JSRマイクロ九州株式会社
事例カテゴリ
- 年休取得促進
- 計画的付与制度
- 時間単位年休
- 特別休暇
企業情報
企業名 |
JSRマイクロ九州株式会社
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所在地 |
佐賀県佐賀市
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社員数 |
110名
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業種 |
製造業
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労働時間・休暇制度 |
■労働時間関連
①日勤 ・所定労働時間は1日7時間45分(9時~17時45分) ・フレックス制を採用(コアタイムなし) ②二交代制 ・シフトは6時~14時45分、14時15分~23時のいずれか ・品質管理部において採用 ③三交代制 ・シフトは、6時~14時45分、14時15分~23時、22時30分~6時30分のいずれか ・1カ月単位の変形労働時間制を採用 ・製造部、品質管理部の一部において採用 ■休暇関連 ・年間所定休日数:121日(2019年度)(三交代制の場合は、年間所定休日数110日) ・特別休暇制度あり |
働き方・休み方の現状と課題
1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・2018年度の所定外労働時間は11時間。2017年度は11時間、2016年度は18時間であった。
2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)
・3年ほど前から、社内で業務効率化プロジェクトを立ち上げている。無駄な仕事や無駄な会議の削減などに取り組んだ結果、2016年度から2017年度にかけて、残業時間を減らすことができた。2018年度からは、自動化・IT化の促進に取り組んでいる。
・業務効率化プロジェクトには、各部のマネジャークラスが横断的に参加している。また、3カ月に一度、社長への報告会を実施している。
3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・2018年度の年次有給休暇の取得率は97.2%。2017年度は97.7%、2016年度は94.4%であった。
・年次有給休暇の取得率は、10年以上、約90%で推移している。
・日勤者に限り、年末・年始に年次有給休暇の計画的付与をしている。
4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)
・すでに年次有給休暇の取得率が高く、大きな課題はない。取得日数に関するノルマ意識などもないため、3月に年次有給休暇の取得が集中する、といった事態はない。
・年次有給休暇の取得日数が5日未満の人をチェックできるようにシステムを変更した。そうした従業員は過去10年間にいなかったため、念のための整備である。
休暇取得促進に係る取組
1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制
・労使の場で、社長が年次有給休暇取得促進に関するメッセージを発信している。
・毎月の衛生委員会で、年次有給休暇の取得率、所定外労働時間の状況を報告している。こうした情報は、部署ごとにブレイクダウンして見ることができる。また、衛生委員会には労使ともに参加している。
・衛生委員会での議論の内容は、仕事量の調整などである。年次有給休暇の取得率の差などが、部署ごとの業務負荷の違いを表すと考えられるため、人員配置にメリハリをつけることも検討する。労使で議論することで効果が出ている。
・休暇取得によって欠員が出た場合は補勤者(休暇取得者の代わりに勤務をする役割の従業員。日勤であり、常に待機している)が対応する。また、三交代制の従業員が休暇を取得した場合には、補勤者が対応する他、前後の勤務時間帯の人が残業して対応することもある。
・欠員を補うことができるように、多能工化を進めている。
2 導入している休暇関連の制度及び取組内容
・半日単位の年次有給休暇を取得することができる。
・特別休暇制度として、慶弔休暇、災害休暇、ボランティア休暇を設定。
・勤務間インターバル制度を導入している。勤務と勤務の間が11時間未満となったことが月3回以上ある場合、産業医面談を実施する。
・休暇の取得申請は、シフト表に基づいて行っている。月の上旬に翌月のシフトを作り始めるが、その際に、休暇の取得申請を行う。シフトの完成は、その月の4~5日前である。
3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫
・補勤者の育成に時間がかかることが課題となっている。個別の育成計画を立て、計画的にOJTを実施している。
・補勤者の負担をいかに軽減するかが課題となっている。補勤をしたことで勤務時間が長くなっても翌日の勤務は朝から、といったケースなどがある。
・日勤者の年次有給休暇の取得が難しかったため、シフト勤務者と同様、勤務表を作成している。日勤者において不可欠なものではないが、休暇取得を申請しやすくなり、日勤者が「休みやすくなった」と感じられるようになった。
4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)
・会社として特別な取組はしていない。
・かつては、傷病などに備えて年次有給休暇を残しておきたい、と考える従業員がいたかもしれないが、長期的に休暇取得促進に取り組んだことで、残しておかなくても問題ないという認識が広まった。
休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)
・休暇取得促進の取組を継続してきたため、自然と休暇を取得するような雰囲気ができている。
・年次有給休暇の取得率や所定外労働時間の削減で成果を得られたことで、採用活動においてもアピールポイントとなっている。
働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望
・定時に業務を終えた従業員と、そうでない従業員の間での給与面での不平等感を取り除くため、社内ポイント制度を設定し、定時に業務を終えた従業員に対してポイントを付与し、会社として評価する姿勢を示している。2019年度より取組を開始したところである。