西川産業株式会社

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

西川産業株式会社
企業名
西川産業株式会社
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所在地
大阪府
社員数
184名
(時点:2022年10月1日)
業種
卸売業,小売業
事業内容
ロボテックマシン(CNC工作機械)、環境機器、FAシステム機器、マテハン機器、メカトロ機器、産業機器、機械要素部品、切削・測定・作業工具などの生産財、CAD/CAM、オフィス機器の販売、並びにそれに付属する工事サービス

働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い

働き方・休み方改革に取り組む以前は、社員から年次有給休暇を取得しづらいという声があがっていた。そのため、社長の声掛けにより、平成23年より年次有給休暇の取得促進の取組を開始し、まずは計画的付与に取り組んだ。また、就業時間内に仕事が終わる会社にするため、不要な仕事をなくし効率化を図った。
取組を進めるにあたっては、「使う人の希望と創る人の誠意の交差点を目指し、スマートな働き方で時代の変化に対応する」という目標を掲げ、また2022年までに女性社員を全体の1/3にするという数値目標も設定した。
コロナ禍では時差出勤やテレワークを導入し、現在も柔軟な働き方として継続して認めている。
現在はダイバーシティと心理的安全性の向上に取り組んでおり、育児・介護・病気などの環境下でも勤務を継続し100%の力を発揮できるよう社内のコミュニケーションと各自のスキルアップに注力している。

主な取組内容

働き方・休み方改革の取組体制

ベテランから若手まで日常業務で改善したいことがあれば業務改善報告書を提出する。社長をはじめとする役員が改善内容を確認し、水平展開すべき内容は、社内グループシステムで通知され、運用される仕組みとなっている。仕事のクオリティアップに全社員で努めている。
また、月一度本社従業員の外出を控えさせ、話し合う機会を設けている。そこで労働時間・年次有給休暇・職場の問題などを話し合っている。
そのほか、入社5年までの若手の従業員と社長の食事会を開催し、意見を聴く機会を設けている。

年次有給休暇の計画的付与

休日数が127日と多いにもかかわらず、計画的付与制度を最大15日実施している。(不足している場合には、法的基準の限度まで)15日実施する事により年次有給休暇の取得率が向上した。休むことで支障が出来ないよう、ジョブローテーション等(管理部であれば、一人が抱える総務・経理業務を複数人出来るようにローテーションした)によりコミュニケーションを図り多能工化をすすめた。
社員の中には仕事をして何が悪いのかという考えを持っている者もおり、取組を始めた当初は理解を得るのに苦労したが、社長から取得は労使協定上の義務だということを粘り強く伝え続けた。

時間外労働の削減

時間外労働は、25時間を限度とする36協定を締結。
原則18時45分にサーバーの電源を切り、以降の時間外労働が必要な場合には、翌朝7時の早出出勤をする事により効率的な仕事の進め方を習慣づけしている。
以前は、商社という業種なので、取引先との関係から時間外が非常に多かった。今では、取引先にも理解を求めるため、社長・営業所長が自ら各取引先を訪問し理解を求めた。原則19時完全退社を実現している。
17時には電話を「本日の業務は終了いたしました」のアナウンスに切り替えている営業所もあり、業務用の携帯電話は持ち帰らないように指示している。
年1回「5S」の日に、昨年は職場の整理の代わりに仕事の棚卸を行い、やりたくない仕事、過去から引き継いでいるだけの仕事等(例:パソコンで抽出できるデータを手集計していた)をピックアップし、やらなくて良い思われる業務については、社長の判断を仰いでいる。
社長が、入退社の記録・年次有給休暇の取得率を自らチェックし、業務の平準化を指示することを繰り返すことで意識の変化を浸透させた。
全部自分でやらないと気が済まないという社員もいたが、周りに手伝ってもらって協力して仕事をするよう伝え続け、徐々に改善されてきた。

ジョブリターン制度の活用

転勤等による退職の場合、復職の意思があれば、当社の営業所周辺に戻ってきた際に退職者本人が申し出すれば、復職可能となるというジョブリターン制度を活用し、退職した女性従業員2名を退職前の業務に復帰させた。

在宅勤務・時差出勤

新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、希望者には在宅勤務を認めることとした。在宅勤務の希望者は会社のノートPCを持ち帰り、自宅で業務を行うことを可能にした。コロナ禍への対応ではあったが、現在は会社が認めた申請のみ許可している。
ただし、在宅勤務社員の勤務状況の確認が難しく、出勤しないと出来ない仕事もあるので出勤している社員との公平性をどうするかが今も課題となっている。

時差出勤

在宅勤務と同様、新型コロナ感染症の拡大を機に、満員電車を避けるために時差出勤を認めることとした。こちらも、育児等の理由で要望のある社員には現在も継続して認めている。

ダイバーシティ・心理的安全性

役職や性別に関わらず、誰もが意見を言えるような環境を目指して、講師を招いて定期的にダイバーシティや心理的安全性に関する研修を実施している。

取組にあたって活用した外部資源

・大阪労働局 ワークショップ参加し情報の収集をした。
・「大阪府男女いきいき元気企業宣言」「大阪労働局 働き方改革宣言」掲載し、会社の気運醸成に活用している。
・株式会社ママココのアドバイスにより女性会議を開催。育児休業の復帰の不安解消のため、産休前、復帰前、復帰後に面談を実施している。

取組の成果・展望

取組の成果

所定外労働時間について、2019年には月平均10.5時間であったところ、2021年には月平均4.1時間に減少した。ただし、この減少はコロナ禍によるところも大きい。
労働時間の削減により、無駄な業務が削減できたほか、社員同士が協力して効率的に仕事に取り組むという意識が向上し、社員間のコミュニケーションが増加した。また、社員の健康にも配慮することができた。
年次有給休暇の取得状況についても、2019年には年間平均取得日数が13.1日であったところ、2021年には13.5日に増加した。
休暇を取得する際に業務の引継ぎを行うことによって、社員間のコミュニケーションが増加した。また、休みを取得することで社員のリフレッシュにつながっている。
大学の就職課から「働きやすい会社」として女子学生に紹介してもらっており、優秀な女性総合職を採用出来ている。

今後の展望

子が出生した男性社員に対して、1ヶ月の育児休業取得を特別有休の扱いとしたので、男性も育児に参加するものだという考え方が浸透していくと思われる。男性育休が社内で浸透したら特別有休の扱いは止めて通常の育休に移行する予定である。
また、今後もダイバーシティと心理的安全性を進めることで、何が起こってもすぐに雇用が脅かされることがないという安心感を持って働くことができる環境を整え、長期雇用・人材確保につなげていきたい。

(R5.3)

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