株式会社日立ソリューションズ

事例カテゴリ

  • 年休取得促進
  • 計画的付与制度
  • 時間単位年休
  • 特別休暇

企業情報

株式会社日立ソリューションズ
企業名
株式会社日立ソリューションズ
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所在地
東京都品川区
社員数
4,713名
業種
情報通信業
労働時間・休暇制度
■労働時間関連
・労働時間制度:フレックスタイム制(入社1年目除く)
・主任相当以上は裁量労働制が適用されている。
・所定労働時間:7時間45分(通常の労働時間は9:00-17:30)
■休暇関連
・年間所定休日数:126日
・リフレッシュ休暇(特別休暇)あり

働き方・休み方の現状と課題

1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・2006年から時短推進活動を実施しており、働き方の改善に努めていた。
・2015年に組織再編があり、当時の社員の半数がグループ他社に異動となった。漠然とした不安感が社員から感じられたこともあり、モチベーション・モラルアップ施策のひとつとして、働き方改革への取組を始めた(取組詳細は後述)。
・働き方改革を進めた結果、所定外労働時間は2017年度実績で月平均22.6時間であった(管理監督者を含む)。80時間以上/月の残業発生率も大幅に下がり、メンタル罹病率も大きく改善した。営業利益率も1.8倍以上に伸びており、顧客満足度も上がっている。
・しかし、月の所定外労働時間が80時間を超える社員が若干名いる。

2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)

・働き方改革を実施し、一定の成果も上がってきた。これから先、どのように一歩踏み込んだアプローチをし、さらなる成果を挙げていくかが課題(詳細は後述)。

3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)

・働き方改革を進めた結果、年次有給休暇の取得も進み、昨年度の年次有給休暇の取得率は75%程度。管理職を含む1人あたりの平均取得日数は18.4日。

4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)

・年次有給休暇については、5日未満の取得者が若干名いる
・10年前は月に1日の定期的な年次有給休暇取得は一般的ではなかったが、働き方改革を始めてからは意識が変わり、年次有給休暇を取得しないと指摘されるようになった。しかし、自律的に休むことに慣れていない社員も依然多いと感じる。

休暇取得促進に係る取組

1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制

・2016年度より、「カエルキャンペーン もっと!」を実施し、「働き方改革」という言葉もこの時から使用するようになった。①もっと柔軟な働き方、②もっと早くカエル、③もっとコミュニケーションをテーマにしている。
・当社の働き方改革のコンセプトは、個人の幸せと企業の成長の両方を実現していくこととしている。
・働き方改革は、トップダウンで進めることが重要という認識から、社長から社員へのメッセージを発信することから始めた。社長からのメッセージは、社員に向けて書面で発信した。その他、社員の家族や顧客にもメッセージを発信して、理解と協力を求めた。
・社長のトップメッセージを受けて、事業部毎に事業部長がメッセージを発信し、社内イントラネットでも全社員がみられるよう、各メッセージを紹介した。
・社員の家族に向けたメッセージでは、会社から家族へ手紙を送付した。働き方改革の推進には家族の協力も必要不可欠であると考え、家族から見て社員の働き方が心配されるケースがあれば会社に伝えてもらうようお願いをしており、会社ウェブサイトにて、家族からの投書を受け付けられるようにしている。会社側からは見えない部分の問題等を把握するよう努めている。
・社内のデザイナーに協力してもらい、「カエル」のキャラクターを制作。デジタルサイネージやポスターを利用した社内広報も展開した。
・顧客に対しては、営業部門の幹部が取引先に直接赴いて、自社の取組の説明をしたうえで、働き方改革への理解と協力を得ている。
・働き方改革の推進は労政部が主導している。設備の整備が必要であれば総務部が担う。年に1度行う従業員調査の結果をみて、注力すべき課題を洗い出し、施策を打ち出している。また、事業部ごとに「仕事のムダ取りワーキンググループ(WG)を実施し、事業部主導で業務削減等の検討をしている。WGは、推進役を事業部主導でたててもらい、事務局と各事業部の主任クラスで推進している。現場の若手・中堅社員の意見や要望を日々の仕事の進め方に反映し、成果を成果発表会という形で共有している。
・働き方改革を徹底して推進するために、インセンティブの導入も実施している。具体的には、本部別に平均残業時間削減率/月イチ年休取得率(月に1日以上/半期に6日以上取得した人の率)/長時間残業者(45時間超)削減率の指標を本部別にポイント化し、ランク付けを行い、インセンティブとして本部に還元している。還元は、カフェテリアポイントに追加付与する形で実施している。
・年次有給休暇については、平準化をはかるため、本部内の平均日数で評価するのではなく、期に6日以上取得できた人が何割いるか、で評価した。この指標は、事業部の中でも、年次有給休暇取得状況のばらつきを解消するメッセージとして活用している。
・現状では、平均残業時間や長時間残業者は、「削減率」を指標にしているが、残業の削減フェーズが終わったら、削減率でない指標を検討する必要があると考えている。また、閾値は営業部門/事業部門/スタッフ部門別に異なるものを設けている。
・年次有給休暇の取得の促進を含めて、働き方や休み方を変えるためには、トップや役員・管理職から働き方・休み方を変えていくことが重要との認識から、人事部門が各部の部長や課長に対して、率先垂範して年次有給休暇を取得するよう呼びかけている。幹部の率先した年次有給休暇の取得を促すため、役員や管理職の年次有給休暇の取得状況を社内に公開している。

2 導入している休暇関連の制度及び取組内容

・年次有給休暇は、大半の社員は24日/年付与。そのほか、入社10年目以降、5年刻みで、年5日の勤続休暇が付与されるリフレッシュ休暇(有給)もある。
・年次有給休暇の20日取得を目標としている。夏休みの5日間を計画年休として設定しているほか、年度に3日間、社員個人が選択して計画的に休むようにしている。ほかに、月に1日の休暇を取得することで、年間20日を達成させたいという思いがある。尚、残業時間の目標値は20時間で設定している。
・自律的に休むことに慣れていない社員が依然みられるため、年末の納会を1日前倒しにしたり、毎月第2金曜日および最終金曜日(いわゆるプレミアムフライデー)を、年次有給休暇の取得推奨日としている。会社から「休みましょう」というメッセージが発信されれば、休みやすいようだ。
・トップが言えば休んでもらえると実感している。また、部長や課長が率先垂範して休むように、労政部からも依頼している。

3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫

・働き方改革全般についてだが、トップダウンをどれだけ打ち出せるかがポイントだと実感している。トップが強くメッセージを出すことで、機運が高まるきっかけになる。まずはトップメッセージの出し方を工夫するとよいのではないか。

4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)

・一部の事業部では、バディ制度を採用している。そのため、1人で仕事を抱え込んでしまい休みをとれなくなる、ということが起きにくい。
・デジタルサイネージ(社内掲示板)、社内でのチラシの配布、ポスター掲示、社内報、イントラネットなどを利用して休み方について周知を行っている。
・会社以外の生活を豊かにすることも、今後の取組に加えたいと思っている。例えば、自己啓発支援や、婚活支援などもできないかと考えている。

休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)

・休暇促進を含む働き方改革の効果は、いろいろな視点で見るのがよいかと考えている。モラルサーベイでは、会社への誇り、エンゲージメント、コミュニケーション、など各項目を広くみており、全体平均が改善されつつある。
・休暇をとりやすくなった、などポジティブな声が聞こえるようになった。

働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望

・取組が一定程度進んできたところであるが、さらに改善を進めるためには、仕事の仕方を抜本的に変えなければならないという声があがっている。
・現在は顧客に理解を求める段階であるが、今後は顧客を巻き込んで働き方・休み方の改善をする段階になると考えている。
・今後は、働き方改革をさらに進め、社員の幸せの向上を図るとともに、当社ソリューションの認知度向上や、実践結果を事業につなげる取組も実施していきたい。

(H31.3)

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