イヨスイ株式会社
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
| 企業名 |
イヨスイ株式会社
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|---|---|
| 所在地 |
愛媛県
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| 社員数 |
117人(2025年10月時点)
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| 業種 |
水産業
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取組事例
| 取組の目的 |
○従業員の働きがいの現状を把握するための施策
・従業員への個別アンケート、ヒアリングを実施している。 ・アンケートは年に1回実施。アンケート項目は計10問以下で、各設問に対して5段階での回答と自由回答欄を設けている。「会社への満足度」「上司や同僚への不満」「休日日数に対するとらえ方」など、働きやすさと会社への思いを聞いている。設問は自社で設計した。回答率は、部署によって回答状況に差があるものの、全社では8割程度と比較的高い水準を維持している。 ・PCを使う業務の従業員には、オンラインアンケートツールで作成したアンケートに回答してもらう。現場の従業員には、紙で回答してもらう。 ・アンケートの結果は、集計して取締役以上に報告する。 ・事業推進部が人事業務を担当しており、アンケートの実施や結果の確認を行う。直近では、アンケートやヒアリングで「休みにくい」という意見があり、完全週休二日制を導入した。 ・個別ヒアリングは、各事業部のマネージャー(部長級)と従業員が面談し、面談結果が取締役以上に上がってくる。事業推進部の取締役が、面談結果とアンケート結果を踏まえて対応を行う。 ・ヒアリングの頻度はマネージャーの裁量による。部署の繁忙状況などを踏まえ、月に1回程度~年に数回程度実施している。面談の目的は、働きがいの把握のみならず業務進捗を管理・把握することも含めて実施している。 ○働きがいの把握や向上施策を開始したきっかけ・目的 ・新卒で入社した従業員の離職率が高かったことが取組のきっかけである。2年連続で、新卒採用者(1年あたり3~5人)が、採用から2年以内に退職したことがあった。経営課題として、取組の必要性が共有された。 ・新卒社員の離職率の高さを契機として、まずは従業員への個別ヒアリングを開始したが、時間がかかること、個別の事情の把握が難しいことからアンケートも実施した。 ・以前から「何か変えなければならない」という空気はあったが、働きがいを高めていこう、という風土が醸成され、取組の検討を開始したのはここ5年程度である。3年前からアンケートを導入し、その結果を受けて週休二日制を導入したのは昨年である。休暇取得についての不満が減るなど、昨年から今年にかけて施策の効果が出てきた。 |
|---|---|
| 取組の概要 |
○働きがい向上のための取組として実施する内容
<完全週休二日制の導入> ・アンケートやヒアリングの結果を踏まえて、完全週休二日制を導入した。 ・水産業全体として、生き物を相手とする業界という特徴から、年間休日が少ない傾向にある。同社も現場は365日稼働であること、養殖業を営む取引先と日々やり取りすることなどから、休日が少ない状況だった。 ・完全週休二日制の導入にあたっては、別件で連絡していたコンサルタントに相談した。当初は、事務など対応が容易な部署からの対応を予定していたが、コンサルタントからのアドバイスを受け、「会社として完全週休二日制にする」と宣言し、現場も含めてシフト調整などで対応した。 ・完全週休二日制導入には数か月かかった。以前は年85日の休日だったが、現状では年110日の休日に増やした。新卒採用も視野に入れて、休日日数の増加に踏み切った。 ・完全週休二日制導入時には、加工部門や飼料製造部門から「現場が回らなくなる」といった反発もあったため、導入に向けて現場とは何度も話し合いをした。また、時間給で働くパート社員からは「給料が下がるのではないか」との意見があり、完全週休二日制を導入した際の給与のシミュレーションを実施した。基本給のベースアップや一日の所定労働時間の見直し等を並行して実施することで、年間の総労働時間を減少させつつ、年間の給与を増額するとの試算結果になり、その結果を従業員に共有することで懸念の払しょくに努めた。 ・従業員には、休みたい人と、しっかり働いて稼ぎたい人がいるが、アンケートから見えてきた課題からは採用や定着のためには休みを増やすことが重要であると判断し、休暇増加の方針で対応した。一方で稼ぎたい人のモチベーション低下を防ぐため、昇給や給与シミュレーションを実施した。一連の取組により、総額の人件費は増加している。 ・完全週休二日制は、「失敗してもよいから、課題対応のためにやる」という心持ちで導入した。 <若手でも裁量権を持って仕事ができる環境> ・1年目から新商品の開発に携わることができるなど、若手に大きな裁量が与えられていることは同社の特徴の一つである。自身の業務の範囲内での提案が可能であり、社長への提案や、意見を聞くことが気軽にできる。社長からは「やってみたら良い」との答えが得られることが多く、挑戦につながっている。 ・取締役も社長も、全従業員が同じフロアにおり、社風としても従業員と経営層との距離が近い。やりがいを感じながら、従業員が働くことができている。また、部署を横断した横のつながりが強い。部署単位で仕事をしつつも、本人が責任・裁量を持って規模の大きい仕事を進めることが可能である。 ・同社は以前から若手であっても裁量を持った働き方ができる社風が根付いており、裁量や責任を持ちたくない従業員が入社することは少ない。仮にそうした従業員がいた場合は、ツーマンセル(二人一組)の先輩従業員から声かけしてもらう、性格に合った部署へ転換する、といった対応を取ることを検討している。 <その他> ・資格取得補助制度があり、業務に関連する資格や免許を取る場合は全面的にバックアップする。 ○働きがい向上のための取組にあたる体制の構築(担当部署や関係者の巻き込み) ・事業推進部が人事業務を含めた全社業務(全社のシステム管理、補助金申請、採用など)を担当する。構成は取締役を含めて3人。3人で施策案を考えて、各部署のマネージャーと会議をして対応方針を検討する。 ・社長や取締役から、事業推進部に対して社内の課題について対応を求められるため、適宜根拠を基に対応している。 ○働きがい向上のための取組の設計・運用にあたり苦労した点や、その克服に向けて行った工夫 ・完全週休二日制の導入に伴い、「給与が下がるのでは」との懸念に対して会社内で何度も説明をした。また、不利益な変更にならないように昇給等の対応を行った。 導入時には、「課題が出てきたら、その都度対応していく」という方針だった。 |
| 現状とこれまでの取組の効果 |
○働きがいに関する施策の導入による効果
<従業員に対する効果> ・同社においては、人事制度変更、社内ミーティングやアンケートの実施といった施策の中では、人事制度の見直しが働きがいの向上に効果的だった。アンケートを実施しても、会社がその意見に対応しないと、むしろ会社への信頼が下がることもあると考えている。アンケートの実施に留まらず、拾い上げた従業員の声を適切に施策に落とし込むことが重要である。 ・完全週休二日制の導入は、アンケートからも、従業員が前向きに受け止めていることがわかっている。 ・ここ2年間、新卒採用者の離職は無い。また、従業員アンケートでの、会社への満足度は上昇傾向にある。加えて、売上は徐々に増加傾向にあり、1日当たりの生産量が増えているため、直接の因果関係まで分析していないが生産性にも良い影響を与えていると思われる。 <採用に対する効果> ・採用の際には、若手でも裁量を持って働ける環境があること、失敗を恐れずに働ける社風であることを打ち出している。 ・新卒入社者からは、社風が良いことが魅力として挙げられる。内定者の時に本社を見学して、「雰囲気が良い」と思ってもらうことで入社につながっている。 ・愛媛県外からの採用もある。愛媛県の求職者の分母は少ないため、東京や大阪での採用イベントに会社として参加している。また、水産業なので、県外を含む水産科の大学に通う学生にもアプローチをしている。 |
(R7.10)