さくらインターネット株式会社

事例カテゴリ

  • 年休取得促進
  • 計画的付与制度
  • 時間単位年休
  • 特別休暇

企業情報

さくらインターネット株式会社
企業名
さくらインターネット株式会社
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所在地
大阪府大阪市
社員数
495名(アルバイト等含む)
業種
情報通信業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・9:30~18:30で定時が決まっている。
・勤務時間を前後にずらして(コアタイム12:00~16:00)勤務可能
・育児や介護等の事由に関わらず在宅勤務が可能
■休暇関連
・年間所定休日数:129日(2019年度)
・時間単位での年次有給休暇の取得が可能
・リフレッシュ休暇(特別休暇)あり

働き方・休み方の現状と課題

1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・所定外労働時間は月平均で6時間程度。
・ルーチン業務や自社開発製品に関わる部署は所定外労働時間が短い傾向にある。
・「ショート30」:定時は9:30~18:30となっているが、その日の自分の業務が終わっていれば18:00に退社することが可能。フレックスとの併用も可能。
・「タイムマネジメント」:業務効率の向上と早めの退社を目的とし、正社員について、20時間分の残業手当を先払いで支給。ほとんどの社員の月間残業時間が20時間以内であり、実際の残業時間よりも多くの残業手当が支給されることとなる。また、残業が20時間を超過した場合、超過分は1分単位で支給。
・「パラレルキャリア」:本業以外の仕事に取り組んだり、NPOなどの社会活動に参加したりするなど、本業と並行して様々なキャリアに挑戦が可能とする制度。

2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)

・エンジニアのなかにはまれに月60時間を超える人もいる。
・管理部門は年度末・年度頭が繁忙期になる。
・働き方の柔軟性は確保されているが、どこでも・いつでも仕事できることがかえってプレッシャーにならないよう配慮している。

3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・直近の実績で取得率76.7%(一般職・管理職)

4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)

・大きな課題は認識していない。スピード感を持って仕事をすることを是とする社風で、仕事と休みのメリハリをつけるような働き方が推奨されている。

休暇取得促進に係る取組

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・2007年に債務超過になってから2014年ごろまでの間、マネジメントの締め付けも強く、働きがいが失われていた。そこで、2016年に働きがい向上を狙ってトップメッセージが出された。
・同時に働き方や休み方に関するディスカッションの場を設けた。まず、会社の方針について役員と人事部で会議を行い、大きな方向性を打ち出した。次に具体的な制度や施策について、社長同席のもと、人事部と有志社員によるディスカッションの場を設けた。ディスカッションでは、社員が前職でよかったと思う施策や要望等を出し合った。
・そうしたディスカッションを経て、働き方に関する会社の考え方が形成され、会社が「働きやすい」環境を提供し、その中で社員個人が「働きがい」を追求できることを理想とする考え方が示された。こうした考え方を「さぶりこ(Sakura Business and Life Co-Creation)」と総称し、会社に縛られず広いキャリア形成(Business)しながら、プライベートも充実させ(Life)、その両方で得た知識や経験をもって共創(Co-Creation)へつなげることを目指すこととした
・制度や施策については、社員が可能な限り裁量を持ち、自分が選んだ働き方ができるような仕組みを整えるため、フレックス制や「ショート30」「タイムマネジメント」「パラレルキャリア」など、多様で柔軟な働き方の実現に関する様々な取組を展開した。

2 導入している休暇関連の制度及び取組内容

・年間休日129日(2019年度)に加え、様々な休暇制度を用意し、その取得を奨励。
・有給休暇は原則として、入社時に20日付与。
・有給休暇とは別に年間3日間のバカンス休暇や、家族の誕生日等で利用可能な記念日休暇等がある。バカンス休暇の取得の際には、年次有給休暇を2日足し、5日間の休暇とすることを推奨している。
・有給休暇を7日前までに申請の上、2日以上連続して取ると、1日あたり5000円の手当を支給する仕組み(連続有給休暇)を導入。最大10日までで、フル活用すれば年5万円まで支給される。休みを会社が義務付けるのではなく、休みたくなるような動機づけをするために手当の支給を2009年から開始。2017年度には全体の8割が利用。連続休暇の取得者が増えたことで、仕事の棚卸が進み、属人化も防げるようになった。
・あくまでも社員の自主性を重んじるため、取得目標は設定していない。

3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫

・年次有給休暇をとる意識が低い人もいるため、本人および上司にアラートを出している。
・全社向けに休暇取得に関する情報提供を行っているほか、特に管理職向けに意識づけを行うように情報発信をしている。

4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)

・連続有給休暇制度は計画的に休暇を取得してほしいとの思いがあり、7日前までの申請を必須としている。
・自分が所属している以外の拠点での勤務も可能とする「どこでもワーキング」を導入した。例えば「関西出身だが東京在住の社員が、帰省の合間に大阪本社に出勤する」といった、ワーケーションのような働き方も可能。

休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)

・各種取り組みの成果として、社員の働きやすさが向上した。従業員満足度調査では、働きやすいと答える割合が62%から89%に向上した。
・「さぶりこ」という愛称とともに施策を打ち出したことで、社内への周知浸透だけでなく、社外、特に採用時においてPRをすることでき、採用におけるイメージアップにつながった。

働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望

・今まで以上に、業務に対する人員体制とフローを確立し、業務の属人化を防ぐようにしていきたい。

(R2.3)

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