名古屋会場(2017年度)

~あなたの会社の働き方・休み方、そのままで大丈夫ですか?~

平成30年1月17日(水)、名古屋朝日ホールにおいて、働き方・休み方改革シンポジウムを開催しました。愛知労働局雇用環境・均等部 指導課長 鹿島 篤のご挨拶を皮切りに、本シンポジウムが始まりました。

【第1部】基調講演

「残業削減から働き方改革へ ~残業依存体質の解消が鍵~」

  • 中央大学大学院 戦略経営研究科 教授
  • 佐藤 博樹 氏
  • はじめに、働き方改革の目的について説明。ダイバーシティ経営の実現の基盤整備として必要であり、残業削減や有休取得増ではなく、時間意識の高い働き方への転換が目的である、と述べられました。
  • 続いて、働き方改革の進め方について、「時間制約」(ワーク・ライフ社員)を前提に、時間資源の総量を所与として、その時間資源の範囲内で実現可能な仕事の付加価値の最大化を目指した仕事管理・時間管理が重要であると説明。その具体的な取組として、時間効率を高める働き方の意識を社員に持たせる「週2日定時退社」という取組を提案されました。
  • また、残業削減のみでなく、「メリハリワーク」を通じて平日のゆとりを実現することが課題であるとのコメントがありました。

【第2部】事例紹介 働き方・休み方改革 先進企業による取組事例紹介

「取組事例紹介」

  • エイベックス株式会社長
  • 執行役員
  • 生駒 健二 氏
  • はじめに、働き方改善の取組の経緯について説明がありました。売上高が10年間で5倍に伸張する中、離職者数が増加したため、離職した人の声を生かし、取組を推進したと述べられました。
  • 続いて、取組内容について紹介がありました。従業員視点では、安心できる労働環境の整備に向けて、有給休暇の取得推進や残業時間の低減活動を、経営者視点では、仕事の価値改善に向けて、簡易作業の自働化推進や間接業務の見える化改善、物理的な設備生産余力の確保に向けて、設備投資の基準設定や設備故障率の低減活動が行われた、と説明されました。
  • 取組の結果、年次有給休暇取得率は90%を超え、長時間労働者の割合も大幅に減少。また、入社年次の浅い社員が多いため、キャリアプランを提示してイメージを持ってもらうことを行っているとのお話がありました。

「仕事の質を高める『働き方改革』 ~働きやすい、やりがいのある会社を目指して~」

  • SCSK株式会社
  • 理事 人事グループ 副グループ長
  • 小林 良成 氏
  • 経営理念・行動指針に則り、「人=財産」であると考え、社員全員の成長が企業の成長につながると説明。
  • しかし、IT業界、そして同社の課題として、長時間労働が常態化していたため、仕事の質を高める『働き方の改革』に着手。「残業半減運動」から始まり、働きやすい職場作りに向けた意識改革と改善活動の定着化を目指した「スマートワーク・チャレンジ20」へと取組は発展。成果として、取組前の7年前と比べて、月間平均残業時間は大幅削減、年次有給休暇も100%に近い取得率になったとのご紹介がありました。
  • 最後に、成果につながった重要なポイントとして、「トップの強い旗振り」、「組織的な取組」、「「残業削減」だけでなく「有給休暇」をセットにしたこと」などを挙げられました。

「働き方改革の取組~カルビーの事例~」

  • カルビー株式会社
  • 人事総務本部 ダイバーシティ委員会 委員長
  • 新谷 英子 氏
  • 同社のワークスタイルについての考え方について説明。会社の成長のためには、個人の成長が必須であり、「ライフワークバランス」と「成果主義」のもと、付加価値の高いモノを開発し、供給できる会社を目指していると述べられました。
  • 続いて、ワークスタイルの考え方に基づき導入・実施しているユニークな制度・取組について紹介されました。オフィスに縛られない働き方を支援するため、フリーアドレス化を行い、部門を越えたコミュニケーションの促進や、タイムマネジメント、効率的な働き方を意識づけ、また、テレワークを導入。キャリア形成支援として、自己啓発制度やキャリアチャレンジ制度を導入し、自分のキャリアを自分でつかむことを啓発している、と説明されました。

【第3部】パネルディスカッション


  • 【ファシリテーター】
    • 中央大学大学院 戦略経営研究科 教授
    • 佐藤 博樹 氏
    【パネリスト】
    • エイベックス株式会社
    • 執行役員
    • 生駒 健二 氏
    • SCSK株式会社
    • 理事 人事グループ 副グループ長
    • 小林 良成 氏
    • カルビー株式会社
    • 人事総務本部 ダイバーシティ委員会 委員長
    • 新谷 英子 氏
各社の取組に対する補足
  • ファシリテーターの佐藤氏より、第2部を補足する内容について、3社へ問いかけを行いました。
  • エイベックス株式会社の生駒氏より、働き方改革の必要性について説明がありました。業容拡大の結果、仕事のボリュームが増えたために、管理職だけでは部下を管理することができないようになり、マネジメント力を高める必要があった。管理職にも残業代を支給するのは、自ら働き方を変えて欲しいというメッセージであり、若い人が次に目指す目標として、自身の効率を上げてもらう狙いである、との発言がありました。
  • カルビー株式会社の新谷氏は、社員が浮いた時間で学ぶことについて、トップが強いメッセージを発信しているため、徐々に意識が変わってきている、と述べられました。また、自己啓発制度はあるが、あくまで背中を押すものであって、社員自身が決めるものであるとのお話がありました。
  • SCSK株式会社の小林氏からは、働き方改革で生み出された時間の使い方について、世代によって使い方が違うとの指摘がありました。若い世代は学ぼうとするが、特に上の世代で新たな学びに取り組む社員が少ないため、学んだことを棚卸しし自己啓発を行う社員にインセンティブを与えるトライアルを行っている事例が紹介されました。
パネラーによる働き方改革へのアドバイス
  • エイベックス株式会社の生駒氏は、勇気を持って変えていくこと、あきらめずに続けていくことが大切、とのご発言がありました。
  • SCSK株式会社の小林氏からは、地味な活動が中心だが、がんばり続けることが鍵であり、社員全員を巻き込んで一気にやることが重要だ、とのお話がありました。
  • カルビー株式会社の新谷氏は、働き方改革を通じて、楽しい人生を送るには仕事だけではだめだ、自身の魅力を高めることが大切だ、ということを伝えていきたい、と述べられました。
  • 最後に、ファシリテーターの佐藤氏より、働き方改革とは、時間を大事にして生産性を向上し、職場風土を変えることであり、時間がかかるため継続的に取り組むことが重要であること、そのためにはトップのコミットメントが大事だが、取組の内容は特別なことではなく、ちゃんとやることである、とのコメントがありました。小さな成功体験を広げていき、社員が自分のために時間を使うという循環を作ることが大切であると締めくくられました。

【その他】

  • パネルディスカッション終了後、本シンポジウム事務局の三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社より、「働き方・休み方改善ポータルサイト」の概要についての説明が行われました。