株式会社ハンズ
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
企業情報
企業名 |
株式会社ハンズ
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所在地 |
東京都
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社員数 |
2,210名
(時点:2022年5月時点) |
業種 |
卸売業、小売業
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働き方・休み方改革に取り組んだ背景と狙い
・社員一人ひとりが個性と能力を発揮し、いきいき働くことが、お客様満足や企業価値の向上につながると考え、働く環境の整備・従業員の心身の健康の維持向上を進めている。
主な取組内容
○フレックスタイム制度
・柔軟な働き方を推奨するため2009年より導入しており、従業員一人ひとりの働きやすさの実現に繋がっている。
○テレワーク勤務制度
・ワークライフバランスの促進を図り業務効率を上げることを目的として2019年に導入。社内ネットワークに接続できる環境とノートPCを用意し、在宅でも同じ業務ができ働く場所にとらわれない働き方をしている。また、通勤時間の削減・感染症対策にも大きな効果を発揮している。
・新型コロナウイルス感染症への対応として、テレワークの浸透を行い(本社出勤率30%を実施)、出勤日も時差出勤を奨励。本社部門は2019年にテレワーク勤務制度を導入していたため、コロナ禍以降もテレワークをスムーズに推進・加速することができた。
・テレワークを推進するための工夫として、コミュニケーション促進と生産性向上を目的とした部署横断型チーム(DOURAKU)を設け、定期的に意見交換を実施している(本社内)。また、人事評価制度として、1on1制度を導入し標準化することで、不足がちなコミュニケーションを補っている。なお、従業員同士のコミュニケーションに関しては、コロナ禍前よりメールからチャットへの移行を進めていたため、タイムリーなコミュケーションに関しては特に問題なく維持することができた。
○一部店舗のサテライトオフィス化
・都内の一部店舗の事務スペースを本社勤務員のサテライトオフィスとし、在宅勤務が難しい本社従業員に配慮した。
○勤務間インターバル制度
・繁忙期や特別な事情があっても9時間のインターバルを確保しており、従業員の健康管理に努めている。
○時間外労働の削減
・テレワーク勤務等の働き方の変化にあわせ、これまで以上に業務内容の効率化(例:各種申請・承認等の業務フローをWEB化)・ペーパーレス化・押印の廃止等を実施することで残業時間の削減に取り組んでいる 。
・管理職向けの労務管理勉強会を定期的に実施。労務管理に対する意識、知識の底上げを行っている。
○年間休日日数の増加
・2016年に107日であった年間休日日数を、2019年までに120日(13日増)にすることで、ワークライフバランスの向上とともに充実した休日を過ごす時間が増えた。
○育児短時間勤務制度の拡充
・法定より長く、小学校6年生の学年末までの子を養育する従業員が取得できる。
○年次有給休暇の連続取得促進
・夏季における連続7日の休暇取得の推奨を見直し、1年中いつでも連続 5 日以上の休暇を年に2回(1回は7日以上、もう1回は5日以上)取得することを推奨。休暇を取って心身ともにリフレッシュすることで仕事への意欲も高まることを期待している。
○時間単位年休制度の導入
・ワークライフバランス促進の観点から、年次有給休暇を有効に活用できるようにすることを目的として2019年から導入し、子育てや介護を抱える従業員だけでなく多くの従業員に活用されている。
○バースデー休暇の導入
・本人の誕生日を含む月(暦月)の前後1ヵ月(計3ヵ月)の期間内に1日のバースデー休暇を取得することができるようにしている。
○リフレッシュ休暇
・勤続30年、20年、10年の節目に、リフレッシュ休暇を6日付与している。また、リフレッシュ休暇を取得するときは、年次有給休暇1日を足して7日以上取得するように推奨している。
○失効年休の利用
・失効した年次有給休暇を最大60日まで積み立てることができ、以下の要件に該当する場合に利用することができる。
-要介護状態にある家族の介護、その他の世話をする場合。
-小学校6年生の学年末までの子の病気・けがの看護を行う場合。
-自己啓発により会社の業務に活用できる研修、受験、講習会に参加した場合。
-疾病の早期発見を目的とした各種健診を受診した場合。
-BCPガイドラインで定める災害(自然災害やパンデミック等)が発生し、交通機関の遮断または会社が自宅待機を命じたもので、連続して3日(暦日)以上自宅待機を必要とする場合。
取組の成果・展望
1.現状とこれまでの取組の効果
○所定外労働時間数
・各個人はもとより管理職も含めた「定時退社」への意識向上や、休日出勤をしない業務の組立の徹底等によって、所定外労働時間数は減少傾向となっている。
・コロナ禍では商談・外出・出張等の減少により、その分の時間捻出が図られ、所定外労働の削減にもつながった。
<取組前>(月平均)17時間(2016年)
<取組後>(月平均)6.2時間(2021年)
○業務効率・生産性の向上
・全部署の業務棚卸を実施。業務内容の重さ・優先度などの洗い出しを行うことで、不要な業務の見直しと必要業務の効率化(テレワークでも業務できるようにするなど)を図り、生産性の向上と労働時間の削減に繋げている。
・ペーパレス化、業務の断捨離の推進によって、業務の棚卸し、業務効率の向上に繋がっている
・従来の参加型研修に比べて、Web研修の方が回数自体も多く開催できるため、研修内容がより充実した。
○柔軟な働き方(時間・場所)によるワーク・ライフ・バランスの向上
・フレックスタイム制度、テレワーク制度を活用することで、時間と場所にとらわれない柔軟な働き方を実現している。
・テレワークによって通勤時間が削減され、その分、プライベートの充実が図られている。
○年次有給休暇の取得状況の変化
・2019年以降、年5日の年次有給休暇取得の法制化を受け、管理職への部下の取得状況の把握や、取得への指示を徹底した結果、取得率が向上。労働者の心身の疲労を回復やゆとりある生活が実現できている。
<取組前>取得率:72.5%(2016年)
<取組後>取得率:83.4%(2021年)
○連続休暇の取得状況
・夏季休暇について、以前は5/16~10/15の間で1回としていたが、2020年から取得期間の縛りを外し、1年間で2回の連続休暇取得を推奨することとした。連続休暇の取得推奨期間が1年中となったことで以前より取得しやすくなり、結果として、年休取得日数・取得率ともに増加している。
○休暇の質の向上
・社内サークル活動に対し、会社から補助金を支給している。それによりスポーツ活動が活発化しており、コミュニケーション向上と運動することで充実した休日を取得できる環境も整えている。
2.今後の展望
・働きやすく、働きがいのある環境を作るため様々な制度を導入しているが、全従業員が有効活用できるように周知するため、引き続き管理職向けの研修をはじめ、勉強会や社内報などを活用して改善を進めていきたい。
・Afterコロナにおいては、社会の情勢や環境は、コロナ前の働き方には戻らないと考えている。ここまで大きく働き方が変化したことによって、今後様々な意見などが出てくると考えており、その時々のニーズに合った制度・施策の策定、規定変更等に柔軟に取り組んでいきたいと考えている。