株式会社ファンコミュニケーションズ

事例カテゴリ

  • 年休取得促進
  • 計画的付与制度
  • 時間単位年休
  • 特別休暇

企業情報

株式会社ファンコミュニケーションズ
企業名
株式会社ファンコミュニケーションズ
PDF
所在地
東京都渋谷区
社員数
連結509名(うち、正社員429名)、単体405名
業種
情報通信業(インターネット広告事業)
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・所定労働時間は1日8時間(9時30分~18時30分)
・一部の部署で裁量労働制を採用
■休暇関連
・年間所定休日数:126日(2019年度)
・完全週休2日制
・特別休暇制度あり

働き方・休み方の現状と課題

1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・固定労働時間制度を採用している。2017年度の所定外労働時間は月平均17.1時間。
・開発を行う部署(エンジニア在籍)、新規事業開発を行う部署、クリエイティブ系の職種では裁量労働制を採用している。全社員のうち約18%に相当。

2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)

・管理職、部門で中心的な役割を果たしている中堅層において、労働時間が長くなっている。繁閑に関わらず、恒常的にそうした状態が続いている。そうした従業員に対しては、個別に注意喚起を行う。
・部署によっては、全体として時間外労働が長いところがある。そうした部署へは、上長との面談を行い、特定の仕事をやめたり、仕事のやり方を見直すなどの対応をとっている。
・リモートワークを試験導入している。勤怠管理システムを変更したことで、従来は社内でないと出退勤の登録ができなかったが、どこにいても登録できることで利便性を高めている。

3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・2018年度の年次有給休暇の取得率は74.8%。2017年度は67.7%であった。2014年度までは50%前後であり、取得率は向上傾向にある。

4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)

・管理職、部門で中心的な役割を果たしている中堅層では、労働時間の長さだけでなく、年次有給休暇の取得率の低さも課題となっている。
・時間単位での年次有給休暇制度を2019年7月から導入した。導入から間もない段階だが、利用率は10%程度である。

休暇取得促進に係る取組

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・社長から不定期で全社向けにメールマガジンを配信しており、その中で「休み方」に関してトップメッセージが発信されることもある。いい仕事をするためにはプライベートの充実が必要であり、時間に縛られるのではない、当社らしい制度の導入を、というのが社長の思い。
・組織的な方針や推進体制は特に整備していない。会社としては、有休取得率が比較的高いことや、社員の自主性を重視したいため、時季指定で休暇取得を求めるような仕組みを導入することは避けたいという考えである。
・休暇取得の推進については、従業員が能力を発揮できるような職場環境を整備しようという目的の下で行われてきた。また、人事制度上、他社と差別化することにもつながっているのではないか。

2 導入している休暇関連の制度及び取組内容

・飛び石連休制度:火曜日または木曜日が祝祭日の場合(飛び石連休の場合)、月曜日または金曜日の年次有給休暇取得を推奨する制度。2017年度は対象日1日に対し、取得率は23.3%。
・ハッピーサタデー:土曜日が祝祭日だった場合に、前日の金曜日もしくは翌々日の月曜日に年次有給休暇の取得を推奨する制度。2017年度は対象日8日に対し、取得率は9.8%。
・残念月:三連休のない月の第3月曜日に年次有給休暇の取得を推奨する制度。2017年度は対象日1日に対し、取得率は16.9%。
・飛び石連休制度、ハッピーサタデー、残念月はいずれも2016年度に導入。該当する日を会社のイントラネットからアクセス可能な年間カレンダーに記載し、人事部から全社向けに該当日を周知することで、休みを取りやすいように意識醸成している。
・特別休暇制度として、バースデー休暇やペット休暇制度(同居している愛犬・愛猫が亡くなった場合に、1日の有休を付与する制度)を設けている。2020年のオリンピック・パラリンピック期間には、オリパラ休暇として、期間中に2日間の有休を付与する予定。

3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫

・有休休暇取得促進制度(飛び石連休制度、ハッピーサタデー、残念月)により、有休を取得しやすい雰囲気が醸成され、取得率が向上している。一方で、一部に取得できていない従業員もいるため、個別に注意喚起を行っている。
・部長職以上による経営会議を月に2回実施している。うち1回で、年次有給休暇の取得状況や、労働時間の状況を報告している。全社だけでなく、部署別・課別にも状況を確認し、取得率の低い従業員に対してアラームを発信している。
・四半期に一回、全社ミーティングを開催しており、その際には、部長職以上だけでなく、従業員全体に向けて36協定などについても説明を行っている。
・管理監督者についても、8時間以上の残業を正確に把握するようにしている。

4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)

・飛び石連休制度やハッピーサタデー、残念月などの制度は、単発の休暇ではなく、連休を取得するよう推奨する制度であり、会社全体のカレンダーや人事部からの連絡の中に含めることで、「周りの目が気になって休めない」といった状況を改善することで休暇の質を高めることにつながっているのではないか。
・一方で、部署によっては休暇中に顧客の電話対応などが必要となることもあり、今後の課題である。

休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)

・従業員満足度調査などは行っていないため、定量的な効果は明らかではないが、「年次有給休暇を取得しやすい」との声が上がるようになった。とりわけ、前職との比較ができる中途採用者や、育児中の従業員などでそうした声が聞かれる。
・採用応募者の中には、当社の休暇制度に関心を持っている人がいる。採用に対して、一定の好影響があるのではないかと考えている。

働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望

・平均年齢が32歳で男女比率が6:4という人員構成であり、子育てとの両立支援を強化することを検討している。
・失効年次有給休暇の積立制度導入を検討している。介護事由での休暇に対応できるようにすることが目的の一つである。
・従業員に対して、限られた時間の中で働くことに対する意識をどのように持たせるかが課題である。何らかの制度や、従業員に対する教育・啓発によって行うかは、検討中である。各部署に効率よく働いている人がいれば、それが目標になるのではないか。

(R2.3)

事例を評価する