富士通株式会社

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

富士通株式会社
企業名
富士通株式会社
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所在地
東京都
社員数
32,568人(2020年3月31日現在)
業種
製造業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・コアタイムなしのフレックスタイム制勤務制度(約95%の社員が対象)
・勤務間インターバル制度

■休暇関連
・年間所定休日数:125日(2020年度)
・積立休暇(時間単位取得可能)
・リフレッシュ休暇、結婚休暇等

新しい働き方として新規に開始した取組

1 新しい働き方として新規に開始した取組

・2020年7月にニューノーマルにおける新たな働き方「Work Life Shift」を発表。Smart Working(最適な働き方の実現)、Borderless Office(オフィスのあり方の見直し)、Culture Change(社内カルチャーの変革)の3本柱で取組みをスタートしている。
・Smart Working(最適な働き方の実現)のコンセプトは、社員の高い自律性と信頼をベースに、固定的な場所にとらわれない働き方の実現に向け、仕事内容・目的・ライフスタイルに応じて働く時間・場所を自律的に使い分けるということをコンセプトとしている。
・具体的には、固定的な場所にとらわれない働き方として、原則、全社員を在宅テレワーク勤務とし、通勤定期券の廃止、単身赴任解消等の取組をあわせて実施。
・また、労働時間関連の取組として、全社員に原則コアタイムのないフレックス勤務を適用し、柔軟な働き方を実現した。現在では、社員全体の約95%がコアタイムなしのフレックスが適用されている。

新しい働き方を推進する背景や目指すこと

1 背景・理由

・新型コロナウイルス感染症対策を契機として、ニューノーマルに対応したビジネスモデルや業務プロセス、働き方への変革が求められていた。DX企業への変革をさらに加速させ、生産性を高めながらイノベーションを創出し続けることができる新しい働き方を模索しており、2020年7月に「Work Life Shift」をリリースした。

2 新しい働き方により目指すこと

・「Work Life Shift」は、仕事内容・目的・ライフスタイルに応じて働く時間・場所を従業員自身が自律的に使い分けることをコンセプトとしている。
・このコンセプトの実現の前提になるのが、“社員一人ひとりの高い自律性と相互の信頼関係”である。従来は、画一的な管理を目的に、いわば“性悪説”的な考え方で細かな規則やマネジメントプロセスが設計されていたが、テレワークが中心の働き方になる中、多様な人材や働き方を尊重する考え方に転換しなければならないと考えている。
・少子高齢化や女性活躍支援、東京一極集中の是正(地方創生) 、ワークライフバランスの向上など、社会的課題の解決やサステナブルな社会作りにもつなげていく上で、日本の各企業が新たな働き方を実践・定着できるようリードしていきたいと考える。

新しい働き方を掲げる以前の働き方・休み方や実施していた取組

1 新しい働き方を掲げる以前の働き方や休み方の状況・取組

【所定外労働時間の長さ】
※2020年度については年度途中のためデータなし
(月平均)22.2時間(2019年度)
(月平均)21.9時間(2018年度)

【年次有給休暇の取得状況の変化】
※2020年度については年度途中のためデータなし
14.5日(2019年度)
15.5日(2018年度)

2 新しい働き方において、これまでの取組が活かされている点/これまでの環境整備が功を奏している点

・2017年よりテレワーク勤務制度やフレックスタイム制勤務制度を全社導入したことで、今回の「Work Life Shift」における新しい働き方に比較的スムーズに移行できたと考えている。
・また、コロナ感染拡大前より検討を進めてきたジョブ型人事制度の導入を起点として、1on1ミーティングを全社で展開しており、社内コミュニケーションの機会を確保していたことが挙げられる。評価の面談や目先の業務だけではなく、キャリアについてしっかり話してもらう機会として、現状、月1回を目安に実施することを推奨している任意の取組で、1回あたりの時間は概ね30分~1時間程度である。
・2020年4月から幹部層を対象に導入したジョブ型人事制度も、職責に応じて処遇が決まり、それぞれのミッションがより明確になるため、結果的にはテレワークとの親和性が高い制度となっている。

新しい働き方を推進する上で課題だったこと・工夫したこと

1.新しい働き方を推進する上で課題だったこと・工夫したこと

・テレワークが中心となり、上司と部下が対面で仕事をする機会が減る中で、長時間労働の抑制や業務内容の見える化についても、同時に推し進めていく必要があると考えていた。
・従来から、部課員の時間外労働の実態についてシステム上で所属長が閲覧できるようにしていたが、就業以外の情報も多く掲載された多機能なシステムである為、就業情報に特化したシステム「就業ダッシュボード」を2020年度下期より導入。部課員の時間外労働時間、打刻漏れなどによるエラー、年次有給休暇の取得状況、PCログとの乖離状況等が一元的に可視化される仕組み。長時間労働の傾向にある部課員なども一目でわかる様になっているため、マネジメントのサポートツールとして展開している。
・今後、社内DXの一環として業務内容の見える化にも取り組んでいく。作業効率化や、メンバー間の業務負荷の差異等の見える化など、社員のサポートツールを拡充していくことを検討している。

現状の課題・展望

1.新しい働き方の実現状況

2.今後の展望

・「Work Life Shift」という働き方において、新たに発生した課題や顕在化した課題を抽出する為、従業員向けサーベイを定期的に実施。今後も継続的に従業員の声を拾い上げ、クイックに施策へと反映していきたい。
・「Work Life Shift」ではオフィスのあり方の見直しも同時に発表した。ディスカッションや意見交換など、対面の方が適している業務もあるため、イノベーションやコラボレーションが創出されるようなオフィスの仕掛け等、今後検討していきたい。
・テレワークの利用は増えたが、マネジメント層に求められることが大きく変わったわけではない。部下のキャリア形成も含めて、管理職と部下がしっかりコミュニケーションをとることはオンラインでもオフラインでも、同じである。コロナ感染拡大前より、管理職に求められるものをより明確にしていくこと、意識付けの必要性等の課題を感じ、マネジメント層向けの施策も企画していたので、今後もさらに注力して実施していきたい。

(R3.3)

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