TEPCO光ネットワークエンジニアリング株式会社

事例カテゴリ

  • 年休取得促進
  • 計画的付与制度
  • 時間単位年休
  • 特別休暇

企業情報

TEPCO光ネットワークエンジニアリング株式会社
企業名
TEPCO光ネットワークエンジニアリング株式会社
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所在地
東京都文京区
社員数
275名
業種
電気通信工事業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・労働時間制度:フレックスタイム制
・所定労働時間:7時間40分(通常の労働時間は8:40-17:20)
■休暇関連
・年間所定休日数:約120日(土日祝日+12/29~1/3)
・勤続年数に応じて付与されるリフレッシュ休暇あり

働き方・休み方の現状と課題

1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・所定外労働時間は、2016年度から3年連続で減少している。所定外労働時間は2016年度で月平均20時間程度、2017年度で月平均16時間程度。(所定外労働時間による計算。管理職除く。)2018年度は月平均12時間を目標としている。
・親会社の取組が関係会社に展開された形で、「生産性倍増」の取組を2017年度から開始した。取組の中では、仕事の棚卸をして、分析をするといった製造業における業務改善の手法を実施し、部署間で異なる仕事の仕方の標準化を行った。
・頻繁にトップから取組についての発信をしている。平日休日合わせて月間の時間外労働60時間を上限とし、それを超える場合には理由の確認をすることにしている。今年度はその上限を月間50時間に減らした。
・本社や支社において、17時頃に夕礼を行い、当日の時間外労働の予定の確認をし、時間外労働についての意識を高めるようにもしている。
・都内では夜間の保守作業が多いなど、地域エリアごとのばらつきはみられる。また、台風の時期には業務が増え、時間外労働が増える傾向にある。

2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)

・以前より業務の属人化や、仕事の手順が明確にされていないこと、部署間で仕事の仕方が異なることなどの課題意識があった。
・属人化を解消するために「連続5日間の休暇取得」を目標に掲げ、休暇取得促進と業務の標準化を連動して進めていった。

3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・年次有給休暇が20日付与(10月入社の新規契約社員は半年で12日付与)に対して、平均消化日数は16.6日(派遣社員も含む)。休暇取得率は、76.0%程度。
・特別休暇として、6~10月の間に3日間の夏季休暇をとることができる(派遣除く)。
・2018年度より、創立記念休暇の代替休暇(5月1日)が設定された(同上)。
・勤続年数に応じて5日のリフレッシュ休暇が付与される。これに加え、定年後の再雇用から1年間は5日の休暇も付与される。
・積立休暇制度があり、繰越できなかった年次有給休暇を傷病休暇として最大20日間利用できる(派遣社員・契約社員は除く)。

4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)

・従来より、休みやすい雰囲気が醸成されており、大きな課題はみられない。

休暇取得促進に係る取組

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・休暇取得に関連する取組は人事労務部門の管理のもと業務計画に沿って取り組まれている。
・「生産性倍増」の取組は、社内業務の効率化等に取り組んでいる設備企画部門(保守・メンテナンス業務のサポートをする部門)が主導して行っている。
・仕事の平準化は、システム部門が主導する業務改善の取組においても進められている。
・2017年度より、「働き方改革貢献賞」という名称の支社表彰も実施している。2016年度の実績と比較し、削減率が最も高い支社より点数付けと順位をつけ、水曜日とプレミアムフライデーを全社一斉退社日として、退社率の高い順に点数付けと順位を定め、トップの支社を社長より表彰している。2016年度の実績にも差があることから、最も実績の少ない支社より多少加点を付けることにより、全体として「働き方改革」を進めている支社を表彰し、社長から表彰状と金一封を直接支社長に渡している。
・管理職もしっかりと休暇を取得しており、例えば支社長が休暇を取得する際には、マネージャーが業務を代行する等の調整をしている。
・経営層も率先垂範して休んでおり風土として休みにくい雰囲気は全くない。
・役員も現場をよく回っており、社員とのコミュニケーションをしっかりととっている。経営層と一般社員の距離が近く、働き方改革についてもトップの姿勢が社員にまで浸透している。

2 導入している休暇関連の制度及び取組内容

・毎年の業務計画の中に、休暇取得や時間外労働時間削減について、対2016年度比の目標を立てている。休暇に関する目標は、取得率ではなく、連続5日間(土日除く)の有給休暇を取得することを目標としている。従来から仕事の属人化が課題であったが、属人化を解消するために「連続5日間の休暇取得」を目標に掲げ、休暇取得促進と業務の標準化を連動して進めていった。
・「連続5日間の休暇取得」は、管理職も対象にしている。トップダウンで進め、年間で立案している業務計画の中にもこの目標を載せている。取得状況は部署ごとで管理がされ、社長へ報告がなされる。
・業務の棚卸をすることで、何に時間がかかっているのかが明確になり、その過程でムダが見えてきた。棚卸のプロセスにおいて、個人の頭の中にあった業務が見える化でき、業務の共有化がしやすくなった。併せて、複数人で業務をバックアップできる体制にすることで、属人化の解消を進めていった。
・「生産性倍増」の取組では、これまで支社ごとに異なっていた業務の進め方や手順書、フォーマット、システム等の標準化も進めている。よい事例があれば水平展開し、他の支社でも参考にできるようにしている。

3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫

・連続5日間の休暇の取得ができるよう、2017年度は年度初めに全員に計画を立ててもらったが、計画が立てられないなどのケースが見られた。2018年度は、連続5日間の取得をしたい人自らが計画を立てるものとした。
・連続休暇の取得はあくまでも自由になっている。手を挙げた人が100%取得できるようにすることを目的に取組をしている。

4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)

・災害時など、現場での緊急対応が必要な場合があるが、管理職の判断で対応が進められ、出勤の必要が検討される。

休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)

・休暇取得の促進は、業務の棚卸・標準化、見える化に紐づいているところが大きい。「5日休んだら5日分の仕事が残っている」状態にならないように、互いにフォローするようにしている。標準化は休みやすい風土づくりだけではなく、組織の危機管理にもつながっている。
・社員には、「休暇を取得しても仕事は回る」という感覚を持ってもらっているようである。仕事の標準化の効果も感じられているようである。

働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望

・休暇取得ができていない人に対するフォローはしていない。課題がみられる社員がいた場合の対応については今後検討していく。

(H31.3)

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