株式会社アオアクア

事例カテゴリ

  • 年休取得促進
  • 計画的付与制度
  • 時間単位年休
  • 特別休暇

企業情報

株式会社アオアクア
企業名
株式会社アオアクア
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所在地
東京都江東区
社員数
88名(平成30年8月時点・非常勤含む)
業種
医療・介護(訪問看護、訪問リハビリ、居宅介護支援事業)
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・労働時間制度:シフト制(週休2日となるよう調整)
・所定労働時間:8時間(8:45~17:45)
・利用者のニーズにあわせて早朝や夜間対応を行う場合は、その分勤務時間を前後させる
■休暇関連
・年間所定休日:130日(完全週休2日制、祝日、夏休み5日、冬休み4日、創立記念日等含む)
・祝日は代休として取得可能
・特別休暇:慶弔休暇、リフレッシュ休暇(勤続年数の条件あり)
・有休取得率100%を達成(取得日数・付与日数いずれも前年度繰越分含む)

働き方・休み方の現状と課題

1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・残業時間は月平均15~20時間程度。40時間を超えると通知を出している。
・管理職の労働時間が長い傾向にあるが、近年減少傾向にあり、法定外残業時間が月40時間を超える者はほぼいない。
・断捨離を含め、こまめに業務改善を行ったり、管理者の業務を部下に委譲して管理業務に専念できるようにするなど、役割分担の見直しを現場レベルで行っている。また、シフト上で訪問件数を減らして管理業務に専念できるようにしたり、管理職の仕事量を把握し、何の業務を行っているのかを確認して、周囲に仕事を振るように言っている。

2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)

・管理職の労働時間が長くなる理由としては、新規の申込みや緊急対応が必要な利用者の増加など、イレギュラーな対応を行う際に管理職がカバーをする必要が生じるため。一般スタッフはそれほど長時間勤務になることはない。
・管理職の業務を平準化するため、月に1回開催する管理職会議で、各自が抱えている仕事の状況を共有し、偏りがある場合には分散できないか検討を行っている。
・直行直帰はできないが、外出中に時間が空いた際、近くの他店舗に寄りPCを利用することはできる。また、外出先からの電子カルテへのモバイル入力も可能。
・一般のスタッフは、19時以降は上司の許可がないと残業できないこととしており、以前より実施していたが、今年からさらに徹底して行っている。業務日報に誰の許可で残業に入るのか書いてもらったり、残業する人は終礼で手上げして理由を述べ、何時までに終わるか宣言してもらっている。

3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・年次有給休暇取得率は、2011年の創業以来100%を達成し続けている。
・社員は休暇取得に積極的で、4~5連休の取得が通常となっている。土日をあわせて9連休を取得する者も少なくない。2週間以上の連続休暇を取得し、海外旅行をする者もいる。

4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)

・社員を対象としたアンケートでは、取得日数に対する不満はないが、希望する時期に取得したいという声が挙がっている。ただ、土日祝日を含めて人員配置をする必要があるため、全員の希望を認めることは難しい。

休暇取得促進に係る取組

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・休暇取得や残業時間の状況は、経理・労務で管理している。
・具体的な取組は、各事業所単位で実施し、毎月の社内会議で状況を共有している。
・社長からは、ワーク・ライフ・バランスをとること=楽をすることではなく、仕事と休みのメリハリをつけてほしいと呼びかけている。

2 導入している休暇関連の制度及び取組内容

・休暇取得率100%を達成するため、個人単位での休暇管理表を作成している。表計算ソフトで保存しており、誰でも状況を確認することができる。休暇の取得日数と有効期限が一覧できるようにしている。
・これとは別に経営層用の管理表もあり、個人別に残日数や取得計画を管理している。
・実際の取得にあたっては、個人がカレンダーに取得希望を書き込み、それを踏まえて管理職が全体を調整し2週間前までにシフトを作成する。この時点で取得の可否が確定となる。
・なかなか休暇を取得できていない社員がいれば、管理職から声かけを行うほか、社内の全体連絡でも残日数を伝えている。また個人携帯に休暇取得の促しの通知もしている。取り残しがないよう、年次有給休暇が追加される前月にはすべて消化することとしている。
・働き方の見直しを進めるため、残業をしない、遅刻・早退をしない、タイムカードの打刻をするなど細かい事項を達成するたびにポイントが付与され、そのポイントを海外の恵まれない子どもたちへ寄付することができるという制度を導入している。
・ノー残業デーは週に1回、各自が設定する。朝礼でその日にノー残業を実施予定の社員が誰かを共有し、協力して達成できるようにしている。

3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫

・カレンダーに希望を記入してもらう際、どうしても土日祝日や年末年始に希望が偏るが、事業所は年中無休であり、利用者様に迷惑がかからないようにするために、全員の希望どおりに取得してもらうことはできない。そのため、互いに相談の上、休みの希望を書き込んでもらうように呼びかけている。

4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)

・チーム制を採用しており、一人の利用者様に対して複数名で対応している。そのため、誰かが休んでも対応できる体制となっている。チーム制をとることで、多角的な視点からの支援が可能となるため、利用者様にとってのメリットも大きい。
・利用者のカルテはすべて電子化しており、会社支給のスマートフォンでどこからでも確認できる。
・事業所間の距離が近いため、突発的な休暇などで欠員が出た場合は各店舗間でサポートすることもある。
・年次有給休暇を利用して行った活動については、朝礼のスピーチで報告してもらうこととしている。また、ブログ上でも公開している。

休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)

・働きやすい環境を作ることで、離職率が11ポイント低下した(25%⇒14%)。これにより、採用にかかるコストを削減することができた。
・こうした取組が評価され、日本生産性本部や東京都などからワーク・ライフ・バランスに関する賞を受賞した。

働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望

・働き方の面では、法改正も見据えてさらに対応していく必要があると考えている。
・社員の勤続年数が伸びるにつれ、付与される年次有給休暇の日数も増えてくるため、どうやって取得率100%を達成し続けるか検討する必要がある。
・病気になった社員への対応としては、現在の休暇日数だけでは不足するので、今後の課題として検討していきたい。

(R2.3)

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