株式会社エスバイエス

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

株式会社エスバイエス
企業名
株式会社エスバイエス
PDF
URL
所在地
静岡県
社員数
40人
(時点:2023年8月)
業種
建築設備メンテナンス業
事業内容
ビル・マンション給排水設備の点検・工事

働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い

1 働き方の現状

・IT化の促進などを通じて、残業時間を減らしていきたいと考えている。現在は、全社員にタブレット端末を付与し、現場で報告書や見積書を作成できるように取組を進めている。見積書などについては、標準化することで、作業時間の短縮につなげている。
・社内にキッズコーナーを作り、子どもを会社に連れてくる必要があるときに、対応できるようにしている。

2 働き方の課題

・本社の現場職での残業が多い。
・時期等による偏りは少ない。以前は学校の給水設備のメンテナンス等を行っており、学校の夏休みの時期が繁忙期であったが、現在は行っていない。

3 休み方の現状

・2013年に、厚生労働省「人と企業を活性化する休暇制度」のキャンペーン事例として取り上げられた(下記の「記念日休暇」の事例)。制度は取り上げられたが、当時の年次有給休暇取得率は50%程度であった。年次有給休暇の取得にも力を入れるべきと考えるようになり、年次有給休暇取得を方針に掲げ、現在の水準まで向上させてきた。
・年次有給休暇の取得日数が年5日を下回る従業員はいないため、取得率の確認のみの対応で十分である。時季指定等も行っていない。
・これまで年間休日数が110日であったが、2023年度より120日へと変更した。

4 休み方の課題

・人によって年次有給休暇の取得率にばらつきがあり、課題と感じている。会社としては、取得率を半年に1度確認し、取得率が低い従業員に対して声かけを行っている。
・管理職の取得率が低い傾向にある。

主な取組内容

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・年次有給休暇の取得率100%を目標に掲げている。2カ月に1回全社会議を開催し、その際、代表取締役より休暇取得促進に関するメッセージを発信している。

2 働き方改善に関する取組内容

サブ担当制度
・ひとつひとつの案件に対して、サブ担当をつけている。サブ担当でも対応しきれなくなった場合、同じ部署内でカバーする体制としている。

仕事の見える化
・5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に力を入れているため、他の人の仕事を「見える化」できている。
・個々人の一日あたりのスケジュールを分かるようにしている。また、各営業所にカメラを設置し、他の営業所の状況を見ることができるため、在社しているかを把握することができる。
・「お助けボード」を作成し、担当している仕事の中で、対応しきれていないものを書くことで、余裕のある従業員に対応してもらえるような体制を整備している。

多能工化
・多能工化を推進している。入社時から、メイン業務以外の業務を経験したり、国家資格を取得したりするよう育成を行っている。資格取得にかかる費用は会社が負担している。取組の結果、現状、業務の中で発生する一連の工程は社内でカバーできるようになっており、外注する必要がない状況である。

3 休み方改善に関する取組内容

記念日休暇
・記念日休暇は、入社後1年経過した場合に、1年に1日取得することができる。本人や配偶者、子ども、両親いずれかの誕生日や、結婚記念日のために取得することができる。年に1回希望を募って、年間計画の中に組み込んでおり、取得率は100%である。

ライフサポート休暇
・ライフサポート休暇制度は、2019年度より導入している。年5日間の有給休暇。年次有給休暇が不足した場合に取得することができる。自己啓発などの他、プライベートの事由でも取得可能である。(社員に音楽活動を行う者がおり、他の社員からは「自分の年次有給休暇をあげたい」という声があった。法定上そのようなことはできないことがわかり、年次有給休暇以上に休暇を付与できる制度を整えることにした。)

時間単位の年次有給休暇
・育児休業明けの社員や、未就学児を育てている社員が増えてきたことから、子どもの急な発熱や体調不良時にすぐに対応できるよう、2019年に導入した。
・1年間に取得できる日数は5日としている。
・制度の導入により、朝、急に1~2時間取得したり、早上がりする社員が増えたため、バックヤードを徹底的にIT化して複数人でフォローする体制を作ることで対応している。
・休暇を急に取得することになってもフォローができる体制になったことで、お互いネガティブにならず、以前よりも増してお互い様の企業風土が醸成され、より働きやすい職場になってきている。

4 働き方・休み方改善に関する課題・工夫

・大きな課題はない。もともと地縁・知縁のつながりで創業され、その後に入ってきた社員も知り合いの関係が多く、お互い様の精神が自然とできあがっていた。
・年次有給休暇の取得率を向上させるにあたっては、管理職や営業職などから休暇取得するよう促した。
・時間単位の年次有給休暇について、30分単位での取得を希望する声がある。

取組の成果・展望

1 取組の成果

労働時間の削減
・IT化を進めた結果、効率が上がったことと、タブレット端末を駆使することにより、現場での処理能力が上がり、帰社後の事務処理が少なくなったことが残業時間の削減につながった。
・残業時間が年々減少しているため、その分を各自の趣味や家族サービス等の時間に充てることができている。

【所定外労働時間の推移】
<2019年度>(月平均)25時間
<2022年度>(月平均)17時間

年次有給休暇の取得促進
・年次有給休暇取得率は100%が当たり前という状況になっている。

業務効率・生産性
・13期連続で黒字を達成しており、直前期の決算では過去最高の売上および経常利益を計上した。

従業員のワーク・ライフ・バランス、モチベーション
・従業員は皆仕事を「指示待ち」や「やらされ」ではなく、自分事として取り組んでいる。

採用・人材の定着
・毎年新卒(大卒)の採用ができているが、新人教育のプログラムの充実が今後の課題である。

その他
・年収を地場相場の10%増となるよう努めてきており、社員の満足度も高い。

2 今後の展望

・人生は一度きりであり、その貴重な人生の約半分を会社で仕事しているということになるため、当社で働く社員には楽しく働いてもらいたいと思っている。

事例を評価する