自社の従業員が活き活きと働いていることが重要だという意識があった。 ・コロナ禍を経たことによる多様な働き方の導入や、従業員規模の大幅な拡大、平均年齢の上昇などから、近年では多様な働き方のなかでも積極的にコミュニケーションをとり、会社の結束力を高めることができる施策に注力してきた。 ・これまでも人とのつながりを重視して成長してきた企業であり、従業員の価値観としてもコミュニケーションをとることを重視している人が多い。コロナ禍前は毎日出社を前提とした働き方であり、また業務後の飲み会など対面のコミュニケーションがとりやすい環境だったが、コロナ禍を経てテレワークや時差出勤制度を導入するなど会社全体の働き方に変化があった。加えて、現在も平均年齢が若い会社ではあるが、ここ数年で結婚出産や介護といったライフイベントを迎える従業員が出てきた。そうしたなかでも、コミュニケーションをとり続けることができるよう、コミュニケーションの場を多様化させることで引き続き綿密に連携できる環境を整備している。 ○従業員の働きがいの現状を把握するための施策 ・働きがいを定量的に把握するために、2021年より2種類のエンゲージメントサーベイを導入している。①組織改善サーベイ②同社が開発した、「はたらく環境」と「はたらきがい」の関係に着目したサーベイを実施している。 ・①のサーベイについては、毎月15問程度のパルスサーベイ形式で実施している「ショートサーベイ」と年2回広範囲の質問をする「ディープサーベイ」の2形式で実施している。ディープサーベイは4月と10月の年2回実施している。設問数は約150問であり、10月に実施するサーベイは、法定のストレスチェックを兼ねている。対人関係、働きがい、自己実現の実感、上司とのコミュニケーション状況などについて調査している。 ・ショートサーベイはやる気、力のみなぎり方、腰が痛い、めまいがするなど、精神、身体状況について簡単に調査する形式で実施している。 ・②自社開発のサーベイでは、「ワークプレイス」「ワークスタイル」「カルチャー」「ウェルビーイング」「エンゲージメント」「やりがい」といった6つの項目を調査。働く環境や働き方、エンゲージメントなど人的資本に関することを多角的な視点で調査することで、従業員満足度や働きがいを可視化している。 ・回答率については90%程度。高い回答率を維持するために適宜呼びかけを実施している。 |
|---|---|
| 取組の概要 |
○サーベイの分析とPDCAサイクル
・サーベイの結果は、人事部から部門長へフィードバックをしている。その結果を踏まえ、各部門で、次の1年間で実施する改善プランを検討する。取組の効果がすぐに次のサーベイに現れてくることばかりではないが、腰を据えてPDCAサイクルを回している。 ・「コンパス」と呼ばれる経営会議にて、サーベイ結果なども踏まえ、経営方針を検討している。その結果や意図について、全従業員が出席する「コンパス報告会」にて経営陣から従業員に直接言葉で伝えることで、従業員が会社の方向性を理解し、組織に対する信頼醸成にもつながっている。 ○多様なコミュニケーションの場(1on1) ・同社は従来「人とのつながり」を重視した社風であり、出社による対面コミュニケーションが中心だった。コロナ禍後はテレワークや時差出勤を導入したことで、自然に相談できる機会が減ったため、意図的に対話の場を設計している。 ・1on1は、階層ごとに直属上司が部下(5-10名程度)に対して毎月15~30分程度で実施している。内容が業務報告だけに偏らないよう、「仕事(ワーク)」「将来のビジョンやキャリア志向(志事)」「私生活(私事)」の3つの「しごと」をテーマに行っている。 ・短期的なパフォーマンスや業務量の把握だけでなく、本人の気持ちや不安を率直に出せる場としたいと考えている。1on1を実施したことで活力がわいてきて「また明日から頑張ろう」という気持ちになれることを目指している。また、1on1で綿密にコミュニケーションをとることで、あの人がいるからこの職場で頑張っていこう、という従業員エンゲージメントの向上にもつながる重要な施策と考えている。 ・サーベイと連動した1on1の活用も進めている。メンタル指標やエンゲージメントが前月比で大きく下がった場合は、必要があれば、担当上司より上位の管理職や人事部と対象者とのフォロー面談を別途設定し、追加でコミュニケーションをとっている。必要に応じて、配置転換や業務調整などの支援につなげている。こうした仕組みによって、離職リスクの早期発見などにつなげている。1on1を通じてできるだけ早期に不調の芽を見つけ出し、対応できることがポイントだと考えている。 ・1on1の実施にあたり、管理職に対してどのような時間にしてほしいのかなどを、管理職研修の一環で研修している。1on1の所管は人事部であり、人事系コンサルティング会社の支援を受けながら企画運営をしている。 ・対面での自然なつながりを補完するため、社内イベントや雑談が生まれやすいスペースも整備している。出社する意味を「業務効率」ではなく「人と会える価値」として捉えなおすことで、コミュニケーションの質を維持している。 ○働きがい向上のための取組にあたる体制の構築(担当部署や関係者の巻き込み) ・サーベイの実施体制は、①組織改善サーベイについては人事部、②自社開発サーベイについてはデータソリューション事業の部署である。②のサーベイについては、サービスとして展開しているため、所管が事業部となっている。 ・それらを踏まえた、働きがいや社内コミュニケーションの促進などに関する施策は、経営層の方針を踏まえトップダウン型で従業員でプロジェクトチームを組成し実施している。従業員から課題を定期的に募り、取得したデータとあわせて経営層が課題の本質を捉え、施策を検討する。実行フェーズでは、従業員自らが主体となってアイデアを考え、実装まで担うことで、現場発の改善と組織の自走を促している。 ○働きがい向上のための取組の設計・運用にあたり苦労した点や、その克服に向けて行った工夫 ・サーベイや1on1の結果がすぐに数値として改善に現れない難しさもある。短期的な成果だけに囚われず、一定期間続け、変化を見極めることが、重要だと考えている。 |
| 現状とこれまでの取組の効果 |
○働きがいに関する施策の導入による効果
・テレワークの導入や従業員規模の拡大によるコミュニケーションの取りにくさについて、意図的に対話の場を設けたことで、相談や協働がしやすい社風を維持し、さらに組織の活性化につなげることができている。1on1については、「困ったことを率直に話せる場」として、精神的な負荷が高まる前の段階で、業務量の調整などの適切な支援につながるケースが増えた。従業員自身が「話を聞いてくれる相手がいる」と実感できることが、安心感の醸成や仕事への前向きさにつながっている。 |
(R7.10)