T社(2017年度)

(1)企業概要

社名
T社(2017年度)
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業種/事業概要
サービス業(他に分類されないもの)
従業員規模
295名(内、正社員128名)
本社所在地
東京都
労働時間制度
全社的な制度の状況(2017年度時点)
・年間総労働時間1,928時間(2017年度時点)
・年間所定休日数:124日(2017年度時点)
・労働時間制度:1ヶ月単位の変形労働時間制(シフト制)
・1日の標準所定労働時間:8時間

コールセンター部門における制度(2017年時点)
・日勤チームと夜勤チームに分かれる。日勤チームは5つの時間帯のシフト制
・日勤の最初のシフトの始業時刻は8時45分、夜勤の始業時刻は19時30分。
・夜勤は、夜勤スタッフの専従となる。

(2)働き方・休み方改善に関するこれまでの取組と指標活用のきっかけ

1)これまでの取組

<全社的な取組>
これまでは働き方改革という言葉を使って取組を実施したことはない。長時間労働になりがちな仕事や部署があれば、人員を補充したり、一時的に応援を回したりして対処療法的な対応を行ってきた。

<コールセンター部門における取組>
従来は、残業が基本的にない職場であったが、大型案件を受注後、慢性的な残業が発生するようになった。残業を削減するべく、下記のような取組を実施してきた。
・部内や他部からの応援要員の配置
・フォーメーションを変える(経験とスキルのあるスタッフを一次受け後の業務に配置し、より高度な対応が求められる仕事を担当させる など)
・顧客との通話時間を短縮するための工夫とそのための教育
・早帰りする社員を決め、出社の一番早いシフトにあてる
・クライアントからユーザーに対して、即時対応が困難なケースがあること等について周知してもらう
・部長から働き方改革を行うことを発信し、部内で休暇取得の促進のアピールや残業時間の可視化を行った
・残業時間が45時間を超える場合は、身心の状態を確認している
・昼休みをとるように声がけしている
・社員が見聞を広め、リフレッシュできるように休暇取得の年間計画を立てている

2)「働き方・休み方改善指標」活用のきっかけ

コールセンター部門(24時間・365日稼働)の慢性的な長時間労働が問題となっている。様々な取組を行ってはいるが、改善されていない。コールセンター部門の長時間労働を是正するためのヒントを得るため、モデルコンサルティングに応募した。

(3)働き方・休み方に関する現状・課題意識

1)課題認識

コールセンター部門(24時間・365日稼働)では、ロールモデルとなるべき女性管理監督者の月100時間を超える過重労働が続き、育児のための時短勤務者も残業をせざるを得ない状況にある。①契約先法人様との間で受電応答率のしばりがあるため、電話がなれば即応せざるを得ない。②人が足りない、というのが当該部署の自己分析である。人事異動に加え、全社的に助勤体制を敷くなど対応を図ってはいるが、終電過ぎのタクシー帰宅が常態化してしまっている。
・要員が足りていない。頭数の問題だけではなく、高度なスキルが求められる仕事を担当できる要員が不足している。
・業務が急速に拡大したため、社員の育成が間に合っていない。
・経験の浅い社員とベテランの社員の配置を工夫することで、高度なスキルが求められる業務の効率化を図っているが、経験の浅い社員ばかりに一次受けを任せてしまうと、サービスの品質の低下が問題になる。
・残業が慢性的になったことで、社員が定着しない。
・勤務形態は、シフトの日勤と夜勤である。シフトの終業時間となっても、二次業務が終わらず帰れないことがままある。日勤のうち、早いシフトの業務が終わらない場合は、そのあとのシフトの人がひきとることがある。一方、夜勤の業務も定時までに終わらず、日勤の要員が引き継いでいる。シフト内でいかに業務を終わらせるかが課題となる。

2)仕事特性と働き方・休み方の現状・課題

①仕事の特性
・コールセンター部門が担う業務には、大まかにユーザーからの電話への一次対応と電話で受けた内容に対する二次対応がある。ユーザーからの問い合わせの内容は、旅行に関する予約や情報提供など。電話のうち、約3割がその電話内で対応が完結し、約7割については、調査や予約作業等、電話対応の後で作業し、後で折り返す必要がある。折り返しについては、回答期限がその日の内や何時間以内という緊急のものから、比較的期限に余裕があるものもある。

②勤務形態・業務体制
・コールセンター部門の勤務形態はシフト制で、日勤と夜勤がある。日勤は5つの出勤パターンとなっている。日勤は1つのシフトに2名があてられ、1日に計10名が出社する。1日の最初のシフトの始業時刻は8時45分で、その後12時までに順に他のシフトが出勤する。最初のシフトの終業時刻は17時45分となっている。
・夜勤は、日勤と雇用形態が分かれている。夜勤スタッフは夜勤のみの勤務、かつ、夜勤は夜勤スタッフのみが行う。始業時刻は19時30分で、終業時刻は明朝11時30分となっている。早朝の時間帯は、海外からの問い合わせが多い。
・業務は、電話の受け(顧客対応)とバックヤード業務に分かれる。電話応対をする要員数は日によって異なる。バックヤードの担当者はバックヤード業務を専門にしており、電話の受けは行わない。電話を受ける社員は、電話応対のほか、調査や書類作成、予約等を行う業務も行う。

③働き方
・旅行シーズンの繁忙期には12時間労働になることもある。
・1日中電話がかかっている状況で、電話対応の社員は、常にお客様相手にストレスのかかる仕事をすることになる。

④休み方
・有休の取得については、年間計画を立てている。特に若い人は取得を希望しており、休暇の取得については満足しているものと考えている。社としても、社員の見聞を広めるため、リフレッシュしてもらうために取得をしてもらいたいとしている。

3)マネジメント

【労働時間についての制度等】
・在宅勤務は未導入。コールセンターのため、その場での電話応対が主な業務となるため、在宅勤務は不向きではないかと考えている。
【ITの活用等】
・2017年にメールシステムを導入。システムを有効活用した業務の効率化を検討・試行している。
【人材育成等】
・業務の効率化を図るべく、タイピングの練習をするように呼びかけている。

4)その他

・上半期は繁忙期になるため、業務改善について試行するのは下半期に限られる。

(4)「働き方・休み方改善指標」診断結果

働き方・休み方に関するアウトプット指標
ポジションマップ
ポジションマップ
レーダーチャート
レーダーチャート
<レーダーチャート>8つの指標得点詳細
働き方
休み方
「働き方・休み方改善指標」による診断結果は以下のとおり。
【働き方】

週労働時間60時間以上の雇用者の割合は0%であった。

→全国の雇用者の平均値である7.8%(社員規模100人~999人のカテゴリ)及び、国の定める目標値5.0%をともにクリアしている。

レーダーチャートの項目では、以下の項目が低め。
・項目2 <改善促進の体制づくり>指標
・項目3 <改善促進の制度化>指標
・項目5 <意識改善>指標
・項目6 <情報提供・相談>指標
・項目7 <仕事の進め方改善>指標

【休み方】

年次有給休暇取得率は全社員平均95.6%であった。

→貴社の年次有給休暇の取得率は、主要産業の平均値である45.9%(社員規模100人~999人のカテゴリ)及び、国の定める目標値70.0%をともにクリアしている。

レーダーチャートの項目では、以下の項目が低め。
・項目3 <改善促進の制度化>指標
・項目5 <意識改善>指標
・項目7 <仕事の進め方改善>指標

<全体傾向>
・働き方については、2017年9月の週60時間以上の労働者の割合は0%であり、全体としては労働時間が特に長いわけではないと考えられる。また、提供データによると、2016年4月~2017年3月の平均労働時間は174時間程度であり、長時間労働が常態化している様子は見受けられない。しかし、繁忙期の3月には総労働時間が200時間近くに及んでいる。<改善推進の体制づくり>指標や<改善促進の制度化>指標が低く出ているほか、<意識改善>指標や<情報提供・相談>指標、<仕事の進め方改善>指標が低めに出ており、業務の効率性を向上させるなどの余地があるものと考える。
・休み方については、年次有給休暇取得率は高く、データ上では大きな課題は見受けられない。<改善促進の制度化>指標や<意識改善>指標、<仕事の進め方改善>指標が低く出ており、意識面・業務面での改善を検討する余地がある。また、部によって取得率に差があることが見受けられることから、課題を抱える部署ごとの改善の検討の余地があると見受けられる。

<コールセンター部門の傾向>
・コールセンター部門の働き方については、2014年及び2017年の9月実績で、週60時間以上の労働者の割合は0%となっている。しかし、課題意識によれば、管理監督者の慢性的な過重労働や時短勤務者も残業をせざるを得ない状況があるという。全社では<改善推進の体制づくり>指標や<改善促進の制度化>の指標が低く出ているが、コールセンター部門としても、独自に改善の推進担当を設置したり、ワークルールを設定したりする余地があると考えられる。
・コールセンター部門の休み方については、有給休暇取得率が85.8%となっており、取り立てて低いわけではないが、全社平均と比較して10%ほど低い。長時間労働を必要とするほどの繁忙さのために休暇を取得できずにいると考えられる。意識の改善と同時に、仕事の進め方の改善の検討の余地があると見受けられる。

※週労働時間60時間以上の雇用者の割合は2017年9月実績、年次有給休暇取得率は2016年4月~3月実績、で算出した。
※算出対象は、派遣・臨時要員を除く全員(正社員・契約社員・嘱託社員)を対象とした。

(5)課題の整理と改善提案

働き方・休み方に関する課題の整理と改善提案は以下のとおり。

指標項目
現状と課題
対策案
System(システム)
項目2
改善・推進の体制づくり
働き方について、改善のための体制が十分整っていない
・長時間労働の抑制に向けた社内体制の明確化。
・課題のある部署における推進担当者の設置。
休み方について、改善のための体制が十分整っていない
・年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化。
項目3
改善促進の制度化
働き方について、改善のための仕組みが十分整っていない
・社員各自に仕事の繁閑や個人の事情に合わせたノー残業デーを設定することにより、定時退社を促す
休み方について、改善のための仕組みが十分整っていない
・誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする等の休暇制度の設定。
・時間単位での年次有給休暇制度等の導入
Action(アクション)
項目5
意識改善
働き方について、社員に対して長時間労働を抑制する意識を高める取組みが十分実施できていない
・長時間労働の抑制に関する社員向けや管理職向けの教育・研修を実施
休み方について、年次有給休暇を適切に取得する意識を高める取組みが十分実施できていない
・年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修
・年次有給休暇取得促進のための周知・啓発
項目6
情報提供・相談
働き方について、働き方の改善につながる情報提供や相談を十分実施できていない
・労働時間・残業時間を社員各自に通知
項目7
仕事の進め方改善
働きについて、長時間労働の抑制につながる業務改善が、十分実施できていない
・長時間労働の抑制を目的とした業務プロセスの見直し
・業務計画、要員計画、業務内容の見直し
・長時間労働の抑制を目的とした取引先との関係見直し
休み方について、年次有給休暇などの取得しやすさにつながる業務改善が、十分実施できていない
・休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
・年次有給休暇取得促進を目的とした取引先との関係見直し

(6)初回訪問時の提案と検討内容

「働き方・休み方改善指標」に基づく提案をベースに、具体的な取組テーマの検討を実施した。提案内容および検討経緯は以下のとおり。

1)トップのコミットメントと推進体制の構築推進体制

①・トップのコミットメント
・今回のモデルコンサルティング事業における取組について、トップメッセージを発信する。
②・会社全体の推進体制

2)今回のモデル取組における推進体制

①・推進部署の設定
・社内で残業の多い、コールセンター部門にて取組を行う。
②・推進担当者を設定
・コールセンター部門の部長を中心にとりまとめる。

3)中長期的な取組(制度・ワークルールの見直しや業務改善方針の設定等)

①・全社・部署・個人等での年次有給休暇取得日数、取得率等に関する数値目標の設定
②・業務の繁閑に応じて労働時間を柔軟にする制度の検討
・労働時間を柔軟にする制度のほか、女性社員が多いなか、1日10時間拘束されてしまう職場では定着が難しいと考えられるため、調査や書類作成業務など在宅でできる業務について、在宅勤務を検討する余地がある。
③・残業の多い部下を持つ管理職への指導、改善促進
・特定の社員のみに残業が固定化されている状況ではない(残業に偏りがあるわけではない)ため、部全体として業務効率化策を考える必要がある。特に、経験・スキルの高いベテラン社員の有効活用とそうした社員が休みやすい環境づくりについては検討の余地がある。
・若手社員に一次受けで対応できる範囲を広げるためにどのような学びが必要か検討する。そのために必要な研修や情報共有の方法を検討する。
④・部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課への盛り込み
⑤・長時間労働の抑制や年次有給休暇取得に関する社員向けや管理職向けの教育・研修の実施
・現在、タイピング練習をよびかけているということだが、練習に留まらず、タイピング検定の取得等に部全体で取り組んでみる。
⑥・休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
⑦・業務計画、要員計画、業務内容の見直し
⑧・長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした目的とした取引先との関係見直し
・クライアントに対してユーザーに回答時間に関する周知を行ってもらうなど改善に努めている。
⑨・長時間労働や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し

検討経緯

①については、数値目標はないが、毎年、年間計画を策定しており、休暇の取得そのものの課題は大きくないため今回は見送る。
②については、就業継続がしやすい働き方を可能にするため、所定労働時間の短いシフト勤務の設置等、柔軟なシフト勤務体制を検討する。在宅勤務については、検討する。
③については、若手社員にどのような学びが必要か検討する。
④については、今回は見送る。
⑤については、例年下半期に、業務効率化のためのスキルアップを図るため、研修の実施や外部研修の受講を行っている。現在、タイピング練習をよびかけているが、練習に留まらず、タイピング検定の取得等については検討する。
⑥については、メールや回覧等にて情報共有を行っている。
⑦については、常に他部署を含めた人員配置やシフトの改善等を検討・実施している。業務内容については業務契約上、変更することができない。
⑧については、業務内容については業務契約上、変更することができないものの、クライアントに対してお客様に回答時間に関する周知を行ってもらうなど改善に努めている。
⑨長時間労働削減のための取組については、「(2)働き方・休み方改善に関するこれまでの取組と指標活用のきっかけ」に記載したように、現状でも様々な取組が行われている。今後は、メールシステムを活用して業務の効率化を図ることを検討している。具体的には、メールのテンプレートを増やす、入力の手間を減らす工夫をするなどを検討している。また、システムを活用して、情報共有をはかり、二次受けでないと提供できないようなサービスを一次受けでも提供できるようにしていく。

4)短期的な取組(職場の働き方改革トライアル)

①在宅勤務トライアル
②会議効率化トライアル
③退社時間計画トライアル
④集中タイムトライアル
・終業時刻以降に残務を残さないために、勤務時間中に1時間は電話応対業務から離れ、電話応対以外の業務に集中できる時間を設定する。
・バックヤード担当については、業務改善、残業削減をどのように進めるかということをリーダーに考えてもらい、3か月ほどトライアルしていく予定がある。

検討経緯

①については、制度面の調整と在宅勤務に適した業務の棚卸しが必要なため、今回は見送る。
②については、現場では会議がなく、取組を実施するほどではないため、今回は見送る。
③については、シフト勤務のため退社時間が本来であれば決まっていること、また、残業を減らすための施策はこれまでも様々試してきたところであるため、見送る。
④について、シフト内に業務を終わらせるための1つの方法として試すこととなった。実施するにあたり、実施方法、実施ルール等を検討した(詳細後述)。

(7)改善提案の活用

改善提案の検討の結果、今後実施・検討することになった取組は以下の通り。尚、既に取組を始めているもの。

1)主な取組(トップのコミットメントと推進体制の構築)

①トップのコミットメント
・2017年11月および12月の社内報にて、ダイバーシティの推進とワーク・ライフ・バランスについてトップメッセージを発信した。
・1月の全体朝礼にて、働き方改革推進についてトップメッセージを発信した。会社として働き方改革に真剣に取り組むこと、本事業に応募し、モデル部署で短期的施策を行うこと、働きやすい就業制度を整備していくこと等を発信し、1人1人のマインドチェンジを呼びかけた。

②会社全体の推進体制
・就業規則や勤務制度等について検討するため、総務担当者および各部署のマネージャーからなる働き方改革プロジェクトチームを立ち上げた。2018年1月中に計4回の議論を行った。主に議論および検討した内容は以下の通り。
→所定労働時間の見直し。所定労働時間を8時間から7時間30分とする。
→36協定の時間外労働時間の上限時間の変更。
→勤務間インターバルの導入。勤務間インターバルを9時間とする。
→弾力的労働時間の導入。コールセンター部門にて試行を行う。
→短時間勤務制度の検討。所定労働時間より2時間の短時間とする。(現状維持)
→時間単位での年次有給休暇の取得など休暇制度の見直し。特別休暇の有給化についても検討したが、取得機会の少ない社員の不公平感を考慮し、従来通り、無給休暇のままとすることとした。休暇を取得しづらいわけではないため、会社としては、柔軟に休暇を取得できる現在の運用を活かしていくこととする。
→各部署における最適なシフトパターンの検討。
・会社全体としては、残業削減のために、残務をひきとることのできる時間管理対象の管理職を増やしている。

2)今回のモデル取組における推進体制

①推進部署の設定
・社内で残業の多い、コールセンター部門にて取組を行う。
②推進担当者を設定
・コールセンター部門の部長を中心にとりまとめる。

3)中長期的な取組み(制度・ワークルールの見直しや業務改善方針の設定等)

①業務の繁閑に応じて労働時間を柔軟にする制度の検討
・所定労働時間を7時間30分とするよう就業規則の変更は決まったところであるが、労働時間を削減したことで残業時間を増やさないための方針や施策を各部署にて検討する。
・コールセンター部門では、弾力的労働時間の試行を開始した。1日10時間労働のシフトと1日6時間労働のシフトを組み合わせる。従来、シフト時間内だけでは業務が終わらない社員を対象に実施している。シフトの長さの違いを活用して、特に顧客対応量が多い月曜日と金曜日に、重点的に人員配置を行う。
・コールセンター部門における在宅勤務は、今回は検討を見送った。会社のなかでは、他部署にて在宅勤務の試行を実施することを検討している。

②長時間労働の抑制や年次有給休暇取得に関する社員向けや管理職向けの教育・研修の実施
・11月の閑散期に、チームごとのリーダーがスタッフの相談に乗れる体制を作った。部下の困りごとを聞けるような仕組みは有効に感じられるため、今後も可能なかぎり仕組みをつくる。
・タイピング検定や若手社員に必要な学びについては引き続き検討する。
・旅行業経験のない新入社員に対する教育内容の改善を検討する。

③長時間労働や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し
・シフトの組み方を含めて、新たに短くする所定労働時間内で業務を終えられるよう引き続き、効率化の工夫等を検討する。
・業務の効率化やチェック業務の簡素化のために、システムの導入を検討・打診する。

4)短期的な取組(職場の働き方改革トライアル)

検討の結果、短期的な取組(集中タイムトライアル)を行うこととした。
・取組を行うモデル部署(トラベルサポート内)の中で、労働時間が比較的長い3チーム、計44名を対象に実施することにした。当初は、12月中に2週間の試行を行う計画だったが、社員の体調の都合等があり、1月にも実施することとした。
・その日に出勤している全員が交代で1時間の集中タイムを取得する。集中タイムを取得したスタッフは、電話受け業務から離れて、調査や書類作成業務に専念する。
・あらかじめ、誰が何時に集中タイムに入るのかを分かるようにしたうえで、集中タイムを取得している人が周囲から分かるようにグッズ等を用いた。
・トライアル期間が短いことや、業務の遂行状況の評価が優先されるため、事前・事後アンケートは実施しないこととした。

(8)「働き方・休み方改善指標」活用の効果(結果)

今後実施・検討することになった取組のうち、2017年度に効果が確認できたものは以下の通り。

1)主な取組(トップのコミットメントと推進体制の構築)

-

2)主な取組(中期的施策)

⇒今後順次実施し、効果を確認する予定

3)主な取組(短期的施策):集中タイムトライアル

①主な効果
・集中タイムを取得することで、業務に集中することができるようになった。
・集中タイムの実施にあたり、お客様の受け業務を一時的にストップすることで、残業時間を大きく減らした。残業時間の規制を遵守する必要があったこともあり、前年同月と比較して、残業時間が大きく減り、例えば、ある社員は前年同月62時間から18時間に残業時間を削減した。社員自身、残業時間が減っていることを実感できている。
・従来から業務の効率化のための工夫を様々行ってきたが、集中タイムトライアルの実施に伴って、ベテラン社員が若手社員に指導する、業務が滞っている社員に管理職がアドバイスする、若手社員に効率化の趣旨を説明するなど、チームで互いに働きかけ合うことの意識づけがされた。
・一方、受電率が下がり、お客様への対応がしきれない事態がみられた。社員の残業が少なくなった一方で、発生した残務を管理職が引き取ることも起きてしまった。残業時間を削減することはできたが、集中タイムトライアル自体の効果は限定的で、業務への支障がないわけではなかった。

②今後に向けての課題・方向性
・トライアルを実施した3チームのうち、1チームは、お客様からの問合せ内容とその対応方法をあらかじめ想定することができるため、計画的に集中タイムを設定することが比較的容易であるので、今後も継続する。
・3チームのうち、他2チームではお客様からの問合せ内容を予測できず、さらに問合せに対して即時対応が求められる。シフト勤務の途中で電話応対業務から離れること(中抜け)は、受電率を下げてしまうため改善する必要がある。また、電話応対業務に従事しないことが反ってストレスになる、という声が聞かれた。そこで、集中タイムをシフト勤務の始業時間帯あるいは終業時間帯に取得することを試行していく。
・一般社員の残業を減らせることが分かったが、今後は、必ずしも一般社員の残業を100%減らすのではなく、管理職の総労働時間の削減とのバランスを図る。
・次年度より、新しい就業規則と所定労働時間が施行される。従来よりも所定労働時間が短くなったときに残業時間を増やさないための対応が求められる。例えば、夜勤の時間が短くなることで日勤が引き継ぐ業務量が多くなるような場合を想定したシフトの組み方と業務の仕方を整理していく。
・トライアルを通じて、残業をしないことに対する意識づけが徹底された。これ以上の効率化は、現場の努力だけでは難しいため、業務をサポートするシステムの導入と若手スタッフの育成により、中期的には改善が期待できる。システムの導入と育成のどちらにも中長期的な視点が必要なため、今後、どのようなスケジュールで働き方改革を進めていくのかを部内で整理していく。

対策案の提案状況

  働き方 休み方
1.Vision ①方針・目標の明確化
2.System ①改善推進の体制づくり
②改善推進の制度化
③改善推進のルール化
3.Action ①意識改善
②情報提供・相談
③仕事の進め方
4.Check ①実態把握・管理

提案内容の概要

中長期的な取組

  • 全社・部署・個人等での年次有給休暇取得日数、取得率等に関する数値目標の設定
  • 業務の繁閑に応じて労働時間を柔軟にする制度の検討
  • 残業の多い部下を持つ管理職への指導、改善促進
  • 部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課への盛り込み
  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇取得に関する社員向けや管理職向けの教育・研修の実施
  • 休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)
  • 業務計画、要員計画、業務内容の見直し
  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした取引先との関係見直し
  • 長時間労働や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し

短期的な取組

  • 集中タイムトライアル
(H30.3)

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