コマツNTC株式会社
事例カテゴリ
- 年休取得促進
- 計画的付与制度
- 時間単位年休
- 特別休暇
企業情報
企業名 |
コマツNTC株式会社
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所在地 |
富山県南砺市
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社員数 |
1,397名(男1,184、女213)2018/3/31現在
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業種 |
工作機械製造業
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労働時間・休暇制度 |
■労働時間関連
・週1回定時退社日を定め、原則残業しない日とし、総務部がパトロールしている。 ・年間総労働時間を2100時間以内にする労使目標を設定している。 ・週に1回、部署ごとに労働時間の実績のアナウンスを行い、長時間労働の傾向がある社員には上司に対策を講じるよう総務から連絡をしている。 ・間接部門の社員が22時以上の深夜労働となる場合は、社長決裁のルールとなっている。 ・部門内で週1日ノー会議デーを設定し、安心して年休取得できる日を設けている。 ■休暇関連 ・年間所定休日数:128日 ・一般職は年次有給休暇を平均16日取得するよう義務付けている。 ・リフレッシュ休暇(特別休暇)、ライフサポート休暇あり。 |
働き方・休み方の現状と課題
1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・所定外労働時間は昨年度実績で月平均29.6時間(管理監督者を除く)。
・設計・製造部門の社員は、部署によって休日に出勤しなくてはいけない場合や、突発で出社する場合もあり、時間外労働が増える傾向である。
・時間外労働削減に向けて、各部署から削減目標と具体的活動を吸い上げて、それに対する策を講じるという取組みを行っている。
・2017年度は、会議の抜本的な見直しを実施。すべての会議について実施時間、回数、参加者、コスト等をリスト化した。無駄な会議を無くす・回数を減らす・1回あたりの時間を短くする・参加者を減らす等の改善策を実施している。
・所定外労働時間が70時間を超えた場合は産業医面談を実施している(管理職)。
・一般職は上限60時間となっている。
2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)
・一般社員のフォローため、管理職が長時間労働になる傾向がある。
・毎月の就業実績は総務部から月に3~4回アナウンスし、長時間労働の社員には総務部が個別で上司と話し合っているが、それでも長時間労働になる管理職が少なくない。
・残業代目当ての生活残業者が一定数おり、効率的に働いて早く帰る、有給休暇を取得するなどメリハリを持った働き方をする社員との意識の差がある。
3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・平均有休取得日数は、一般職約16日、管理職約10日。
・同じ部署内でも休める人、休めない(=忙しい)人のばらつきがある。
4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)
・管理職が有給休暇をあまり取得できない(しない)傾向があり、一般職との乖離がある。
・総務がいくら休めと個人に言っても、「それは無理だ」と反発される場合もある。忙しさの原因を把握して、仕事の取捨選択をし、部下に指導できる上司を育てる必要がある。
休暇取得促進に係る取組
1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制
・2008年に(株)小松製作所のグループ企業になったことにより、業務効率化や時間外労働削減、年次有給休暇取得について様々な取組みが加速している。
・働き方・休み方に関する取り組みは、小松製作所の方針を踏襲し、スピード感を持って実施する一方で、自社の強みや現状に合わせた取り組みとなるよう注意を払っている。
・総務部主導で取り組みを推進しているが、仕事の進め方などは各部署が検討・推進している。総務部は方針の発信・浸透、こまめな進捗管理や徹底したフォローや管理職育成に徹している。
・時間外労働間接部門月15時間以内、消滅年休ゼロを目標にしている。
2 導入している休暇関連の制度及び取組内容
・一般社員は全員(新入社員も含め)年次有給休暇を16日取得するルールを設けた。それに付随し、有給休暇の取得を、会社が促進していることが社員に伝わるように各部門に年休計画を作成・掲示している。合わせて毎月、総務部が抜き打ちで各部署をパトロールし、有休の取得日数が少ない場合は本人や上司と相談する等、運用面のフォローも行っている。
・リフレッシュ休暇(A・B)を設けている。
A:年次有給休暇を連続5日取得させるため、名目を付けて取りやすくした。
B:勤続年数が15、25、35年目の時に特別休暇5日間が付与される。
・階層別の教育:管理職を対象にコンプライアンスを含めた就業管理等の研修を実施。
3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫
・小松製作所のグループ会社になる前に管理職になった者は、グループ全体で実施する階層別の管理職研修を受けていないため、労働時間管理に無関心な者もいる。そのため、管理職全員を対象にしたタイムマネジメント研修やコンプライアンス研修を今後実施する予定。
4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)
・休暇を積極的に取ってもらえるよう、労働組合側と協力して、バーベキュー大会、ナイトズー、スキー、映画館等を格安で利用できるイベントを提供している。
休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)
・時間外労働が減り、年次有給休暇の取得日数が増えるなど労働環境は大幅に改善している。
・毎年実施している社員意識調査では、取組みが社員の目に見える形で進むことで、安心して働ける会社という印象へ変化している。
働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望
・管理職自身が働き方・休み方の意識や行動を変えないと、部下も変わらない。管理職のマネジメント能力を向上させるかが、種々の取組みを成功させるカギであるため、管理職の教育を重点的に取り組んでいきたい。