ウェルグループ
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
| 企業名 |
ウェルグループ
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|---|---|
| 所在地 |
大阪府
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| 社員数 |
959人(関連会社・パートを含む)(2025年8月時点)
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| 業種 |
医療,福祉
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取組事例
| 取組の目的 |
○自社で実施する働きがい(エンゲージメント)の現状を把握するための施策
・健康診断時にメンタルヘルスのチェック項目を設けている。介護事業所ではケア会議やリーダー会議などの会議を活用して職員との面談を実施し、働きやすさの現状、課題把握を実施している。 ・面談は、集団で行うものと1対1で行うものがある。1対1で行うものは全職員が対象ではなく、普段の様子を見て上長が対象を選定して実施したり、職員から上長に対して相談があった方に実施したりしている。 ・制度上は、面談は「介護プロ」(同社独自のキャリアアップ制度)に組み込まれている。年に2回、6月と12月に教育の機会や評価の機会としてプリセプター(指導者)とプリセプティー(指導を受ける職員)が面談する計画を立てている。教育面での指導のみならず、メンタル面でのサポートもプリセプターが行うこととしている。 ・管理者である職員を除き、すべての職員にプリセプターがいる。自分よりも上位の資格の人がプリセプターとなる。管理職の職員には、教育部から直接教育がなされる。 ・昨年人事システムを刷新し、職員に対する教育状況やキャリアアップの状況を管理できるシステムとなった。無記名のアンケートでエンゲージメントの測定ができるようになったため、今後は面談に加えてアンケートでも職員の働きがいを把握する予定である。 ○働きがいの把握や向上施策を開始したきっかけ・目的 ・システムによるアンケートを検討している目的は、職員が意見を伝えやすいようにすることである。面談では意見を言いにくい職員であっても、アンケートなら言いやすいかもしれないと考えている。また、自社の介護部門では職員の2割が外国人であり、そうした職員でも意見を言いやすくしたい。また、1対1の面談を全員に実施することは体制面での難しさがあり、すべての職員の意見を把握するためにはアンケートが必要だと考えている。 ・職員の意見や考えをデータとして収集し、データの蓄積やデータに基づく人事管理、人事制度の運用を行いたい。適材適所ではない状態で働いている職員は、満足度が下がり退職してしまう例もある。(例:管理職を希望していないのに管理職を務めている、もっと精力的に働きたいのに働けていない等)職業員の働きがいやキャリア志向などの人事データの活用により、こうした状況を早期に発見し、職員の配置を実現したい。 ○ワークエンゲージメントや従業員エンゲージメントなどの概念、指標の活用状況 ・介護・医療現場で働く方は職人気質の方が多く、仕事への誇りからワークエンゲージメントが高い人が多い。こうした方々に従業員エンゲージメントや愛社精神を感じてもらうことに挑戦し続けているが、なかなか難しい。管理職には、ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントの双方を持つ人についてもらいたいと考えているが、ワークエンゲージメントのみ高い職員には、現場のスペシャリストを目指してもらうようなキャリアパスもありうると考えている。そのため、役職に応じて把握するデータを区別することも考えられる。指導者や管理者には、法人の理念にあった指導・管理をしていただきたいので、従業員エンゲージメントを持っていただきたい。 |
|---|---|
| 取組の概要 |
○働きがい向上のための取組として実施する内容
・人材育成、キャリアアップの制度として「介護プロ」という社内制度がある。制度設計に着手したのは2011年頃である。介護職員の定着率を高めたかったこと、指導方法が属人化していたことが制度導入の背景にあった。当時、退職者に話を聞くと、特に30~40代の方から「自分のキャリアや今後の給与が予測しにくい中で家族を養うことへの不安感」が挙げられることがあった。俸給表に基づき給与がわずかに上がっていく状況や、ボーナスの算定基準になる人事評価が属人的などの課題があった。そこで、内閣府が作成したキャリア段位制度を参考にして、国家資格以外のスキルが可視化されること、現場で活用できるものとして作ったのが介護プロである。 ・介護プロでは、7段階のキャリアを可視化して、役職や給料を上げるために必要なスキルを記載した。自己学習の内容、現場でのOJTに伴うプリセプターからプリセプティーへの教育内容、自己評価の方法、上司による役割も定義した。 ・制度開始の経緯として、介護現場はシフト制であるため、誰とシフトが一緒になるか次第で教育方法が異なるという問題があった。また、新しいことに対して前例がないという理由で断られることも多く、やる気がある人ほどやめる人も多かった。やる気のある人が自ら学び、ステップアップするための制度として介護プロを作成した。 ・プリセプターはプリセプティーへの教育を担当し、年に2回の面談や日々の指導を行う。こうした中でプリセプターの負担が大きいという意見があった。そのため、別途OJT指導員というプリセプターを補助する役職を設けて、自社職員を任命した。施設でプリセプターが多忙の際などには、代わりにOJT指導員が職員への教育を実施する。プリセプターもOJT指導員も現場の業務をしながら、プリセプターやOJT指導員としての業務も実施している。OJT指導員を新たに創設したことで、業務の負担が分散された。また、職員に対する教育の質を一定に保つことにもつながっている。 ・キャリアアップ制度の全体像は次のとおりである。一番下のA0~A3は介護職員のクラス。その次のステップはBクラスの管理者、その次がCクラスの指導者である。ただし介護職員の中には、管理者や指導者になりたくない人もいる。こうした職員がさらにキャリアアップを目指せるように、今年からマイスターコースを策定した。特定の分野に特化した人が選択できる働き方であり、例えば接遇マイスター等がある。 ・今後は、排せつ、食事、入浴、認知症などに特化した様々なマイスターコースを作る予定である。 ○働きがい向上のための取組にあたる体制の構築(担当部署や関係者の巻き込み) ・取組の起点は経営層による判断である。人材育成を最重要視し、注力を始めたのが2008年頃である。経営層の指示を受けて、各現場(事業部)、人事部、教育部が連携して取組を進めた。教育部は人材教育をする専門部署であり、介護職員への教育と外国人職員への教育に注力している。 ・取組開始時には、現場からの反発があった。また、現場で教育をするための人員が不足したため教育部を作ったり、現場の忙しさによりプリセプターによる評価や教育がうまくいかなかったためOJT指導員を作ったりするなど、現場の意見を踏まえて制度を変更している。現場を支える取組を、人事が施策に落とし込むことを意識している。 ・介護プロ制度は、経営層、教育部が相談しつつ作っている。 ○働きがい向上のための取組の設計・運用にあたり苦労した点や、その克服に向けて行った工夫 ・制度を現場に受け入れてもらうこと、運用を進めること、外国人受け入れを進める中での制度改善など、制度を変化させなければならない時に毎回苦労する。乗り越えるためにトップダウンの力を活用している。一般的に、介護施設で働き方改革などがうまくいかない理由として、現場の反発等があり経営層がやりたいことが現場で実現できないことがあると考えている。そうした時に重要なのは、経営方針と現場の間をつなぐ職員の存在である。自社では介護責任者、教育部、OJT指導員などが、経営層の意思を現場に届けること、また現場の要望を経営層に伝え、制度の変更等に反映してきた。変化による弊害もあったかもしれないが、あきらめずに取り組んできた。その結果として、キャリアステップの明確化、給与の改善につながっている。職員にとって良い効果が出ていることで、制度の導入や変更が職員に好意的に受け止められていると考えられる。 |
| 現状とこれまでの取組の効果 |
○働きがいに関する施策の導入による効果
・介護プロの導入により、定着率向上やモチベーション向上に効果が現れている。日本人職員よりも、外国人職員への効果が大きい。介護プロにより、給与の理由や基準がわかりやすいことがメリットである。 ・マイスター制度を作ったことで、接遇などの隠れていた強みが見つかり、適材適所の配置につながっている。 ・他の施設から転職してきた職員から「他の施設ではこうした仕組みがないので、この制度により目標が明確になった」等の声があった。(転職者にはフォローアップをしており、そうした中で介護プロについて話を聞くことがよくある。) ・介護プロの導入前~導入直後にかけては、職員の定着率が向上した。制度導入後は、高い定着率のまま維持している。 ・職員からの紹介で入社する人数が増えており、採用にも効果が出ていると考えている。 |
(R7.6)