株式会社GSユアサ

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

株式会社GSユアサ
企業名
株式会社GSユアサ
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所在地
京都府
社員数
2,437人(単体)
(時点:2023年3月)
業種
製造業
事業内容
自動車用・産業用各種電池、電源システム、受変電設備、その他電気機器の製造・販売

働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い

当社では、年休取得促進を中長期的なスパンで進めており、2014年10月からの取組を「第Ⅰフェーズ」、2017年12月からの取組を「第Ⅱフェーズ」、2019年9月からの取組を「第Ⅲフェーズ」と位置付けている。
・第Ⅰフェーズでは、テーマを「年休の取得しやすい環境づくり」とし、メリハリのある働き方を意識してもらうことを目的に、一般社員の年間10日の年休取得義務化(管理職は努力義務)を開始した。
・第Ⅱフェーズでは、第Ⅰフェーズ期間中に年休取得が一定程度進んだことを踏まえて、テーマを「休暇を活用したワーク・ライフ・バランスの推進」とし、第Ⅰフェーズの取組を継続しつつ、新たに、連続休暇の取得促進に取り組んだ。
・第Ⅲフェーズでは、10日間の年休取得義務化の対象を、管理職と有期雇用社員にまで拡大(全社員に拡大)するとともに、一般社員については、個々の年休取得付与日数の70%を取得目標として設定している。

主な取組内容

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・労働時間に関するテーマを労使で話し合う「専門委員会」があり、各フェーズにおける取り組みも、その場で検討することとした。また、制度や環境整備等、賃金以外の事項について交渉する秋季交渉があるが、短期間での回答となるため、労使でもう少し時間をかけて検討し、より良い取組を進めようという趣旨で、別途設置している。

2 働き方改善に関する取組内容

在宅勤務の導入
・2019年に在宅勤務を導入した。当初は育児や介護中の者のみが対象で、利用回数も月4回に限定していた。2021年12月より、育児介護の状況を問わず、社員全員に対象を拡大した。2023年5月には、利用回数の上限を月8回までとし、10月からは一部の部門(PCで業務ができる部署)について回数制限を撤廃した。
・対象となる部門については、人事で指定している形ではなく、各部署単位で在宅勤務が可能な場合に希望を挙げてもらっている。
・在宅勤務が浸透する中で、コミュニケーションが難しい、他の社員が何をしているのかわからないなどの課題が出てきたため、社員へのヒアリングを実施し、出てきた意見をふまえて在宅勤務のガイドラインを作成した。具体的には、オンラインでも朝礼を行う、コミュニケーションの機会を増やす、問題が発生した際にはすぐに相談するなどの内容を記載している。

3 休み方改善に関する取組内容

ワークライフシナジー休暇
・従業員の心身のリフレッシュや多様な経験・学び等による「私生活の充実」と、勤労意欲の向上や創造性の発揮等による「仕事の生産性向上」の相互の促進を図るため、ワークライフシナジー休暇制度を新設した。
・具体的には、管理職も含めた全従業員に年次有給休暇の3日~5日連続取得を奨励する取組である。
・当初はサイクル休暇として、勤続5年目などの節目に連続休暇を取得することを促していた。ただ、サイクル休暇はなかなか取得率が上がらなかった。労使で構成する検討会で議論したところ、対象者が職場で限られるため取得しづらいのではないかということになった。そこで、勤続年数によらず全員を対象とすることで、より取得しやすい環境を作ることを目的に、制度を変更した。

計画年休
・以下のとおり3種類の計画休暇がある。
①一斉計画休暇(年2日)
・以前より営業拠点に導入されており、2008年に全社に導入された。対象は全社員。
・例年、夏季休暇に2日の計画休暇をつなげることで長期休暇とし、その間に工場のメンテナンスを行っている。
・2023年は、8月11日から8月20日までが休暇であり、そのうち計画休暇は14日・15日であった。
・毎年日程を決め、労使協定を締結している。5日を超える年次有給休暇を有していない者には特別休暇を与えるという規定がある。計画的付与日は原則変えられないが、やむをえず出勤しなければならない場合は、前後2週間以内に振り替えることとしている。
・社員からは、自由に取らせてほしいという声も出ている一方、一斉計画休暇を増やしてほしいという声もある。様々な意見がある中で、間をとって2日としている。

②個人別計画休暇(年2日)
・2011年に導入。個人の年次有給休暇取得を促進するため、2日間の休暇の取得予定日を設定することとしている。
・具体的には、就業規則において、1~12月の1年間について、前年12月に取得予定日を設定することとしている。任意の取組であり、設定していなくても特に督促等は実施していない。

③間接職場計画休暇(年6日)
・間接職場を対象とした取組。1年間を3期間に分け(4~6月、7~9月、10~12月。期末は含めていない)、3期の中で、6日取得できるよう計画を立ててもらっている。
・個人別計画休暇と同様、声掛けをしているが強制はしていない。

時間単位の年次有給休暇
・2017年9月に労働組合からの要求を受けて導入した。
・すでに半日休暇もあり、必要性について議論もあったが、育児や介護等のニーズが高まる中で休暇の利便性を高めることも重要ということになり、導入することとなった。
・半日休暇の上限が年間18回であり、そのうち、3日分(24時間分)を時間単位で取得できることとした。取得実績の管理は勤怠システムの改修により対応した。
・2020年からは、半日休暇の内数として管理するのをやめ、半休とは別に時間単位の年次有給休暇を5日分取得できることとした。半休の内数としての管理を撤廃することで、制度としてはシンプルになった。
・対象は全社員で、取得は1時間単位としている。
・フレックスタイム制の対象であっても活用している社員はいる。
・平均の取得時間は年間4.7時間(分母は全社員)。

取組の成果・展望

1 取組の成果

【所定外労働時間の推移】
<2018年度>(月平均)18.0時間
<2022年度>(月平均)17.1時間

年次有給休暇の取得促進
【年次有給休暇取得率の推移】
<2018年度>年間平均取得日数:16.8日/取得率:79.3%
<2022年度>年間平均取得日数:18.0日/取得率:84.3%

従業員のワーク・ライフ・バランス、モチベーション
・残業時間が減った分、家のことができる時間が増えたという声が聞かれる。

多様な人材の活躍
・働き方・休み方改善とともに女性活躍推進の取組にも力を入れており、プラチナくるみんや、なでしこ銘柄の取得にもつながっている。

採用・人材の定着
・年次有給休暇取得率は学生の注目度が高く、採用でもアピールしている。

2 今後の展望

・労働時間の削減や年次有給休暇取得率の上昇に取り組んできたが、今後は、それに加えてよりアウトプットを増やせるような働き方を模索していきたい。ひとりひとりが働きやすい環境づくりを強化していく。

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