鈴与シンワート株式会社

(1)企業概要

社名
鈴与シンワート株式会社
PDF
業種/事業概要
情報通信業
従業員規模
587名(内、正社員567名)※2018年3月時点
本社所在地
東京都
労働時間制度
・労働時間制度:通常の労働時間制、フレックスタイム制(管理部門、事業部門の技術職)、1か月単位の変形労働時間制(データセンターのオペレータ業務従事者(数名)、昼夜3交替制勤務)
・標準始業終業時刻:9:00から18:00(休憩60分)
・標準所定労働時間:8時間
・年間所定休日数:124日

(2)働き方・休み方改善に関するこれまでの取組と指標活用のきっかけ

1)これまでの取組

社長名での休暇取得メッセージの発信や衛生委員会の中での長時間労働に関する審議等を実施している。また、同業他社で集まり、長時間労働抑制や働き方解改革に関する議論を進める動きもでてきている。

2)「働き方・休み方改善指標」活用のきっかけ

一部の事業部では他社と共同でのシステム開発プロジェクトへの参画のために顧客先等に長期間常駐している技術者も多く、勤務状況の把握や働き方・休み方改善の取組を推進しづらい特性がある。このような特性を持っていても改善可能なノウハウを得て、実行に移していきたい。また、働きやすさを感じられる職場環境を醸成していきたい。

(3)働き方・休み方に関する現状・課題意識

1)人事部門の課題認識

全社一般職員(管理職除く)の所定時間外労働の平均は24時間程度であるが、個人による残業時間の差や、部門による残業時間の差が大きい。特に顧客先等社外に常駐して働く者は、プロジェクトの佳境に入ると労働時間が長くなり、(労働時間等に関する)裁量が持ちづらい部分もある。また、人事給与パッケージソフトの導入や顧客業務支援(BPO)を受託する部門の社員は、同時に複数の案件を持っており、対応が重なる11月~年度末等に業務が集中する。

2)仕事特性と働き方・休み方の現状・課題

①組織体制
・事業部門は、システムインテグレーションカンパニー、ソリューションカンパニーに分かれており、その他、経営企画部門やシェアードサービスカンパニー(総務・人事・経理等)がある。
・システムインテグレーションカンパニーは、主に民間企業や官公庁のシステム開発業務等を請け負い、プロジェクトごと社外に常駐して働くことも多い。
・ソリューションカンパニーは、主に人事給与や財務会計、情報系のパッケージソフト導入やBPOの受託、データセンターサービス・クラウドサービスの提供等を担う。

②働き方
【部門ごとの働き方】
(システムインテグレーションカンパニー)
・システム開発等のプロジェクトの佳境になると労働時間が長くなる傾向。
・受託業務の遂行に必要なデータは情報セキュリティ上、顧客事務所等から持ち出せないことが多く、顧客先等の社外で業務に従事する形が多い。その場合、頻繁には会社に戻れないこともある。
・労務管理上、健康管理上必要な場合には納期の調整や労働時間のコントロールを営業を通して顧客企業にお願いするようにしている。最近は顧客企業の働き方に対する意識も高まってきており、依頼は比較的受け入れられやすくなってきた。

(ソリューションカンパニー)
・基本的には社内で開発業務や顧客支援業務に従事している。
・特に人事給与パッケージソフトの導入・サポート等を担っている部門は、人事制度変更や法対応に伴うプログラム更新、年末調整対応等が発生する。1人の社員が同時に複数の案件を担っており、11月~年度末にかけて各案件の対応が重なる。また、問い合わせ対応は通年で発生する。主担当・補佐の2人体制にしているが、お客様の制度を熟知しているのは主担当になる。また、電話やメールの問い合わせ先も分散される仕組みにはしているが、結果的に集中することもある。
・2017年度、1事業部では開発・導入を担う部門と顧客サポートを担う部門に分離、開発・導入担当と保守・サポート担当を分ける試みを行っている。

(各カンパニー 事業部内の営業職)
・営業部門は原則、各カンパニーの事業部ごとに置く形にしており、営業職は、7事業部で合計30人程度。事業部によって営業部の人員規模は異なる。
・営業職の働き方は、カンパニーによって異なる。新規開拓中心の営業もあれば、引合を受けた案件の契約やプロジェクトの管理業務中心の営業もある。
・営業職は直行直帰が多い。通常の労働時間制をとっており、フレックスタイム制や事業場外みなし制にはしていないが、直行直帰等は柔軟に運用されている。月に1回の営業部内ミーティングや必要に応じて適時に打合せをしたりしているため、コミュニケーション上の支障はない。営業職についてもテレワーク制度のルール化を進めている。

③休み方
・2015年度よりはがきサイズの「休暇取得管理表」カードを全社員に配布している。表面には、社長名でのワーク・ライフ・バランス推進のメッセージや「ポジティブオフ運動」の宣言を記載し、裏面の「休暇取得管理表」は、「ポジティブ休暇(2日):通年(4/1~3/31)で取得可能」、「夏季特別休暇(2日):7/1~9/30に取得」、「年次有給休暇」の枠を設け、取得予定日を各自が書きこめる形にしている。各自で休暇予定日を見える化し、管理できるようにすることで取得を促すのが狙い。
・管理職の年次有給休暇取得は、一部に正確な勤怠の記録ができていない社員もおり、一般職よりも低いように見受けられる。

④マネジメント
【トップの意識・組織風土/業界内での意識】
・前述の通り、「休暇取得管理表」カードの表面で、社長名でのワーク・ライフ・バランス推進のメッセージや「ポジティブオフ運動」の宣言を記載している。
・業界内でも、働き方改革についての意識が高まってきており、同業他社が集まって「働き方改革」に関するタスクフォースを立ち上げ、議論を始めている。
【労働時間についての制度等】
・通常の労働時間制、フレックスタイム制(管理部門、事業部門の技術職)、1か月単位の変形労働時間制(データセンターのオペレータ業務従事者(数名)、昼夜3交替制勤務)を導入している。
・勤務時間はWeb勤怠管理システム上で自己申告をする方式で管理している。
・社内では、36協定超えの状況と、健康管理時間(実労働時間と法定労働時間の差)の毎月の状況を確認している。

⑤その他
【異動・育成】
・事業部間の異動は少ない。今後は人材育成の観点で部門間の人事異動を活性化させていく。
・ある部門では、若手の意見交換会を実施したりもしている。軌道に乗れば、事業部単位や事業部を跨いだ意見交換会ができる可能性もある。
【女性活躍の状況】
・女性活躍推進については、事業部長層向け研修等での意識啓発を実施している。部長・担当部長・上席課長クラスにも広げていく予定。
・ここ数年、女性の育児休業取得とその後の復職率100%が続いており、子どもを持つ女性も増えてきている。特に短時間勤務制度を利用している社員のプロジェクトでの働き方や、活躍推進は今後の課題。

(4)「働き方・休み方改善指標」診断結果

働き方・休み方に関するアウトプット指標
ポジションマップ
ポジションマップ
レーダーチャート
レーダーチャート
<レーダーチャート>8つの指標得点詳細
働き方
休み方
「働き方・休み方改善指標」による診断結果は以下のとおり。
【働き方】

週労働時間60時間以上の雇用者の割合(一般職員)は2.55%であった。

→全国の雇用者の平均値である7.8%(社員規模100人~999人のカテゴリ)及び、国の定める目標値5.0%をともにクリアしている。※

(その他働き方に関するデータ)
・非管理職の平均所定外労働時間数:
全社一般職員(管理職除く)の所定時間外労働の平均は24時間程度
・繁忙期(※)に36協定で定める労働時間の延長の限度基準である1か月45時間を超える社員(一般職員)の割合:9%程度)。

レーダーチャートの項目では、以下項目が低め。
・項目2 <改善推進の体制づくり>指標
・項目4 <改善促進のルール化>指標
・項目5 <意識改善>指標
・項目7 <仕事の進め方改善>指標
・項目8 <実態把握・管理>指標

【休み方】

年次有給休暇取得率は全社員(一般職員)平均61%であった。

→貴社の年次有給休暇の取得率は、主要産業の平均値である45.9%(社員規模100人~999人のカテゴリ)はクリアしているが、国の定める目標値70.0%には達していない。※

レーダーチャートの項目では、以下項目が低め。
・項目2 <改善推進の体制づくり>指標
・項目3 <改善促進の制度化>指標
・項目4 <改善促進のルール化>指標
・項目5 <意識改善>指標
・項目6 <情報提供・相談>指標
・項目7 <仕事の進め方改善>指標

<全体傾向>
・働き方については、2017年9月の週60時間以上の労働者(一般職員)の割合は2.55%であり、時間外労働が突出的に多い一般職員は少ないものと考えられる。しかし、繁忙期の働き方には課題がある可能性がある。また、8つの指標において、<意識改善>指標や<仕事の進め方改善>指標は特に低めに出ている。働き方に関する意識向上の施策や、仕事の進め方の改善は今後の課題であると考える。
・休み方については、年次有給休暇取得率(一般職員平均)は61%と比較的高めであり、データ上では大きな課題は見受けられない。しかし、管理職の有給休暇取得率が低めになっている可能性がある。また、8つの指標においては、<改善促進のルール化>指標や、<意識改善>指標、<仕事の進め方改善>指標は特に低めに出ている。休みを取得しやすくするための制度の検討や、意識向上、仕事の進め方の改善は今後の課題であると考える。

※年次次有給休暇取得率は、2016年4月~3月実績、週労働時間60時間以上の雇用者の割合は、2017年9月実績で算出した。
※いずれの値も管理職を除く一般職員の値で算出しているため、全国平均値/主要産業のとの比較は参考としておとらえいただきたい。
※全社一般職員(管理職除く)の平均所定外労働時間数は、2016年4月~2017年3月実績で算出。繁忙期に1か月45時間を超える社員(一般職員)の割合は、2017年1月~3月の実績を基に算出。

(5)課題の整理と改善提案

働き方・休み方に関する課題の整理と改善提案は以下のとおり。

指標項目
現状と課題
対策案
System(システム)
項目2
改善・推進の体制づくり
長時間労働の抑制や年次有給休暇取得を促進するための組織の明確化が十分にできていない
・長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化
・労働時間や休暇取得に関する相談窓口の設置
項目3
改善促進の制度化
休み方の選択肢を増やしたり、休みを取りやすくしたりする制度の導入等が十分にできていない
・業務繁閑に応じた休業日の設定
※常駐先で勤務するケースもあるため、困難か
・誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする休暇制度の設定
・時間単位での年次有給休暇制度の導入
・5営業日以上の連続休暇制度の導入
項目4
改善促進のルール化
働き方について、長時間労働を抑制することにインセンティブが働く仕組みが十分でない
・部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課に盛り込む
・残業を行う際の手続きを厳格化
休み方について、年次有給休暇の取得にインセンティブが働く仕組みが十分でない
・部下の年次有給休暇の取得を管理職の人事考課に盛り込む
・管理職に部下の年次有給休暇の取得状況の把握・管理を義務付ける
Action(アクション)
項目5
意識改善
働き方について、長時間労働を抑制する意識を高める取組が十分実施できていない
・長時間労働の抑制に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
・長時間労働抑制のための周知・啓発(ポスター等の掲示、成功事例の社内報への掲載等)
・退勤時刻の終業呼びかけ、強制消灯
※常駐先で勤務するケースもあるため、困難
休み方について、年次有給休暇を適切に取得する意識を高める取組が十分実施できていない
・年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
・年次有給休暇取得促進のための周知・啓発(休暇取得の事例紹介等による休暇取得の雰囲気の醸成等)
項目6
情報提供・相談
休み方について、休み方の改善につながる情報提供や相談を十分実施できていない
・制度の利用促進のための情報提供(年次有給休暇がもたらすメリット等)
・年次有給休暇の取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取得奨励
※取得率に個人毎のバラつきがある場合は、上司に対して働きかけを実施
項目7
仕事の進め方改善
働き方・休み方について、長時間労働の抑制や、年次有給休暇などの取得しやすさにつながる業務改善が十分実施できていない
・休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
・長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し
・業務計画、要員計画、業務内容の見直し
・長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした目的とした取引先との関係見直し
Check(チェック)
項目8
実態把握・管理
働き方について、労働時間に関する実態が十分に把握できていない
・社員の働き方や労働時間に関する意識や意向の定期的な把握
・タイムカードやICカード等の客観的な方法による労働時間の管理・把握

(6)初回訪問時の提案と検討内容

「働き方・休み方改善指標」に基づく提案をベースに、具体的な取組テーマの検討を実施した。提案内容および検討経緯は以下のとおり。

1)トップのコミットメントと推進体制の構築

①トップのコミットメント
社内での働き方改革で目指す目的等についての議論を進めたうえで、これらの内容を反映したトップメッセージを発信することを提案した。数値目標の設定は必要に応じて検討。
②会社全体の推進体制 
社内で今後中長期的に働き方改革を実施するに当たり、推進体制づくりを検討することを提案した。

2)今回のモデル取組における推進体制

①対象部署の設定
②対象部署におけるプロジェクトリーダーの設定
③コアメンバーの設定
今回は、全社を対象とした取組について人事部門で検討する。

3)中長期的な取組(制度・ワークルールの見直しや業務改善方針の設定等)

「働き方・休み方改善指標」に基づいて、考え得る提案内容は以下の通り多岐にわたったが、課題意識等を踏まえ、社員の働き方や労働時間に関する実態・意識の把握や、今後の推進体制の構築等について、重点的に提案を行った。詳細は検討経緯参照。

①長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化
②労働時間や休暇取得に関する相談窓口の設置
③誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする休暇制度の設定
④時間単位での年次有給休暇制度の導入
⑤5営業日以上の連続休暇制度の導入
⑥部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課に盛り込む
⑦残業を行う際の手続きを厳格化
⑧部下の年次有給休暇の取得を管理職の人事考課に盛り込む
⑨管理職に部下の年次有給休暇の取得状況の把握・管理を義務付ける
⑩長時間労働の抑制に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
⑪長時間労働抑制のための周知・啓発(ポスター等の掲示、成功事例の社内報への掲載等
⑫年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
⑬年次有給休暇取得促進のための周知・啓発(休暇取得の事例紹介等による休暇取得の雰囲気の醸成等)
⑭制度の利用促進のための情報提供(年次有給休暇がもたらすメリット等)
⑮年次有給休暇の取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取得奨励
※年次有給休暇の取得率に個人毎のバラつきがある場合は、上司に対して働きかけを実施
⑯休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
⑰長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し
⑱業務計画、要員計画、業務内容の見直し
⑲長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした目的とした取引先との関係見直し
⑳社員の働き方や労働時間に関する意識や意向の定期的な把握
21タイムカードやICカード等の客観的な方法による労働時間の管理・把握
22(追加提案)営業職の働き方についての検討
営業職に期待する役割や働き方について、検討を実施する。

検討経緯

①~②:現在、労働時間の36協定超えの状況に関しては衛生委員会で審議をしているが、労働時間だけでなく、休暇取得状況についても併せてモニタリングできる体制の明確化を今後中長期的に検討することになった。

③~⑤:休暇については、まずは年末年始にまとまった休暇を取得することを短期的取組として実施することになった。(詳細後述)。

⑥~⑭:残業や長時間労働抑制、有給休暇取得促進の具体的な取組内容は、今後検討することとなった。また、取組内容の検討に先立ち、まずは社員の日々の働き方・休み方の実態や課題、プロジェクトでの業務状況等を把握することになった(⑳)。把握の方法として、社外常駐者も含めた全社員を対象としたアンケートと、一部の若手社員を対象としたヒアリングの両方を実施することにした。

⑱~⑲:中長期的な取組として、同業他社との議論や顧客企業との協議を引き続き実施していく。

21:タイムカードやICカード等の客観的な方法による労働時間の管理・把握については、現在検討している入退室記録のログ取得と自己申告時間の照合の自動化、乖離している人へのメッセージについて、引き続き検討を進める。

22:(追加提案)営業職の働き方についての検討
営業職に期待する役割や働き方について、中長期的な取組として、今後検討する。

4)短期的な取組(職場の働き方改革トライアル)

今後、働き方・休み方改革を具体化していくことに先立ち、まずは短期的な取組として「年末年始の連続休暇取得の呼びかけ」を実践することを提案した。

検討経緯

2017年度の年末年始に実施し、課題や効果をアンケートでも把握することにした(詳細後述)。

(7)改善提案の活用

改善提案の検討の結果、今後実施・検討することになった取組は以下の通り。尚、既に取組を始めているものについては、実施状況も併せて記載する。

1)主な取組(トップのコミットメントと推進体制の構築)

①トップのコミットメント
2017年12月に、社長からのメッセージとして、2018年は「健康経営優良法人」にチャレンジすることを宣言した。企業の収益性とワーク・ライフ・バランスの両方を向上させることで、企業価値向上を目指すことをメッセージとしている。単に健康経営優良法人認定を目指すことを掲げたものではなく、①クリーン、②フェア、③オープンであることを土台として、働きやすく働きがいのある会社を全員でつくり上げていくように呼びかけた。

②会社全体の推進体制 
自社内で設立した「ワーク・ライフ・イノベーション委員会」を中心に、来年度以降働き方・休み方改革の取組を具体化していく方向。
「ワーク・ライフ・イノベーション委員会」は、元々会社の中での女性相談窓口として2015年に設立したものであったが、「ワーク・ライフ・イノベーション委員会」と名称を変更してテーマを拡大した。来年度以降、働き方・休み方改革の取組を具体化していく方向である。
・プロジェクトの推進リーダー(委員長):人事部門の女性管理職
・プロジェクトのメンバー:10名(推進リーダー含む)
・プロジェクトのメンバーは、管理職と一般職員を織り交ぜ、各部門から選出することや、男女両方で構成することを意識して選定した。

2)主な取組(中期的施策)

①残業時間・休暇取得に関するモニタリング
長時間労働者について、これまで実施していた毎月の予測のとりまとめ・部門長による対策等に加え、経営会議での議論を以下の流れで実施し始めた。
・毎月9日時点で、非管理職の当月の健康管理時間の予測値を各部門の部門長が把握。
(健康管理時間は当月の実労働時間と法定労働時間の差から計算しており、月末までの予測値は勤怠管理システムから出力)
・36協定で定める限度基準を超過が発生しそうな場合には部門長が対策を講じるとともに、衛生委員会兼36協定協議会に申請書を提出し、労使で審議。
・毎月初めに開催される経営会議では、実際の前月の健康管理時間80時間超/月の社員名、プロジェクト、実績時間を報告、担当役員より各部門の部門長に状況を確認し、対策を講じている。

また、年次有給休暇の取得状況については、半年に1回程度、全社会や職場懇談会等を通じ開示している。
その他、今後管理職の勤怠記録の適性化を進める。
②客観的な方法による労働時間の管理・把握の強化
入退室記録のログを取得し、自己申告時間との乖離が自動的に見られる仕組みを導入する予定。乖離があった場合の通知方法等の運用方法は、現在検討中。

③アンケートと若手ヒアリングの実施
以下の方法でアンケート・ヒアリングを実施する。
・アンケートは、働き方の状況(労働時間・休日の取得状況等)、仕事の進め方、ワーク・ライフ・バランスにおける課題等を聞く形で構成し、全社員を対象にWebベースで実施する。
・ヒアリングは、事業部ごとに若手社員から人選をし、業務において時間や負担がかかっていることや、働き方・休み方改革で力を入れて取り組みたい施策、効率化ができると感じている業務について具体的に聞く予定にしている。併せて、プロジェクトのアサイン・進行や育成に関する意見も聞いていく。
・今後、アンケートとヒアリングの結果をまとめ、実態把握や取組内容検討の参考とする予定。

④同業他社や顧客企業との議論・検討
「働き方改革」の議論を引き続き継続していく。
同業他社と連携し、顧客企業にメッセージも出すことも検討している。

⑤(追加提案)営業職の働き方についての検討
成果を出すために柔軟な働き方をどう活用するか、という視点も含めて議論し、どのような働き方が最適か、引き続き検討を行う。

3)主な取組(短期的施策):年末年始の連続休暇取得の呼びかけ

短期的施策として、「年末年始の連続休暇取得の呼びかけ」を実施した。
①推進体制
・対象部署 :全社
・対象部署におけるプロジェクトリーダー:
・コアメンバー:
⇒今回は、総務人事部より働きかけを行う。
②取組内容
2017年の年末最終出勤日に年次有給休暇を取得するように呼びかけ、所定休日とあわせて7連休の取得を推奨した。呼びかけの実施にあたっては、経営にも事前に了解を取り、年末最終出勤日にイベント等を実施しないように配慮した。

③実施期間
2017年度 年末年始期間

(8)「働き方・休み方改善指標」活用の効果(結果)

今後実施・検討することになった取組のうち、2017年度に効果が確認できたものは以下の通り。

1)主な取組(トップのコミットメントと推進体制の構築)

-

2)主な取組(中期的施策)

⇒総務人事部や「ワーク・ライフ・イノベーション委員会」を中心に、ニーズの把握・取組の検討等を引き続き実施していく。

3)主な取組(短期的施策):年末年始の連続休暇取得の呼びかけ

①主な効果
・年末年始に年次有給休暇を取得する社員が増え、1/3程度の社員が取得した。また、会社全体で連続休暇の取得を奨励したことにより、年末年始に「長めに休める」という雰囲気が広まり、社内のムードが明るくなった。
・これを受けて、来年度はゴールデンウィーク・お盆・年末年始等で所定休日の間にある平日を有給休暇奨励日として設定し、連続休暇取得の呼びかけを実施していくことにした。早めに予定を組めるよう、来年度の予定について2月に全社的なアナウンスを実施した。

②今後に向けての課題・方向性
・今回の短期的な取組の効果・課題については、アンケートでも詳しく把握する予定。アンケートでは、年末年始の連続休暇取得実績のほか、会社より呼びかけがあったことを知っていたか、上司や所属部署から年次有給休暇取得促進の声掛けがあったかを聞き、職場における取組の浸透度を把握できるようにしている。また、取得できなかった場合の理由等も聞き、来年度の取組の参考とする予定。

対策案の提案状況

  働き方 休み方
1.Vision ①方針・目標の明確化
2.System ①改善推進の体制づくり
②改善推進の制度化
③改善推進のルール化
3.Action ①意識改善
②情報提供・相談
③仕事の進め方
4.Check ①実態把握・管理

提案内容の概要

中長期的な取組

  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化
  • 労働時間や休暇取得に関する相談窓口の設置
  • 誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする休暇制度の設定
  • 時間単位での年次有給休暇制度の導入
  • 5営業日以上の連続休暇制度の導入
  • 部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課に盛り込む
  • 残業を行う際の手続きを厳格化
  • 部下の年次有給休暇の取得を管理職の人事考課に盛り込む
  • 管理職に部下の年次有給休暇の取得状況の把握・管理を義務付ける
  • 長時間労働の抑制に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
  • 長時間労働抑制のための周知・啓発(ポスター等の掲示、成功事例の社内報への掲載等
  • 年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
  • 年次有給休暇取得促進のための周知・啓発(休暇取得の事例紹介等による休暇取得の雰囲気の醸成等)
  • 制度の利用促進のための情報提供(年次有給休暇がもたらすメリット等)
  • 年次有給休暇の取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取得奨励
  • 休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し
  • 業務計画、要員計画、業務内容の見直し
  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした目的とした取引先との関係見直し
  • 社員の働き方や労働時間に関する意識や意向の定期的な把握
  • タイムカードやICカード等の客観的な方法による労働時間の管理・把握
  • 営業職の働き方についての検討

短期的な取組

  • 年末年始の連続休暇取得の呼びかけ
(H30.3)

事例を評価する