三新化学工業株式会社

事例カテゴリ

  • 年休取得促進
  • 計画的付与制度
  • 時間単位年休
  • 特別休暇

企業情報

三新化学工業株式会社
企業名
三新化学工業株式会社
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所在地
山口県柳井市
社員数
130名(継続雇用者を含めると150名)
業種
製造業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・労働時間制度:工場は3交代のシフト制(週休2日となるよう調整)。
・所定労働時間:常日勤は7時間30分(8:40~17:30)。工場勤務の48名は4直3交代で、就業時間は1直が8:40~16:40、2直が16:40~0:40、3直が0:40~8:40(所定労働時間は7時間)。
・7月21日から9月20日までサマータイムを導入。終業時間を17:00として、所定労働時間を30分短縮。
■休暇関連
・年間所定休日:131日(完全週休2日制、祝祭日、年末年始4日、指定有休5日(夏季休暇に充当))
・年次有給休暇制度は半日での利用も可能。

働き方・休み方の現状と課題

1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・残業時間は昨年のデータで月平均2時間1分。新しい設備の導入があったため、特別に多かったが、通常はもっと少ない。
・休日出勤日数は全社平均で0.5日。公出時間は2時間37分。技術部工務課で多い。休日に設備に異常があった場合等にサポートするケース。
・深夜残業については0時間21分。
・労働時間の偏りは、営業関係と製造部が多い傾向にある。昨年については技術部も労働時間が長くなった。技術部では、一番長い人で13時間。製造では一番長くて10時間だった。

2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)

・サマータイムは、40年ほど前に現会長(当時社長)が導入した。夏の間は海に行く等、遊ぶことを奨励したものである。
・年間休日数も多い。家族と一緒に食事を取ることを奨励する経営者の発想がある。
・両立に関しては、育児休業取得者が直近で1名いた。元々女性社員が少なく、全体で11名ということもあり、あまり利用者はいない。
・両立支援としては、介護休業へのニーズを想定している。介護に関する休暇については法律にあわせて見直しを行ったところである。

3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・年次有給休暇の取得が少ないのは本社で、取得率は50%となっている。研究所は77%。平均の取得率は8割となっている。
・製造現場は取得率が高く8割を超えている。見込み生産の会社なので、生産計画が作成されており、休みやすいという特徴がある。一方で営業や研究等、相手方がいる部署は取得率が低くなっている。
・入社歴が若い社員でも休暇を取りやすい。文化、風土となっている。ユースエール認定制度を3年連続で受けている。新卒者の3年間での離職は、高卒・大卒ともにいない。
・部門長や管理職が部下に休暇を取るように声をかけている。管理表等で取得状況を管理しているわけではない。

4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)

・若い社員からは、休暇が取りやすくてありがたいという声が多い。
・中途入社社員への休暇付与についても、部門長が関心を持っていて、声掛けが盛んに行われている。
・また、年間の何週かは土日に休みをつけて、週休3日にしているケースが多い。
・当社は人事異動があまりない。経理であれば5・10日を避ける等、この仕事ならこのタイミングで有休が取れる、ということが伝承されている。ただし、希望する休暇日を早めに言ってもらえれば、職場全体でカバーすることができるため、希望日に休暇を取得することもできる。

休暇取得促進に係る取組

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・働き方・休み方改善について、特段の情報発信は行っていない。ただし、社員の休暇取得推進のメッセージを社長が常々発信している。例えば、年に数回行う全体朝礼や、管理職会議、安全衛生委員会等でも触れられることが多い。
・なお、入社の際にミスマッチを防ぐため、2~3時間をかけて工場見学を行っている。その際、年間休日数が多いことや有休の取得率が高いことを伝えているので、意識づけができているのではないか。
・また、入社3か月以内に社長を含めた懇親会を行うが、その場でも社長だけでなく先輩からも、しっかり休暇を取得するよう話している。

2 導入している休暇関連の制度及び取組内容

・有休取得率は8割であり、アニバーサリー休暇等を特別に作る必要はないと考えている。
・半日有給休暇制度については、有効に使っている社員もいる。

3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫

・有休を取得する場合には、前もって早目早めに申請し、仕事の受け渡しを行っている。他の人がどのような業務の状況であるかということも分かっている。人数も少なく、業務がルーチン化しているところもあるため、対応できるという面もある。
・今年の1月4日は、営業からの要請で勤務日とした。社長も年始朝礼に出たが、工場はまだ稼働していないため、休みを取っていいですよ、というアナウンスを事前に行っている。

4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)

・会長からも、家族との時間を取るよう話をすることがある。年に2回くらいは、家族と食事を取っているか、と言った話をしている。
・会長は、取引先のヨーロッパ等、海外に出かけることが多く、そこで影響を受けたのではないか。海外での働き方が日本でも実践できないのか、というお考えなのではないか。
・明日できることは明日やる、という社内の共通言語がある。業務上必要な残業かどうかはきちんと皆が見ており、メリハリを持った働き方が推奨されている。

休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)

・若い頃から休暇を取得することが当たり前となっていて、先輩は後輩にも同様に対応する。風通しがよくなっている。
・新卒、中途採用者いずれも離職率は低い。ただし、採用については厳しい状況である。
・健康に関する啓蒙もいろいろと行われている。朝の体操と、その場で3分間駆け足を行うことを、40年間行っている。最近、会長の話は、健康と休暇を取得することが中心である。昨年には、会社として協会けんぽの健康宣言も行っている。

働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望

・有休休暇の取得についてはまだ偏りがあるので、アニバーサリー休暇のような名称をつけて取得を促す等、有休をなかなか取れない人が取れるような制度は検討していきたい。
・営業がなかなか休暇を取得できていない。前向きな意味で休暇を取得できることを進めていきたい。
・営業は専務除くと本社3名の体制。人数が少ないということもある。求人もかけているが。海外との取引もあり、時差もあり、休暇取得が厳しい状況ではある。

(H31.3)

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