総合メディカル株式会社

事例カテゴリ

  • 年休取得促進
  • 計画的付与制度
  • 時間単位年休
  • 特別休暇

企業情報

総合メディカル株式会社
企業名
総合メディカル株式会社
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所在地
福岡県
社員数
3,718名(単体。うち正社員2,702名)
業種
小売業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・労働時間制度:調剤薬局店舗はシフト制、本社・支社・支店は9:00-18:00(8時間勤務)。
・時差出勤制度あり。
・時短勤務制度は育児(小1まで)、介護、妊娠を事由として利用可能。
■休暇関連
・年間所定休日:124日(2018年度)。本社・支社・支店は完全週休2日制、薬局店舗は4週8休。その他に夏季休暇3日、年末年始休暇6日。
・年次有給休暇は半日・時間単位での取得が可能。
・失効した年次有給休暇を積み立て、事由を限定して使用できるサポート休暇制度がある。
・その他に、誕生日休暇、結婚休暇、配偶者出産休暇(連続3日間)、結婚記念日休暇、永年勤続休暇、ボランティア休暇(年間7日)がある。

働き方・休み方の現状と課題

1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・平均所定時間外労働は12.5時間、平均法定外時間10.6時間(2017年度)。
・職種別では、一般職と比較し総合職が多い。
・部門別では、薬局部門(調剤薬局店舗)は冬季(インフルエンザや風邪が流行する時期)、営業部門(支社・支店)は期末に時間外労働が多くなる傾向にある。また、管理部門(本社)は部門ごとの業務スケジュール(財務経理部:決算期、採用部:新卒採用活動等)により増加する時期が異なる。

2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)

・薬局店舗勤務者(薬剤師・薬局事務)は店舗内でしか業務が行えないため、働く場所の柔軟化が難しい。柔軟な働き方を実現するための取組としては、有給休暇の取得促進や労働時間の適正化を進めている。

3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・年次有給休暇取得率の平均は55.5%(2017年度)。2019年度までの中期経営計画では70%の取得を目標としている。
・職種別では、マネジメント職の取得率が低い状況にある。
・部門別では、薬局部門は時間外労働と同様、冬期が繁忙期となるため、取得しにくい状況となる。4月の有給休暇取得義務化の法律改正にあわせて、全社員が有給休暇を取得しやすい環境構築に引き続き取り組みたい。

4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)

・薬局店舗に勤務する薬剤師は、地域により人員が不足している場合もある。そのような環境では休暇を取得しにくい状況となるため、採用活動の強化等、人員の適正化をあわせて進めている。

休暇取得促進に係る取組

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・社訓の一つに「社員の豊かな人生を願い、社員とともに成長します」という言葉があり、その実現のために女性活躍推進と働き方改革を軸としたダイバーシティの推進に取り組んでいる。
・2017年4月にダイバーシティ推進グループが発足し、人事部と協力して労働時間の適正化や有給休暇取得促進に係る風土醸成や制度導入等の企画、推進を行っている。
・社長から全社員に向けて労働時間の適正化に関するメッセージを発信し、不要な時間外労働を減らしていくという意識を持つよう呼び掛けた。

2 導入している休暇関連の制度及び取組内容

・失効した年次有給休暇を最大20日まで積み立てて利用できるサポート休暇制度は、社員本人の傷病等による治療・通院、二親等以内の家族の看護・介護の場合に利用でき、半日単位での取得も可能としている。2018年3月までは連続5日以上休業する場合にしか利用できなかったが、4月より半日から利用可能としたところ、利用者数が倍増した。
・社内イントラネット上にダイバーシティ推進のポータルサイトを構築し、各種制度やその活用事例の紹介を行っている。また、トップ画面に現時点の有給休暇取得率を掲示し、すべての社員が進捗を把握できるようにすることで、全社で目標に向かっているという風土醸成を目指している。
・GW・年末年始・自社独自で設定している有給休暇取得促進月間(8~10月)におけるポスター掲示、社内報での社員の休みの過ごし方の紹介等により、有給休暇を取得しやすい風土の醸成に取り組んでいる。
・人事部門より、四半期ごとに部署別の有給休暇取得・時間外労働の状況を部門長に送付している。
・長期休暇の取得(5日以上(土日含むことも可))を奨励しており、取得を必須としている部署もある。

3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫

・好事例の横展開を狙いとして、取組の進んでいる部署へのヒアリングを行っている。
・全国展開をしている調剤薬局事業では各店舗を少人数で運営しているため、地域ごとに「ブロック」という管理体制を構築しており、その中で年次有給休暇の取得が進んでいるブロック長にヒアリングを行った。
・具体的な取組として、Excelでブロック全体の休暇取得実績・今後の取得計画を管理することで、取得状況の見える化を行っている。また、ブロックの中で他店舗への応援体制を組むことで、効率的な業務運営を行っている。ブロック全体で取得計画を立てることにより、他の社員の取得状況も見えるようになり自身も気兼ねなく休暇が取得できるという効果もある。

4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)

・IT部門とダイバーシティ推進グループの共同で社内向け案内の「かわらばん」を作成し、社員が安心して休暇を取得できるよう、不在時のメール自動返信機能を紹介した。

休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)

・有給休暇取得率は2017年度46.1%から、2018年度55.5%に増加した。
・社長からのメッセージ発信等の取組により時間外労働は減少傾向にあり、2018年度の1人一月あたりの平均時間は前年度より0.7時間減少した。月60時間以上の時間外労働を行った場合は上司と面談するというルールもあり、長時間労働を行う社員数も減少している。
・人事部が毎年実施している自己申告では、有給休暇や残業等のWLBに関する質問項目があり、年々数値が改善している。
・新卒採用においては学生からの評価も高まり、就職情報サイトが実施した就職企業人気ランキング(2019年卒対象)の医療・福祉・調剤薬局部門で上位にランクインした。

働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望

・有給休暇の取得促進については、法改正にあわせて全社員に向けた通達を発行する。また、各部署の取得状況を所属長へ発信すること、取得が進んでいる部門に対してヒアリングを実施し、好事例を横展開することを継続して行いたい。
・育児・介護だけではなく、様々な状況を抱える社員が増えている傾向にあり、病気の治療と仕事の両立支援や障がい者雇用等も含めたダイバーシティの推進に取り組むことで、すべての社員が働きやすい環境を整えていきたい。
・本社・支社・支店では、2018年1月よりテレワーク(在宅勤務制度)の試験運用を開始した。利用上限は月5回、育児・介護等の理由によらず利用可能とし、2019年2月までに33名が利用した。利用者とその上司を対象にアンケートを実施したところ、「通勤時間の削減により心身の負担が軽減された」「テレワークをきっかけに計画的に業務を行うという意識が高まった」等の肯定的な意見が多く、今後本格導入を予定している。
・ここ1年間で、宅建を取得する営業社員が増えている。プライベートの時間を有効活用した結果を業務に活かすことができるというメリットもあり、そのような事例の発信も行っていきたい。

(H31.3)

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