ポリプラスチックス株式会社
事例カテゴリ
- 年休取得促進
- 計画的付与制度
- 時間単位年休
- 特別休暇
企業情報
企業名 |
ポリプラスチックス株式会社
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所在地 |
東京都港区
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社員数 |
859人(単体。連結では2,093人)※2018年12月末時点
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業種 |
化学工業
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労働時間・休暇制度 |
■労働時間関連
・労働時間制度:フレックスタイム制(交替勤務部門を除く)。 コアタイムは部門によって異なる(本社10:15~15:10) 。 ・所定労働時間:7時間40分 ・子どもが小学校3年生を終了するまで短時間勤務制度の利用が可能。 ■休暇関連 ・年間所定休日数:126日(左記日数は2019年度実績:夏季休暇・年末年始休暇を含む)。休日数は固定ではなく、完全週休二日制で、祝祭日はカレンダー通り休日。年末年始は、12/31~1/3に土日が含まれる場合は、含まれる土日の日数を、年間所定休日数にカウントしている。 ・介護休業は対象家族1人につき原則として通算365日間、介護休暇は1年間に20日まで取得可能。 ・失効した年休を私傷病療養休暇に転換し、半日単位で利用できる制度がある。 |
働き方・休み方の現状と課題
1 働き方の現状(平均所定外労働時間、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・所定外労働時間は、全社平均が1か月あたり24.3時間(幹部職を含めた値)。
・工場では、9月末から10月にかけて定期保守・点検期間があり、その時期は保守点検部門の人員に負荷がかかる。また、経理は4半期決算の関係で、4か月に1回繁忙期がある。それ以外の部署では、突発事項がない限り、大きな山谷はない。
2 働き方に関する課題(労働時間の長さ、時間や場所の柔軟化、育児・介護等との両立者の働き方等)
・労働時間に関しては、過度な長時間勤務を防止することが重要と考えており、幹部職も含めた全員の労働時間を、当社が独自に設定した上限の範囲内に収めることが課題。
・働く時間と場所に柔軟性を持たせることで自律的・効率的な働き方を促進し、ポリプラ流働き方の実現に資することを目的に、条件(自律的に業務遂行できる、テレワークに適した業務を担当している、勤続6か月以上)を満たす社員を利用対象とし、2019年度よりテレワークを本格導入。事由の制限は特になく、上限は月8回までとしている。事前申請制で、テレワークを実施する場合は、個人に貸与されているパソコンを持ち帰って業務に使用する。
・テレワーク導入に伴い、サテライトオフイスとの契約も行っている。
・2015年に仕事と生活の調和を目指し、WLBに関するトップメッセージを発信するとともに、育児・介護関連制度の全面見直しを実施した。育児・介護等との両立についての意識は徐々に高まってきているが、更に向上させて働きやすい職場にすることが課題。例えば、育児短時間勤務制度利用者の内、申請通りに勤務できていないケースがみられたため、上司及び本人と個別面談を実施し、仕事の割り振りを変えるなど、解消に向けた地道な活動を実施。
3 休み方の現状(平均年次有給休暇取得率(日数)、部署や職位、時季等による偏りの有無等)
・直近の年次有給休暇取得率は約82%(前年約85%)で、会社目標である80%以上を維持。管理職と一般職は、ほぼ同じ水準である。
・部署ごとの偏りをみると、工場の各部門は従来から年休取得の意識が高く、95%超の部門もある。一方、営業系・事務管理系や海外駐在員の取得率は低い傾向にある。
・年休の取得率を定期的に部門長に報告することや、昨年同時期との比較、部署別の取得率(取得率の順に並んでいるデータ)などを全社公開することで取得を促している。
・年5日取得が義務化されるにあたり、半年間で有休取得日数が極端に少ない従業員に対しては、会社から時季指定することもあり得るということを、あらかじめ社内にアナウンスした。また、部門長に、前年度の取得日数が年5日以下の従業員のリストを送付し、法改正の内容を含めて呼びかけを行ってもらった。
4 休み方に関する課題(休暇取得日数、連続休暇取得状況、希望する時季での休暇取得の状況等)
・全社の取得率は向上傾向にある一方で、取得の少ない従業員が少なからず存在している。
・また、海外駐在員は年休取得率が低い傾向にある。多忙もあるかもしれないが、海外駐在員には別途一時帰国の特別休暇があるため、そちらを優先利用しているということが考えられる。
休暇取得促進に係る取組
1 働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する方針・推進体制
・2016年4月に策定した女性活躍推進法に基づく行動計画で、年休取得率の目標を80%以上と定めた。年休取得推進の取組みをスタートした当時が75%、その後は81%、85%、82%で推移している。
・取組を進める上で、実務レベルでの管理や運用が煩雑になるのを避けるため、可能な限りシステムを導入し、効率化を図っている。
2 導入している休暇関連の制度及び取組内容
・失効した年休を、私傷病療養休暇に転換できる制度がある。当初は一定期間以上の療養の際にしか利用できなかったが、2年前から、通院でも使えるよう、半日単位での利用も可能とする制度変更を行った。
3 休暇取得促進に係る課題(取組を進める上での失敗談など)及び改善に向けた工夫
・年休促進日を増やした際には「その日は業務の都合で休めない」「子どもが熱を出した時のために年休を残しておきたい」という意見があり、年休の取得促進には個別の事情も勘案しなければならないと考えている。施策の検討は人事部が行うが、制度の周知や休暇取得促進のための啓発については、総務部と連携し、人事部発信だけではなく、広報を活用するなどの伝えるための工夫をこらしている。
・育児休業の取得促進のため、最初の5日間を有給としている。育休取得率は、女性が100%、男性については2015年度は62%、その後76%、53%、77%で推移しており、全国平均と比較しても非常に高い水準だが、男性についても90%以上取得となることが目標である。
・そこで、男性の育休取得者の体験を簡単なレポートにまとめてもらい、全社に公開することで、取得の促進に関する啓発を行っている。レポートは無記名でもよいこととし、この4年間で40名の男性社員が協力してくれている。
・介護休業の実績はまだないが、制度のアナウンスは積極的に行っており、特に制度を大きく変更した際には、全国の拠点をまわって、直接説明する機会を設けた。また、社外講師を招いてのセミナーも開催しており、配布資料や説明会の動画も全社掲示板にアップしている。
・ただし、社内アンケートでは介護に不安がある社員の割合が高い反面、セミナーにはあまり人が集まらない。介護セミナーは希望者のみを対象としているため、おそらく、自分事として意識している社員がまだ少ないことが推察される。
4 社員の休暇の質を高める取組(休暇の事前計画、休暇中の連絡ルール等、安心して休むための工夫、休み方のアドバイス、自己啓発・家族との時間の確保等)
・全社員向けに毎月発行される「広報ニュースメール」を情報発信媒体として活用する等、様々なアイデアで休暇取得に対する意識啓発を行っている。
・また、広報ニュースメールでは、「年休を取ってどんなことをしたか」を尋ねるアンケートを実施し、その中から3人の事例を紹介した。広報のアイデアで、紙面はLINEのようなイメージでデザインし、写真も掲載して、楽しそうな雰囲気で紹介した。また、アンケートの集計結果も掲載し、事例以外の年休の使い方も周知できた。
休暇取得促進による効果(職場における変化や、社員満足度への貢献等)
・年休をしっかりと取得するという意識は工場以外の部門ではそれほど強くはなかったが、年休取得促進の取組を強化してからは、自然と取得が進んでいる。
・失効年休を積立てて長期の療養が必要な場合に利用できる休暇を、私傷病療養休暇として制度変更し、半日単位で利用できるようにしたことで、ちょっとした体調不良ではそちらの休暇を利用し、年休は本当のリフレッシュのために利用するという使い分けが進んでいると思われる。
働き方・休み方改善(特に休暇取得促進)に関する今後の展望
・経営陣・労働組合との議論を経て、当社が目指す働き方を『ポリプラ流働き方』として策定し、2018年11月に全社に発信した。
*ポリプラ流働き方が目指す姿 ⇒“一人一人が幸せを感じながら働く”
・その中で、当社流の働き方を実践する従業員を応援し、必要な施策を展開していくことを謳っており、取組施策の一つとして、働く時間と場所のフレキシビリティ向上を目的に、2018年12月~2019年3月まで、テレワークのトライアルを実施。トライアル結果を検証・分析したうえで同年4月より、制度化を行った。
・導入後、7月にテレワークについて社員アンケートを実施し、運用面で困っていることなどを聴取した。テレワークを行う従業員の上司が、マネジメント面で不安を感じているとの結果がみられたため、今後はそうした不安を取り除くための取組も検討していく。
・休暇取得に関しては、部門別取得実績の公開を引き続き行うとともに、取得率の低い従業員に対する打ち手を検討していく。