働き方・休み方に関する実態把握に問題あり
働き方・休み方の実態把握や社員の意識の把握に課題があります。自社の課題に近い課題がないかチェックしてみましょう。
働き方・休み方の実態・課題の把握
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働き方の実態が把握できていない
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具体的課題1
現場に直行直帰する社員が多いが、自己申告による時間管理を行っているため、正確な労働時間の実態把握ができていない。
対策 |
対策の内容 |
適切に労働時間を把握するためのシステムの導入
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働き方・休み方改革を進める上では、労働時間の適切な管理は欠かせない。直接現場へ向かう社員、現場から直帰する社員などには、終業時間の電話報告やモバイル機器の活用等により、適切に労働時間を把握する。
なお、自己申告での労働時間の管理のみではなく、出勤時、退勤時にタイムカードによる打刻やPCのログチェック等による勤怠管理を行うことが望ましい。また、裁量労働制適用者についても、健康確保を図るため、労働時間の実態把握を適切に行う責務がある。
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具体的課題2
社員に働き方・休み方に関する悩みがあっても相談する窓口がない。
対策 |
対策の内容 |
職員相談窓口の設置(人事労務部門、または外部の活用)
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社内に、働き方・休み方の悩み等に関する相談窓口となる担当者を設置する。そうすることで、社内アンケート等では拾う事の出来ない、現状や将来への不満・不安等を把握して職場環境の改善につなげることができる。人事労務部門、または、社外の専門家(例えば産業医・社会保険労務士)などを窓口とすることを検討する。相談した本人への対応に加え、把握した情報は、全社的な課題として共有し、必要に応じて今後の対応に活用する。
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具体的課題3
長時間労働や年次有給休暇の取得が低調な部署、個人の原因がわかっていない。
対策 |
対策の内容 |
長時間労働や年次有給休暇の取得が低調な部署、個人に対して、ヒアリング等の方法により実態を把握する
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初めに、実情を把握するため、プロジェクトマネージャー毎の部署の所定外労働時間数、年次有給休暇取得状況の一覧を整理する。そのうえで、要因を明らかにするため、ヒアリング等により、調査を行う。特に課題の見られる部署、及び業績を挙げつつ所定外労働が少なく、かつ年次有給休暇を取得できているといったモデル部署の、両者に対して人事部門で聞き取り調査を行う。調査事項としては、顧客及び業務の状況、所定外労働の多寡を規定する要因、年次有給休暇取得状況を規定する要因、実施している取組内容、問題点、工夫した点などとする。
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所定外労働時間や年次有給取得率の部門平均の社内等への公表
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部署毎の所定外労働時間や年次有給取得率の平均の状況を社内に公表する。併せて、管理監督者に対して部下の指導など対策を求める。なお、上位に特定部署やプロジェクトのメンバーが集中している場合は、顧客又はマネジメント、仕事の特性など何らかの原因が存在する可能性がある。
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社内の好事例、問題事例の要因分析
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社内の好事例、問題事例を集めて原因分析等を行い、その内容を社内で共有する。好事例の要因について、課題を抱える事例との対比で分析し、他の部署でも参考になるよう整理し、働き方・休み方改善のための施策を検討する際の資料とする。事例等の情報は社内のイントラネットなどを通じて社内で共有する。また、その事例は、「管理職層に対するマネジメント力向上等を目的とした実習型研修」「一般社員向けの意識改善に向けた研修」において教材として活用する。
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労働組合との協力体制推進
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労使一体となって、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組み、経営トップと労働組合が共同でメッセージを発信する。労使一体となった取組は、社内隅々まで浸透させる効果が大きいことから、その状況を労使双方で確認して進めていく。併せて、会社が行う社員意識調査とは別に、労働組合からも社員の意見を収集してもらい、それらをもとに労使共同で取組を検討し、推進する。
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具体的課題4
システム上は、上長は部下の勤務状況を把握して、アラートを発信できるシステムになっているが、上長がシステムを閲覧しない。
対策 |
対策の内容 |
上長への部下の労働時間集計データの配信方法を工夫する(早めのアラート発信)
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毎月、部下の当月および前月の所定外労働時間について部毎に集計して配信している。これらの情報を部下の労働時間管理に効率的に使ってもらうため、月の半ばで集計した時間数について所定外労働が多い人、このペースで所定外労働が続いた場合に月間45時間を超えそうな人の情報など、すぐに解る形に集計してメール等で配信・提供し、それをもとに部下の労働時間管理等に有効に活用してもらう。
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働き方・休み方に関するデータと業績の関係が不明確
社員の意識の把握
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社員がどのような働き方を望んでいるか把握できていない
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具体的課題1
労働時間・年次有給休暇の取得状況に関する、全社員の意識を把握する機会がない。
対策 |
対策の内容 |
社員意識調査の実施
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社員意識調査に、自身の労働時間や帰りやすさ、休みの取り方・取りやすさなどについての調査項目を追加し、社員が現在の働き方・休み方にどのような意識を持っているかを把握する。
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具体的課題2
休暇取得についての社員の意識や意向がわからないため、どのような施策を打てば良いかわからない。
対策 |
対策の内容 |
社員意識調査による休暇に対する意識の収集
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社員意識調査に、社員の休暇取得に関する意識の項目を追加し、結果を分析する。休暇の取得が進んでいない社員の理由等を参考に、取得日数の底上げを図るための対策を講じる。
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具体的課題3
過去に突発的に社員意識調査を行って以来、社員意識調査が行われていないため、現在の意識、ニーズがわからない。
対策 |
対策の内容 |
定期的に社員意識調査を行う
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意識の変化は、同様の調査を定期的に行うことで把握が可能となることから、前回と同様又は簡素化した方法により、社員意識調査を定期的に行う。調査結果については、前回の結果との比較を行ったうえで、トップへの報告や人事労務担当部門が改善施策を検討する際に活用する。
※ 意識調査を行う際に、記名式で行っている場合は、社員の本音が聞き出せていない可能性があるため、個人が特定されない形での意識調査の実施についても検討する。
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