札幌会場(2017年度)

~あなたの会社の働き方・休み方、そのままで大丈夫ですか?~

平成29年12月5日(火)、ACU-A(アスティ45)大研修室において、働き方・休み方改革シンポジウムを開催しました。北海道労働局雇用環境・均等部長 鈴木 里美のご挨拶を皮切りに、本シンポジウムが始まりました。

【第1部】基調講演

「年休未消化と残業時間 ~長時間労働改善の方向性~」

  • 早稲田大学 商学学術院 教授
  • 小倉 一哉 氏
  • はじめに、年次有給休暇を取り残す要因について説明がありました。年次有給休暇を取らない理由は、「混雑する」、「お金がかかる」、「することがない」といった「消極的な理由」ではなく、一番多いのは「病気や急な用事のために残しておく」という「急用のため」、次いで「引き継げない」、「仕事量が多いから」、「他人に迷惑」といった「多忙な事情」によるものであると説明。「多忙な事情」の背景には、休み方の問題が働き方の問題に直結している、と指摘されました。
  • 続いて、労働時間に影響する要因として、労働時間を短くするには仕事の裁量度を高めることが必要だと説明。残業を削減するためには、仕事の見直しが重要であり、仕事の無駄を見つけること、例えばICTの活用による情報共有の効率化や、資料の簡素化などを提案されました。
  • 最後に、労働時間の実績をしっかり見ることや、残業が少ないことを評価することが重要であるとのコメントがありました。

【第2部】事例紹介 働き方・休み方改革 先進企業による取組事例紹介

「当金庫のワーク・ライフ・バランス推進の取組み」

  • 旭川信用金庫
  • 人事部 部長
  • 本間 武司 氏
  • 同社の時間管理の取組について説明。最終退店時間を設定するなど、取組を進めてきた結果、取組前と比較し退店時間が2時間早まったと紹介されました。
  • 特に職員の意識改革は、理事長からの説示や講和、オフサイトミーティングなど継続的に行われ、「より賢く働く」という時間管理の徹底がなされたと述べられました。また、退店時間の改善は、家族との時間の確保や自己研鑽の取組につながり、家族満足度(FS)の改善が職員満足度(ES)の改善、さらには顧客満足度(CS)の改善へと、善循環を作ることが重要だと説明されました。
  • また、早く帰ることありきにならないよう、早く帰りながら、いかに人材育成を図るかという、二律背反の精神を徹底することが必要との説明がありました。

「「子育てサポート企業」として「くるみんマーク」の認定制度の活用」

  • ホシザキ北海道株式会社
  • 管理部 総務課 主任
  • 前田 展史 氏
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく認定(プラチナくるみん認定)を受けるために取り組まれた内容について紹介されました。
  • 一般事業主行動計画では、「週1回のノー残業デイを実施」や「年次有給休暇取得率65%以上」を盛り込み、具体的な取組を実施したと述べられました。ノー残業デイの日には、早帰り促進メールを配信したり、イベントや情報などの提案型メールを送信し、定時退社を促したり、年次有給休暇の消化が進んでいない社員に対して、職場で協力して取得をサポートするといった取組を説明されました。
  • 行動計画の目標を達成し、北海道で初めてプラチナくるみん認定を受けられたが、継続して全社員が一丸となって会社環境を改善する活動を進めていく、と締めくくられました。

「ドコモの働き方改革 ~ダイバーシティを価値とする企業風土~」

  • 株式会社NTTドコモ
  • 人事部 ダイバーシティ推進室 室長
  • 本 昌子 氏
  • 新たな付加価値を、同社自らが創造するだけでなく、パートナーとともに「協創」していく「付加価値協創企業」を目指し、ダイバーシティ経営を進めていると紹介。
  • 2006年のダイバーシティ推進室発足以降、人事制度の見直しや、働きがい・職場意識の向上ための活動を展開。2017年度より中期ビジョン「beyond宣言」を策定し、その実現に向け、「自律とチャレンジを推進する働き方」が企業風土として根付くよう推進しているとのお話がありました。具体的な取組として、イノベーション創出の土台づくりに向けた、ダイバーシティ経営を推進。管理者のマインドチェンジや社員の当事者意識の醸成、アウトプットの最大化を目指し、「スライドワーク」・在宅勤務などの環境の整備や定時出社/退社を基本とする「プライオリティワーク」を通じた生産性の質の向上、健康経営への取組について紹介。こうした取組に対して、社外から様々な評価を受けたと述べられました。

【第3部】パネルディスカッション


  • 【ファシリテーター】
    • 早稲田大学 商学学術院 教授
    • 小倉 一哉 氏
    【パネリスト】
    • 旭川信用金庫
    • 人事部 部長
    • 本間 武司 氏
    • ホシザキ北海道株式会社
    • 管理部 総務課 主任
    • 前田 展史 氏
    • 株式会社NTTドコモ
    • 人事部 ダイバーシティ推進室 室長
    • 本 昌子 氏
各社の取組に対する補足
  • ファシリテーターの小倉氏より、第2部を補足する内容について、3社へ問いかけを行いました。
  • 旭川信用金庫の本間氏より、18:30前に帰ることができ、年次有給休暇も13日取得できるようになった中で、職場からはもっと仕事をさせて欲しいという声も一部あり、そういうストレスへの対応の工夫や配慮も必要である、との発言がありました。
  • ホシザキ北海道株式会社の前田氏からも、仕事をしたい人にどこまで働かせるか、との意見がありました。労働力不足の中、働く環境を整えるために、システムだけではなく社員の不満にどう対応するかが重要だ、との発言がありました。また、ノー残業デイの実施について、上司が部下の状況を把握しており、深夜や時間指定の顧客対応については前もって時差出勤を推奨しているとのお話がありました。
  • 株式会社NTTドコモの本氏からは、柔軟な働き方を進めることに関して、管理部門による労働時間管理の工夫についてお話がありました。同社では、社員がスケジューラーに時間を入力すると就業システムに反映されることや、フレックスタイムについては、部下が事前に勤務時間を入力し、上司が前もって承認している、といった事例を紹介されました。
会場からの各社への質問
  • 削減した残業代の扱いについて質問がありました。旭川信用金庫の本間氏より、残業代の削減分で55歳以降の職員の給与改善を行ったと紹介されました。ホシザキ北海道株式会社の前田氏からは、固定残業代として支給しており、短く働いて成果を出すのが一番望ましいとのメッセージにつながっている、とのお話がありました。
  • これまでみなし労働時間制であった営業部門をフレックスタイム制に変更する場合の留意点について質問がありました。株式会社NTTドコモの本氏から、在宅勤務やテレワークの推進、タブレット端末やPCの支給を行い、直行直帰を促進することで、残業時間を削減した事例が説明されました。
  • 最後に、ファシリテーターの小倉氏より、人手不足や技能蓄積の問題もあり、働き方改革が進むことはあるが、止まること、戻ることは、社会的に許されない、と述べられ、大事なことは見える化して共有することと、トップが関心を持つことである、とのコメントがありました。

【その他】

  • パネルディスカッション終了後、本シンポジウム事務局の三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社より、「働き方・休み方改善ポータルサイト」の概要についての説明が行われました。