年次有給休暇の計画的付与制度とは
年次有給休暇の計画的付与制度とは
年次有給休暇の計画的付与制度とは、年次有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。
この制度の導入によって、休暇の取得の確実性が高まり、労働者にとっては予定していた活動が行いやすく、事業主にとっては計画的な業務運営に役立ちます。
また、この制度を導入している企業は、導入していない企業よりも年次有給休暇の取得率が高くなっており、労働基準法を順守する観点からも年次有給休暇の計画的付与制度の導入は重要となります。
年次有給休暇の計画的付与制度を導入しましょう。
導入のメリット
年次有給休暇の計画的付与制度を導入している企業は、導入していない企業よりも年次有給休暇の平均取得率が8.6%(平成20年)高くなっており、当該制度の導入は年次有給休暇の取得促進に有効であると考えられます。
また、アンケート調査によれば、全体の約3分の2の労働者は年次有給休暇の取得にためらいを感じておりますが、当該制度は前もって計画的に休暇取得日を割り振るため、当該制度の導入により労働者はためらいを感じることなく年次有給休暇を取得することができます。
- 事業主
- 労務管理がしやすく計画的な業務運営ができます。
- 労働者
- ためらいを感じずに、年次有給休暇を取得できます。
計画的付与対象の日数
付与日数から5日を除いた残りの日数を計画的付与の対象にできます。
例1 年次有給休暇の付与日数が10日の労働者
5日 | 5日 |
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事業主が計画的に付与できる | 労働者が自由に取得できる |
例2 年次有給休暇の付与日数が20日の労働者
15日 | 5日 |
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事業主が計画的に付与できる | 労働者が自由に取得できる |
前年度取得されずに次年度に繰り越された日数がある場合には、繰り越し分を含めた付与日数から5日を引いた日数を計画的付与の対象とすることができます。
計画的付与の方法
企業、事業場の実態に合わせたさまざまな付与の方法があります。
方式 | 年次有給休暇の付与の方法 | 適した事業場、活用事例 |
---|---|---|
一斉付与方式 | 全従業員に対して同一の日に付与 | 製造部門など、操業を止めて全従業員を休ませることのできる事業場などで活用 |
交替制付与方式 | 班・グループ別に交替で付与 | 流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業、事業場などで活用 |
個人別付与方式 | 個人別に付与 | 年次有給休暇付与計画表により各人の年次有給休暇を指定 |