一般財団法人SOMPOスマイルキッズ
事例カテゴリ
- 年休取得促進
- 計画的付与制度
- 時間単位年休
- 特別休暇
企業情報
企業名 |
一般財団法人SOMPOスマイルキッズ
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所在地 |
東京都文京区
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社員数 |
34名(うち正社員14名)
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業種 |
医療,福祉業(保育所運営)
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労働時間・休暇制度 |
■労働時間関連
・所定労働時間は1日8時間 ・シフト勤務制 ■休暇関連 ・年間所定休日数:121日 ・週休2日制。土曜日の勤務は、月1回程度 ・特別連続休暇(年1回、月曜日~金曜日までの連続した5日間) |
働き方・休み方の現状と課題
1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・シフト勤務制を採用している。正社員の月平均所定外労働時間は5時間程度(一日あたり15~20分程度)で、一か月の残業時間が二桁になることは少ない。
・所定労働時間は1日8時間×週5日だが、正社員の平均実労働時間は休暇等を取得した結果、月間140~150時間程度となることもある。保育園の正社員は体力的に厳しいため、長時間労働では続けられない。
2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)
・所定外労働時間について、大きな課題はない。
・保育士が保育日誌や保育園の通信、イベントの企画書等を作成する作業は、全てパソコンを用いて電子ファイルで作業している。そうすることで、他の保育士と情報を共有したり、別の保育士が作成したファイルを活用できるため、業務効率化につながっている。
・事務室のパソコンは6台程度しかないため、子どものお昼寝中等に保育士が融通し合って使っている。日中の隙間時間に作業を進め、残業にならないようにしている。
・園の飾り物や教材について、保育士は概して手作りが好きだが、一方で保育士の残業が発生する要因となる。そこで、手作りにこだわらず、できるだけ手間をかけない、購入した物でもよいといった方針とすることで業務を削減している。
3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・2017年度の年次有給休暇取得率は93%。半休(午前半休・午後半休)の利用も多い。
・職員が必要なときに休暇を取得できることが大事であり、年次有給休暇を100%消化することが目的ではないと伝えている。ただし、休暇の残日数が多い職員には、もう少し取ったらどうか、と声がけをすることはある。
・パート社員の場合、休みたい日は非番の希望を出して、シフトで調整しているため、正社員よりも年次有給休暇を取得しない傾向にある。パート社員にも、必要に応じて声がけをしており、正社員とほぼ同程度の取得率となっている。
4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)
・休暇の取得について大きな課題はない。
・保育園では人員の配置基準が定められているため、職員が自由に休暇を取得してしまうと、業務に支障が出かねない。このため、休暇取得者のカバーに入る保育士を複数名確保するようにもしている。
・年次有給休暇や特別連続休暇の希望をあらかじめ聴取することで、シフト勤務表作成において調整し、希望する時期に休みを取得することができている。また、全員が休暇を取得しているため、気兼ねなく休暇を取得することができる。
休暇取得促進に係る取組
1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制
・2011年に保育園を開設した当時から有給休暇取得を奨励し、休暇が取得しやすい環境が整えられている。一般的に保育業界は長時間労働で休暇が取得しにくいイメージがあるが、数年かけて取得推進や意識改革に取り組んできたため、休暇取得が企業風土として定着している。
・保育士不足が非常に深刻なため、働きやすい職場環境でなければ、保育士を確保できないということもある。
2 導入している休暇関連の制度及び取組内容
・正社員・パート社員問わず全員から、月の初めに翌月の「勤務シフト希望票」を提出してもらっている。年次有給休暇、振替休日(土曜日に出勤した場合)、半休、出勤シフト(時間帯等)の希望を書いてもらっており、それをふまえて翌月のシフト勤務表を作成する。勤務予定を確定することで、計画的に休暇を取得することができる。また、休暇を取得する際は、事由を聞かないようにしており、申請しやすいよう配慮している。
・「特別連続休暇」は、平日の連続した5日間とその前後の土日を併せて、最大9連休を取得させる制度である。毎年4月頃、全員取得時期を第3希望まで聴取し、年度初めに取得予定日を確定させている。
・クラス担任が特別連続休暇を取得する際は、保護者に事前に書面(「特別連続休暇の取得は、当園の労務管理上の中心施策ですので、保育士の働きやすさのためにもどうぞご理解下さい」といった内容で、保育士が自分の名前を入れて配布する)でお知らせしているため、この施策が保護者にも浸透、支持されるに至っている。
・休暇を取得した職員には、保育園のブログに(休暇中の出来事など自由に)掲載してもらっている。保育士と保護者の距離感を縮めることができ、休暇取得について、保護者の理解が得られることにも繋がっている。
3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫
・保育士が休暇を取得できるかどうかは、代替の人員配置ができるフリーの保育士をどこまで手厚く雇用しているかに左右される。
・当園では、正社員のカバーに入ることのできるパートの保育士を複数名確保しており、所定の人員配置を下回らないよう配置している。これにより、休暇の取得だけでなく、お昼に一時間休憩を取ることや、就業時間内に事務作業を行うことが可能となっており、働きやすさにつながっている
・育児・介護等の家庭の事情で勤務に制約が生じた場合は、シフト勤務表作成において、個々人の事情に考慮している。周囲も、お互い様と思ってフォローし合えることが大事である。
4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)
・保育園の年間行事予定表も年度の冒頭に配布して、職員が計画的に年次有給休暇を申請できるようにしたり、休暇取得予定希望表を提出してもらうことで、計画的に休暇を取得することができている。
休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)
・制度として特に目新しいものはないが、休暇取得等がきちんとできるように丁寧に運用しており、残業しない働き方や休暇を取得することが定着している。休暇を取得しても業務に支障がないよう、必要な情報を電子ファイルで共有するなど、職場内のコミュニケーションが円滑に図られるようになった。
・勤務表作成において、個別事情の考慮には限界があるが、できるだけ本人に寄り添ったシフトを作成している。本人との対話を重視することにより、生活に応じて勤務形態を相談する風土が醸成され、家庭の事情等で勤務に制約がある職員も働き続けることができている。
・保育業界では、パート社員は、妊娠すると退職することが多いが、当園では育児休業を取得し、復職するケースもでてきている。働き続けやすい職場であることのあらわれだと思う。
働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望
・中高年の保育士からは、介護の話を聞くことが増えている。介護は各種手続きや介護事業者との打ち合わせ等、日常的なやりとりが多いので、育児とは違った対応が必要と感じている。
・一日単位の休みだけでなく、時間単位で休暇が取得できると、より労働者のニーズに合うだろう。