岩崎通信機株式会社

(1)企業概要

社名
岩崎通信機株式会社
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業種/事業概要
製造業
従業員規模
454名(内、正社員431名)※2017年9月末時点
本社所在地
東京都
労働時間制度
・労働時間制度:通常の労働時間制
・標準始業終業時刻:8:55から17:30(休憩50分)
・標準所定労働時間:7時間45分
・年間所定休日数:125日(2017年)

(2)働き方・休み方改善に関するこれまでの取組と指標活用のきっかけ

1)これまでの取組

2017年度より、全社の業務データを統合するプロジェクトを展開している。2018年度中には実行の予定。

2)「働き方・休み方改善指標」活用のきっかけ

会社として働き方休み方改革の必要性、重要性は十分に認識し、他社事例の研究などを進めているが、どこから手を付けたら良いかといったところで足踏み状態であり手詰まり感があった。一度、第三者の目、専門家の目で分析し、課題を十分に把握、認識した上で今後の改革につなげたいと考え、モデルコンサルティングに応募した。

(3)働き方・休み方に関する現状・課題意識

1)課題認識

全社的に、また恒常的に長時間労働が発生している状況ではないが、残業してまでやるべき業務かどうかの整理等ができていなかったり、昔ながらの業務をそのまま行っていることもあったりするのではないかと感じている。また、業務が一部の社員に集中している例が散見され、労働時間に対する社員の意識にバラつきがあるようにも見受けられる。

2)仕事特性と働き方・休み方の現状・課題

①組織体制
・営業本部、技術本部、生産本部のほか、管理本部、ビジネス戦略本部、ICTビジネス本部等がある。製造ラインは別会社となる。
・若手とベテランの間の中間層の人員数が少なくなっている。技術の継承等に課題が見受けられる。
②働き方
・労働時間が比較的長めなのは、技術開発職と営業職。
・技術開発職は、新製品開発等のタイミングが特に繁忙になり、繁忙期は2-3か月程度続く。お客様を第一と考えて行動するあまり顧客ありきの仕事になっている感が否めない。納期や顧客との打ち合わせ、納期前のタイミングでの業務の集中等が発生している。繁忙期における人員サポートも検討したが、「その人でないとできない仕事」も多く、応援等の人員を入れても、一部の人の長時間労働は解消されにくい状況にある。
・営業職は、出社→営業のために外出→帰社→帰社後社内で提案・見積作成等の業務を実施しており、帰社後の業務が残業になりがちである。提案・見積書を社内で別部隊が対応できないか、が課題である。
・その他部門も、本当に効率的に業務が進められているかの視点で、業務を見直す余地はある。
③休み方
・完全週休2日制で、大型の連休も設定しており、年間休日は多めと認識している。休みについてはあまり問題意識はない。
・年次有給休暇取得のために、上期2日+下期2日の年間4日間を計画的に上司と相談して設定するルールや、夏休みとして固定でお盆に3日間+7-9月までに3日間取得する取組、その他組合主導で祝日が無い月に積極的に年次有給休暇を取得するキャンペーン等も実施している。
④マネジメント
【トップの意識・組織風土】
・働き方改革に対するトップのモチベーションも高まってきている。
・グループ会社を統合したため、組織風土や働き方の文化は、出身会社の風土に影響を受けている部分もあると感じる。
【労働時間についての制度等】
・過去にフレックスを導入していたが、会議の設定が難しかったり、時間にルーズになったりする例が見られた。多くは運用上の課題ではあったが、労使間で話し合い、現在「停止」している。
・過去に事業場外みなし労働制も導入していたが、現在は通常の労働時間制で管理をしている。
・テレワークについては、時間管理が本人任せになるため、実施した場合に逆に時間外労働が増えてしまうのではないかという不安もある。
⑤その他
【女性活躍の状況】
・例年平均10名程度新卒採用をしている。内、女性は1-2名程度。女性は採用の応募自体が少ない。
・両立支援制度等は比較的整っており、ここ10年程度、出産を機に退職した女性はいない。ただ、若手と管理職層の年代も離れており、なかなか若手が管理職になることをイメージするのは難しい面もあるのではないか。今後の自分のキャリアをイメージできるような年齢層の先輩女性が少ないことも課題。

(4)「働き方・休み方改善指標」診断結果

働き方・休み方に関するアウトプット指標
ポジションマップ
ポジションマップ
レーダーチャート
レーダーチャート
<レーダーチャート>8つの指標得点詳細
働き方
休み方
「働き方・休み方改善指標」による診断結果は以下のとおり。
【働き方】

週労働時間60時間以上の雇用者の割合(一般職員(組合員))は2.02%であった。

→全国の雇用者の平均値である7.8%(社員規模100人~999人のカテゴリ)及び、国の定める目標値5.0%をともにクリアしている。

(その他働き方に関するデータ)
・一般職員(組合員)の平均所定外労働時間数:少ない月で13時間程度、多い月で20時間程度(2017年度上期平均は17時間程度)。
残業が「なし」の者も、2017年度上期平均で2割程度いる。

・繁忙期に36協定で定める労働時間の延長の限度基準である1か月45時間を超える社員の割合:
一般職員(組合員)の内、1か月45時間を超える社員の割合は、最も多い月でも10%程度(2017年度上期平均は3.5%)。

レーダーチャートの項目では、以下項目が低め。
・項目1 <方針・目標の明確化>指標
・項目2 <改善推進の体制づくり>指標
・項目3 <改善促進の制度化>指標
・項目4 <改善促進のルール化>指標
・項目7 <仕事の進め方改善>指標

【休み方】

年次有給休暇取得率は全社員(一般職員(組合員))平均50.59%であった。

→貴社の年次有給休暇の取得率は、主要産業の平均値である45.9%(社員規模100人~999人のカテゴリ)はクリアしているが、国の定める目標値70.0%には達していない。

レーダーチャートの項目では、以下項目が低め。
・項目1 <方針・目標の明確化>指標
・項目2 <改善推進の体制づくり>指標
・項目3 <改善促進の制度化>指標
・項目5 <意識改善>指標
・項目6 <情報提供・相談>指標
・項目7 <仕事の進め方改善>指標

<全体傾向>
・働き方については、2017年9月の週60時間以上の労働者の割合は2.02%であり、時間外労働が突出的に多い社員は少ないものと考えられる。また、貴社提供データによると、一般職員の平均的な残業時間は13~20時間/月程度となっており、データ上では、長時間労働が常態化している様子は見受けられない。しかし、8つの指標において、<改善促進のルール化>指標や、<仕事の進め方改善>指標は特に低めに出ている。また課題意識では、労働時間に対する社員の意識のばらつきや、効率的な業務遂行、業務の偏りについての課題もあげられている。全社一丸となってムダな残業の削減や業務の効率化、残業時間の偏りの平準化等に取り組み、トップダウン・ボトムアップの両面からの改善を促進していくことは今後の課題であると考える。
・休み方については、年次有給休暇取得率は50.59%と比較的高めであり、データ上では大きな課題は見受けられない。しかし、休みの「質」(休んだ日のカバー体制構築等を通した安心して休める環境づくり)については、取組の余地がある。また、8つの指標においては、<意識改善>指標や<仕事の進め方改善>指標は特に低めに出ている。「安心して休める環境づくり」につながる業務体制の検討は、今後の課題であると考える。

※年次有給休暇取得率は、2016年4月~3月実績、週労働時間60時間以上の雇用者の割合は、2017年9月実績で算出した。
※いずれの値も管理職を除く一般職員(組合員)の値で算出しているため、全国平均値/主要産業のとの比較は参考としておとらえいただきたい。
※一般職員(組合員)の平均所定外労働時間数および1か月45時間を超える社員の割合は、2017年度上期データを中心に、2016年10月~2018年1月の傾向値も併せて確認した。

(5)課題の整理と改善提案

働き方・休み方に関する課題の整理と改善提案は以下のとおり。

指標項目
現状と課題
対策案
Vision(ビジョン)
項目1
方針・目標の明確化
長時間労働の抑制や年次有給休暇取得の重要性を企業として十分に表明できていない(経営トップメッセージの発信や数値目標の設定が実施できていない)
・長時間労働の抑制・年次有給休暇の取得促進についての経営トップによるメッセージの発信
・全社・部署・個人等での労働時間・残業時間等及び年次有給休暇取得日数・取得率等に関する数値目標の設定
System(システム)
項目2
改善・推進の体制づくり
長時間労働の抑制や年次有給休暇取得を促進するための組織の明確化が十分にできていない
・長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化
・労働時間や休暇取得に関する相談窓口の設置
項目3
改善促進の制度化
効率的かつ効果的な働き方を行う仕組みが整っていない
・労働時間・就労場所を柔軟にする制度(フレックスタイム制、朝型の働き方、テレワーク制度、在宅勤務制度等)の導入
・業務繁閑に応じて営業時間を設定
休み方の選択肢を増やしたり、休みを取りやすくしたりする制度の導入等ができていない
・業務繁閑に応じた休業日の設定
・誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする休暇制度の設定
・時間単位での年次有給休暇制度の導入
・5営業日以上の連続休暇制度の導入
項目4
改善促進のルール化
働き方について、長時間労働を抑制することにインセンティブが働く仕組みが十分でない
・残業の多い部下を持つ管理職への指導、改善促進
・部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課に盛り込む
・残業を行う際の手続きを厳格化
Action(アクション)
項目5
意識改善
休み方について、年次有給休暇を適切に取得する意識を高める取組が十分実施できてい
ない
・年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
・年次有給休暇取得促進のための周知・啓発
項目6
情報提供・相談
休み方について、休み方の改善につながる情報提供や相談を十分実施できていない
・制度の利用促進のための情報提供
・年次有給休暇の取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取得奨励
項目7
仕事の進め方改善
働き方・休み方について、長時間労働の抑制や、年次有給休暇などの取得しやすさにつながる業務改善が、十分実施できていない
・休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
・長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し
・業務計画、要員計画、業務内容の見直し
・長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした目的とした取引先との関係見直し

(6)初回訪問時の提案と検討内容

「働き方・休み方改善指標」に基づく提案をベースに、具体的な取組テーマの検討を実施した。提案内容および検討経緯は以下のとおり。

1)トップのコミットメントと推進体制の構築

①トップのコミットメント
2018年度に全社的な働き方改革の取組を始める際に、トップメッセージとして社長からのメッセージを発信することを提案した。
②会社全体の推進体制 
2018年度のスタートに向けて、今後全社的な推進体制づくりを実施する。まずは推進リーダー、コアメンバーの選定をし、働き方改革プロジェクトチームの立ち上げを実施することを提案した。

2)今回のモデル取組における推進体制

①対象部署の設定
全社(今後展開する全社の施策について検討を実施)。
②対象部署におけるプロジェクトリーダーの設定
③コアメンバーの設定
まずは、働き方改革の進め方の検討や推進体制の構築について、総務人財部を中心に検討を実施し、2018年度の全社的な働き方改革のスタートまでに全社の推進体制を構築することを提案した。

3)中長期的な取組(制度・ワークルールの見直しや業務改善方針の設定等)

①全社・部署・個人等での労働時間・残業時間等及び年次有給休暇取得日数・取得率等に関する数値目標の設定
②長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化
③労働時間・就労場所を柔軟にする制度(フレックスタイム制、朝型の働き方、テレワーク制度、在宅勤務制度等)の導入
④誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする休暇制度の設定
⑤5営業日以上の連続休暇制度の導入
⑥残業の多い部下を持つ管理職への指導、改善促進
⑦部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課に盛り込む
⑧年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
⑨年次有給休暇取得促進のための周知・啓発
⑩年次有給休暇の取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取得奨励
⑪休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
⑫長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し
⑬(追加提案)女性社員へのヒアリング
女性職員については、中堅層の女性社員が少なく、若手の女性社員が将来の働き方やキャリアをイメージし難い面があるのではないかとの懸念がある。まずは、本事業のコンサルタントにより女性社員を対象にヒアリングを実施し、働き方の課題や今後の取組アイデアを聞くことを提案した。

検討経緯

①は、労働時間については、「残業ゼロ」を目標とすることも検討したが、数値の達成だけが目標化して、働き方改革の意図が伝わりきらない懸念もある。数値目標ではなく、まずは働き方改革でどういう状態を目指すのかを明確にし、これを目標とすることにした。また、休み方については、年間所定休日が多めであること、現状で一定程度年次有給休暇が取得できていることを踏まえ、あえて数値目標は設定しないことにした。
②の社内体制については、2018年度の全社的な働き方改革のスタートに向けて構築する推進体制と併せて検討する。
③の労働時間・就労場所の柔軟化は、今後改めて導入できないか検討する。
④、⑤、⑧~⑪の休暇取得促進の取組については、現状で問題意識は大きくなく、既に連休取得の取組や組合主導でのキャンペーンも実施しているため、今回は特に実施しない。
⑥、⑦の残業抑制のための管理職への指導については、現状恒常的に残業が多い状況ではないこともあり、今回は特に実施しないが、⑫の取組を通じて、効率的に仕事を進めることについての意識の浸透を目指す。
⑫業務プロセスの見直しについては、「全社業務データ統合プロジェクト」の検討を自社内で既に始めている。
⑬(追加提案)女性社員へのヒアリングは、実施することとなった(詳細後述)。

4)短期的な取組(職場の働き方改革トライアル)

中長期的な取組と併せて、1~2か月程度で実施できる「職場の働き方改革トライアル」として、在宅勤務トライアル、会議効率化トライアル、退社時間計画トライアル実施を提案。

検討経緯

検討の結果、2018年度より、全社的な働き方改革の具体的な検討を進めることに先立ち、まずは決めた時間の中で効率的に働く意識を向上させるため、「退社時間計画トライアル」を短期的に総務人財部内(14名)で実施し、効果や課題を検証することにした。

(7)改善提案の活用

改善提案の検討の結果、今後実施・検討することになった取組は以下の通り。尚、既に取組を始めているものについては、実施状況も併せて記載する。

1)主な取組(トップのコミットメントと推進体制の構築)

①トップのコミットメント
2018年4月に80周年のメッセージとして、社長からのメッセージを出す。メッセージの内容は今後検討するが、健康経営や多様な人材の活躍、効率よくお客様満足の向上を目指すこと等、会社として重視している点を検討し、メッセージに盛り込む。
②会社全体の推進体制 
2018年度の全社的な働き方改革のスタートに向けて、今後推進体制づくりを実施するにあたり、本事業のコンサルタントから、以下のアドバイスがあった。これも参考に、今後検討を進める。

<推進体制構築・進め方についてのアドバイスの概要>
・働き方改革プロジェクトチームのメンバーは、現場で施策の推進ができる管理職のほか、現場の意見の吸い上げや具体的な改善のアイデア出しができる若手で構成する。男性だけでなく女性も含める等、様々な立場のメンバーで構成することもポイント。
-プロジェクト推進リーダー:全社の働き方改革を牽引できる管理職等
-プロジェクトメンバー:各部門の管理職、若手職員等 を選定する。
・2018年度には、プロジェクトメンバーがプロジェクトミーティングで取組内容の議論や進捗共有を行いつつ、各部署の取組を推進していく。
-プロジェクトミーティングは、1~2か月に1回程度、プロジェクトメンバーを集めて実施する。
-プロジェクトメンバーは、実際に各部門(現場)での意見徴収や施策の検討・推進を行う。

2)主な取組(中期的施策)

①働き方改革で目指す姿の明確化
働き方改革でどういう状態を目指すのかを明確にし、これを目標として設定する。
②フレックスタイム制、在宅勤務制等の導入可能性の検討
今後導入の可否を検討していく。
③業務プロセスの見直し
既に自社内で検討を始めていた「全社業務データ統合プロジェクトの検討を進める。
④(追加提案)女性社員へのヒアリングの実施
本事業のコンサルタントにより女性社員を対象にヒアリングを実施し、働き方の課題や今後の取組アイデアを聞く。

3)主な取組(短期的施策):退社時間計画トライアル

短期的施策として、「退社時間計画トライアル」を実施した。
①推進体制
・対象部署 :総務人財部
・対象部署におけるプロジェクトリーダー:総務人財部長
・コアメンバー:今回は特になし(総務人財部長を中心に呼びかけ)
②取組内容
・取組を通して、上下間の円滑なコミュニケーションが図られることや、部員が「自分の仕事の進め方が変わった」ことも実感できるようにもしたいと考え、トライアルの実施にあたり、ルールを設定した。
・ルールは、「毎週、火曜日および木曜日の予定退社時間を遅くとも前日までに入力する。残業する場合、目標退社時間は19時30分までとする。」「毎週、月曜日・水曜日・金曜日は原則として定時退社日とする。」等の退社時間に関するルールのほか、作業スケジュールを入力することや、必要な場合は上長が部下にアドバイス・指導をすること等もルールとして設定した。
・トライアルの実施にあたっては、効果や課題をより詳細に検証するため、「事前アンケート」と「事後アンケート」も実施した。
③実施期間
2017年12月11日~2018年1月31日

関連画像
<退社時間計画トライアルで設定したルール>

(8)「働き方・休み方改善指標」活用の効果(結果)

今後実施・検討することになった取組のうち、2017年度に効果が確認できたものは以下の通り。

1)主な取組(トップのコミットメントと推進体制の構築)

今後実施する予定。

2)主な取組(中期的施策)

本事業のコンサルタントより、女性社員へのヒアリングを2018年2月に実施した。
<ヒアリングを踏まえたコンサルタントからのアドバイスの概要>
・部署によって働き方に対する意識が異なる可能性もあるため、決めた時間に帰る取組等を通じて、全社的に残業に対する意識を向上させていくことや、管理職に対しても働き方改革の目的や労務管理の重要性を改めて伝えることが望ましい。
・女性社員については、今後の働き方やキャリアのイメージを描きやすくするため、キャリア面談を実施してキャリアプランを管理職と話す機会を持つことや、女性社員同士の交流機会を設定することが考えられる。
・顧客からの緊急連絡や、担当が休みの日の連絡について、担当以外でも受けられる仕組みを作ることで、安心して休める環境をつくることも、今後の取組案として考えられる。
上記も踏まえ、その他の中長期的施策と併せて、引き続き検討を行っていく。

3)主な取組(短期的施策):退社時間計画トライアル

①主な効果
・「退社時間計画トライアル」により、退社時間を意識して働く雰囲気がより醸成された。また、他のメンバーの予定を意識して働くようになり、より連携を意識しながら働くようになった。他のチームで残業が続きそうな状況があれば、声を掛けあって手伝い合う雰囲気も生まれ、チームワークの向上にもつながった。
・事後アンケートでも、退社時間計画を今後も「進めたい」「やや進めたい」とした回答が9割以上を占めた。また、今回の取組においての効果として、「職場の残業時間が少なくなり、早く帰りやすい雰囲気になった」と回答した者が6割近くいた。「残業を行う日でも目標退社時刻を決めることはメリハリがついて良い」との声もあった。
・また、事後アンケートでは、日頃の上司の仕事の進め方について、「部下の労働時間や残業時間を把握している」や、「退社しやすい雰囲気を作るため、自ら率先して早く退社している」の項目について、「そうした」と回答した割合が増えた。
②今後に向けての課題・方向性
・一方で、週3日を定時退社とし、残りの2日の目標退社時間は19時30分までとするルールは、繁忙期に実施するにはやや難しいとの意見も聞かれた。事後アンケートでは、「いかにこの取組の必要性を多くの社員に認識してもらうかがポイントだと思う」といった声もあった。
・今後、全社においてルールを展開する際には、定時退社日を増やすことだけを目標とするのではなく、業務を効率的に組み立てて決めた時間に帰ることや、他のメンバーやチームの働き方を意識し合いながら働くことを強調する形で展開することも検討している。

対策案の提案状況

  働き方 休み方
1.Vision ①方針・目標の明確化
2.System ①改善推進の体制づくり
②改善推進の制度化
③改善推進のルール化
3.Action ①意識改善
②情報提供・相談
③仕事の進め方
4.Check ①実態把握・管理

提案内容の概要

中長期的な取組

  • 全社・部署・個人等での労働時間・残業時間等及び年次有給休暇取得日数・取得率等に関する数値目標の設定
  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化
  • 労働時間・就労場所を柔軟にする制度(フレックスタイム制、朝型の働き方、テレワーク制度、在宅勤務制度等)の導入
  • 誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする休暇制度の設定
  • 5営業日以上の連続休暇制度の導入
  • 残業の多い部下を持つ管理職への指導、改善促進
  • 部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課に盛り込む
  • 年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
  • 年次有給休暇取得促進のための周知・啓発
  • 年次有給休暇の取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取得奨励
  • 休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し
  • 女性社員へのヒアリング

短期的な取組

  • 退社時間計画トライアル
(H30.3)

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