株式会社岡崎組
(1)企業概要
社名 |
株式会社岡崎組
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業種/事業概要 |
建設業/土木
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従業員規模 |
70人
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本社所在地 |
宮崎県
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労働時間制度 |
8:00~17:00 休憩90分(1年単位の変形労働時間制)
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(2)働き方・休み方改善に関するこれまでの取組と指標活用のきっかけ
1)これまでの取組
・幹部会において、社長が残業時間の削減や業務効率化については頻繁にコメントを出しており、現場レベルにも浸透している。
・目標については事業部単位で数値を設定している。建設事業部は労働時間(所定労働時間と所定外労働時間の合計)月220時間、年間休日100日、生コン事業部は労働時間月200時間、年間休日100日を目標としている。
・年次有給休暇の計画的取得の推奨を行っている。部内で調整して全員が取り合えるようにする。年末年始は年次有給休暇を5連休以上、土日等を含めて最大9連休取得を推奨している。
2)「働き方・休み方改善指標」活用のきっかけ
業界内でも長時間労働は仕方のないことだと諦めが見られる。しかし、メンタルヘルス・介護・育児の問題が上がっている昨今、効率化を行わなければ事業を継続することができなくなる。ひいては、インフラサービスを適切に提供できなくなることにつながるため、効率化は大変重要なトピックであると考える。今回の応募を通じて、私達では気づかないことを教えていただき、成果及び事例を出したい。
(3)働き方・休み方の現状・背景
1)人事部の課題認識
粗利益を最大化することで企業経営の健全化を進めて労働者の利益を最大化するための取組を実施している。一方で従業員には労働時間のみでなく、パフォーマンスの達成を義務として意識してほしいと考えている。
土木・生コン製造業を主たる業務とする弊社にとって、技術者の力が一番重要になっている。しかし、職人肌の社員にとって効率化(時短)は≒品質を落とすという認識があることは否めない。絶対に壊れないものを作るがために効率化が図れず、社員への効率化意識の落とし込みは出来たとしても実施できない。
2)仕事特性と働き方・休み方の現状
①組織体制
設立64年目。管理部、建設事業部、生コン事業部の三本部制を採用している。売上高が一番多いのは建設事業部で、全体の2/3を占める。次が生コン事業部で1/ 4、管理部が不動産収入で1割程度の売上げをあげている。
建設業ということもあり、会社全体では男性の方が多い。女性は管理部に多いが、今年度建設事業部に一名女性技術者が入職した。
生コン事業部は生コンクリートの需給を管理する組合経由の割り当てに応じて製造・販売しており、営業は殆ど行っていない。建設事業部は公共・民間問わず工事を実施している。
事業環境としては、競争ありきで事業遂行している。建設事業部の主な顧客は国土交通省、宮崎県、市町村であり、9割が公共事業である。受注機会を確実にしていくことが重要であり表彰の数や工事件数で高い水準を維持しているが、競争力と言えるほどではない。受注業務は土木である。現在は総合評価方式での入札が増えているため、経験豊富な現場代理人の配置等加点要素を確実に取得していく方針が浸透しており、極端に受注金額を引き下げるような価格競争は行っていない。ただし、同程度の加点要素を持つ企業も複数あるため、価格も引き続き重要な要素である。発注側も過去と比較すると事業者の経営に配慮するようになっており、極端な価格の引き下げによる入札は行っておらず、積算単価も上がっている。
公共事業自体が減少傾向にあり、今後の事業展開を検討すべき時期にきている。自社の得意な業務として舗装があり、民間企業による舗装業務の拡大を企図している。例えば、店舗敷地の造成と駐車場の舗装というような業務を狙っている。また、同業他社の測量業務などの外注委託を受けられるようなシステムの導入も企画している。システムの導入によって、社内業務の効率化(マンパワーの削減、外注費の削減)及び他社業務の受注の、二種の効果が認められる。一括したパッケージ販売も可能であり、人手不足が予測される今後の成長分野として期待が大きい。
生コンも発注に依存した事業運営となっており、他の安定的な収益基盤を検討している。生コンの診断業務の拡大に力を入れている。最終的には「診断であれば岡崎組」という風に、営業せずに依頼が殺到することを望んでいるが、現在は診断業務を行っていることを知らせることにより営業をしている。
アルバイトのうち4名は生コン事業部に配属しており、大型トラックでの生コンの配送を担当している。残りの6名は建設事業に携わっている。日勤者のため扱いはアルバイトであるが、社会保険も完全加入しており、準社員に近い。
②働き方
36協定は月42時間で結んでいる。建設事業部についてのみ、1月120時間の特別条項を締結している。
建設現場の残業申請は、勤務終了後の事後申請が殆どである。残業の終了時間を事前に決定することが難しく、システム上も実施できない。夜間勤務については事前申請を導入している。現場の勤務終了は現場責任者が判断するが、現場責任者は正社員が行う。現場責任者は通常2名で現場に常駐する必要があり、現場代理人として現場に赴くが、特に免許は不要であり、事業規模や実施体制によって担当者が決まる。現場代理人が終了時間を決定するが、重機の移動がある場合には重機の社内への移動を含めて業務時間とする。現場代理人は施工管理が業務内容であり、作業は行わない。
現場代理人となった場合は、現場作業終了後に施工管理の事務を実施する。事務は作業後の業務となるため、労働時間が長くなる傾向がある。工事の施工と打ち合わせが連続するケースもあり、夜勤から継続した長時間勤務が生じることもある。また、二名体制の場合、若手とベテランが組むことが多く、若手に作業負荷が集中することが多い。
工事が大きくなるほど、対顧客に大量の資料を作成する必要があり、作業負荷が高まる。
購買管理が標準化されておらず、個別工事によって購買先が異なっていることもある。そのため、資材の確保のために長時間労働が発生することがある。この課題については、既に改善策を進めており、システム導入や購入方法の一括化に取り組んでいる。コーポレートカードによる精算も導入予定である。
手待ち時間が長い課題は自社で解決できない。また、現場では上長との関係でつきあい残業が生じている可能性もある。
公共事業がメインであるため、年度末に向かう11月~3月の残業時間が長くなる。一方で年度初期の5月は相対的には閑散期となることが多い。
③休み方
年次有休休暇の取得日率は全体で7割に迫っており、全社的に休みにくい傾向があるわけではない。特に生コン事業部については実稼働時間が少ないこともあり、少しの工夫で有休を取得することが可能である。今後は配送日報のとりまとめなどの作業を簡素化・システム化ができれば、毎日出勤する必要がなくなるので、休めるはずである。ただし、管理職・建設事業部員を中心に、年次有給休暇取得が5日未満の人がいる。
振替休日・代休が取得しにくい傾向にあり、現在は有給休暇の取得よりも優先されている。しかし、なかなか取得出来ない場合もある。
管理部は有休取得が進んでおり、土曜について隔週で有休取得している。
子の看護等の理由でも有給休暇を取得する人が多いが、現在は育児・介護休業法上の「子の看護休暇」の取得促進を進めており、会社としては、年次有給休暇は別の目的で取得してほしいと考えている。
長期の休みについては、GWと年末年始、お盆休みなどにそれぞれ3日間の休日を設定している。
④マネジメント
出退勤は電子システム上で管理し、インターネット上のシステムで個人が報告する仕組みとなっている。建設事業部については作業現場への訪問(到着)から勤務スタートとし、携帯電話での出勤報告も可能となっている。会社に来た場合にはカードリーダ―の読み取りで管理している。実働と記録にズレが生じることもある。特に建設現場では「現場で勤務している時間が労働時間」として管理している。
建設事業部については、実施体制によってパフォーマンスに差がある。基本的な作業工程の確立が進んでおらず、工程の効率化が進んでいない。また、管理職も管理に苦労する場面がある。顧客によって対応しなければならない個別の事情もあるが、効率化そのものも取組む必要がある。
配置については、過去の実績や専門性を考慮して配置しているため、一部の人に技術が集中してしまう問題が生じており、技術承継や多能工化の取組が必要であると認識している。発注と入札等級の維持の問題があるため、入札等級の維持のために連続して同一人物を案件にアサインされることは避けられない部分がある。
採用は技術職と事務職で採用する。技術職の中では異動があり得るが、現場代理人は技術職のみである。新卒採用は毎年3名程度であり、近年は管理部に配属が増加している傾向がある。
アウトソースを進めた方が社内の労働量を減少できるため、アウトソーシングを進めている。
一昨年より技能職以外の従業員に対しては、所定外労働60時間分の固定残業代制を導入したため、従業員からみた場合には早く帰れる方が良い。技能職については、時間外労働時間の実績に応じた残業代を支給している。
⑤その他
業務の事務的な整理は昨年度に一度実施した。複数業務を実施できるように現在複数担当の育成を検討しているが、効果が出るのは少し先である。作業が天候に左右される部分があるため、年度末は突貫工事になることが多い。特に、荒天時についてはアルバイトの日給確保の問題もあり、「悪天候の為、中止」とすぐには判断できない問題もある。
社員意識調査を実施したいという思いはある。特に、賃金と残業や年次有給休暇取得のバランスについて、社員の意識を効果的に把握して、人事施策に活かしたい。
(4)働き方・休み方に関する課題
1)働き方
現場代理人となった場合は、現場作業終了後に施工管理の事務を実施する。事務は作業後の業務となるため、労働時間が長くなる傾向がある。
購買管理が標準化されておらず、個別工事によって購買先が異なっていることもある。そのため、資材の確保のために長時間労働が発生することがある。この課題については、既に改善策を進めており、システム導入や購入方法の一括化に取り組んでいる。コーポレートカードによる精算も導入予定である。
現場では上長との関係でつきあい残業が生じている可能性もある。
2)休み方
振替休日・代休が取得しにくい傾向にあり、現在は有給休暇の取得よりも優先されている。しかし、なかなか取得出来ない場合もある。
管理職・建設事業部員を中心に、年次有給休暇取得が5日未満の人がいる。
3)働き方・休み方共通
工事が大きくなるほど、対顧客に大量の資料を作成する必要があり、作業負荷が高まる。
基本的な作業工程の確立が進んでおらず、工程の効率化が進んでいない。
職人肌の社員にとって効率化(時短)は≒品質を落とすという認識があることは否めない。絶対に壊れないものを作るがために効率化が図れず、社員への効率化意識の落とし込みは出来たとしても実施ができない。
過去の実績や専門性を考慮して配置しているため、一部の人に技術が集中してしまう問題が生じており、技術承継や多能工化の取組が必要であると認識している。発注と入札等級の維持の問題があるため、入札等級の維持のために連続して同一人物を案件にアサインされることは避けられない部分がある。
業務の事務的な整理は昨年度に一度実施した。複数業務を実施できるように現在複数担当の育成を検討しているが、効果が出るのは少し先である。
社員意識調査を実施したいという思いはある。特に、賃金と残業や年次有給休暇取得のバランスについて、社員の意識を効果的に把握して人事施策に活かしたい。
(5)「働き方・休み方改善指標」診断結果
- 働き方・休み方に関するアウトプット指標
- 「働き方・休み方改善指標」による診断結果は以下のとおり。
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【労働時間】
週労働時間60時間以上の雇用者の割合は0%であった。
→貴社の週労働時間60時間以上の雇用者の割合は、全国の雇用者の平均値である8.5%(従業員規模30人~99人のカテゴリ)及び、国の定める目標値5.0%ともにクリアしている。
(36協定で定める労働時間の延長の限度基準である1ヶ月45時間を超える従業員は21.1%いる(注1)。)
(注1) 繁忙月 -
【年次有給休暇取得率】
年次有給休暇取得率は全従業員平均69.7%であった。
→主要産業の平均値である43.2%(従業員規模30人~99人のカテゴリ)はクリア出来ているが、国の定める目標値70.0%にほんのわずか達していない(安定的に目標値に達していない)。 - 貴社の長時間労働の社員の割合は目標値以上だが、繁忙月に1ヶ月45時間を超える従業員が存在することから働き方の改善が求められる。一方、年次有給休暇の取得率は国の目標値を安定的にクリアするまでに至っていないことから、休み方の改善が求められる。
- ※「1ヶ月あたりの残業時間が80時間を超える社員の割合」を「週労働時間60時間以上の雇用者の割合」と見なした。
(6)課題の整理と改善提案
働き方・休み方に関する課題の整理と改善提案は以下のとおり。
指標項目 |
現状と課題 |
対策案 |
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System(システム)
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項目3
改善促進の制度化 |
振替休日・代休が取得しにくい傾向にあり、現在は有給休暇の取得よりも優先されている。しかし、なかなか取得出来ない場合もある。
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休日出勤の代休取得にこだわらない年次有給休暇取得促進
確実に休んで休養をとり、リフレッシュして効率的に働くことができるようにすることが重要と考えられることから、休日出勤の際の代休取得にこだわらず、休日出勤として割り増しを含めて1ヶ月以内に賃金を払い、休養、リフレッシュのために積極的に年次有給休暇の取得を促進する。 |
管理職・建設事業部員を中心に、年次有給休暇取得が5日未満の人がいる。
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「記念日休暇」、「誕生日休暇」等のメモリアル休暇の設定
一部の年次有給休暇取得日数の少ない人たちがいる状況を改善し、年次有給休暇取得率の底上げを図るため、記念日や誕生日等に年次有給休暇の取得を促すメモリアル休暇制度を設ける。年次有給休暇を取得しない人や休みづらい人でも年次有給休暇を取得しやすくする理由付け・動機付けとして効果的と考えられる。誕生日休暇は、その性格上全ての社員に権利を提供できるため、他の休暇に先駆けてスムースな導入がしやすい。誕生月が繁忙である場合などは、前後の月への休暇の振替を前もって行うルールを設けておく等柔軟な対応を行い、業務への影響を最小限に抑える。 |
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Action(アクション)
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項目5
意識改善 |
職人肌の社員にとって効率化(時短)は≒品質を落とすという認識がある。絶対に壊れないものを作るがために効率化が図れず、社員への効率化意識の落とし込みは出来たとしても実施ができない。
現場では上長との関係でつきあい残業が生じている可能性もある。 |
一般社員向けの意識改善に向けた研修
一般社員向けの研修内容については、仕事は所定内で終えるのが基本であり、良いものをつくることと効率化を図ることは必ずしも逆相関の関係にあるわけでは無いこと、効率的に仕事を遂行して早く退社し、又は年次有給休暇を有効に活用することを通じて、家族と過ごす時間を大事にし、自己啓発や休養、趣味なども含めて、人間性を高めるために使うことを推奨する研修を実施し、社員の意識改善を図る。研修の実施に当たっては、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方は、仕事上の工夫や仕事の質の向上につながることを実感できるようなものとし、その実例についても紹介することを通じて、残業・年次有給休暇に対する意識の変革を図る。 |
項目7
仕事の進め方改善 |
現場代理人となった場合は、現場作業終了後に施工管理の事務を実施する。事務は作業後の業務となるため、労働時間が長くなる傾向がある。
工事が大きくなるほど、対顧客に大量の資料を作成する必要があり、作業負荷が高まる。 |
施工管理事務関連資料作成の負荷軽減
現場代理人の現場作業終了後に作成する施工管理関連資料について、作成が必要な資料であることからそれ自体を簡素化することは出来ないため、効率よく資料作成できて負荷が軽減できるようシステム的なサポートを工夫する。記載内容については、「施工管理モデル」を作成することを検討していることから、その内容を元に記載すべき情報、過去の記載事項、記載例などすぐに取り出して作成中の資料に入れることが出来るような簡易的なデータベースの作成と活用を検討するなど内容の標準化と資料作成のIT化を進め、施工管理業務全体の効率化を図る。 |
購買管理が標準化されておらず、個別工事によって購買先が異なっていることもある。そのため、資材の確保のために長時間労働が発生することがある。この課題については、既に改善策を進めており、システム導入や購入方法の一括化に取り組んでいる。コーポレートカードによる精算も導入予定である。
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購買方法の一括化・システム化の推進
購買方法の一括化とシステム化に取組み、また、現場で急に必要となったものの調達にコーポレートカードによる精算を導入予定でありことから、今後、購買管理が標準化・効率化されていくと思われるが、現場においては必要資材など前広に購買システムによって調達するよう心がけ、円滑な工事進行が行えるようにする。 |
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基本的な作業工程の確立が進んでおらず、工程の効率化が進んでいない。
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作業工程の標準化・効率化
作業工程の標準化・効率化に向けて計画している業務改善プロジェクトを推進する。すぐには効果が出てこないかも知れないが、積み重ねていくことによって徐々に効果が大きくなってくると思われる。国土交通省「情報化施工推進戦略」などに記載されていることを参考に検討。 |
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過去の実績や専門性を考慮して配置しているため、一部の人に技術が集中してしまう問題が生じており、技術承継や多能工化の取組が必要であると認識している。発注と入札等級の維持の問題があるため、入札等級の維持のために連続して同一人物を案件にアサインされることは避けられない部分がある。
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専門性の強化と多能工化の両立に向けた人材育成
入札での競争力や入札等級の維持などのため、実績を積み、専門性の高い人材を配置する必要が高いことから、そのような人材を育成して技術継承していくことは重要である。営業上、連続して同一人物を案件にアサインしていくことになるが、その際に、案件によっては、その案件に新たな人材を追加配置して経験を積ませ、専門性を高めて、主任技術者、現場代理人へと育成していくことも考えられる(戦略的な人材育成の視点からの配置)。また、専門性は狭い領域の中だけで継続的に育成していくより、隣接する領域の仕事も行う事により、より深まることもあるので、多能工化に向けた配置も視野にいれて行く必要がある。 |
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業務の事務的な整理は昨年度に一度実施した。複数業務を実施できるように現在複数担当の育成を検討しているが、効果が出るのは少し先である。
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事務業務の組織的対応体制整備と人材育成
業務の整理は一度実施しているので、仕事が属人化しないよう業務を組織的に遂行する体制を整備するとともに、効率的・効果的な仕事の進め方について社内で共有する。仕事が属人化すると、例えば、その社員が不在になれば業務が停滞するなど、会社組織としてリスクを含んでおり、また、働き方・休み方の改善に向けた課題とも考えらえる。業務の組織的遂行に関しては、業務範囲を他のメンバーとダブらせるなど、協力しあう体制を検討する。 そのために、ある程度複数業務を経験させて、いわば多能工型の育成・業務経験の取得をさらに進める必要がある。 |
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Check(チェック)
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項目8
実態把握・管理 |
社員意識調査を実施したいという思いはある。特に、賃金と残業や年次有給休暇取得のバランスについて、社員の意識を効果的に把握して人事施策に活かしたい。
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社員意識調査の実施・分析
社員の意向を把握して、人事労務施策を検討する基礎資料とするため社員意識調査を実施する。内容は、残業、仕事の満足度・やりがい、モラール、評価、処遇、年次有給休暇取得などとして、職種別にこれらを総合的に分析することで、働き方・休み方改善のみならず、様々な施策を検討する際の資料とすることができる。 上記の社員意識調査以外にも、長時間労働や年次有給休暇の取得が低調な部署と個人、良好部署と個人に対してヒアリング等の方法により実態を把握し分析することで、改善の取組の実効性を高める。 |
(7)改善提案の活用
提案の活用、取組状況に関しては以下のとおり。
1)休日出勤の代休取得にこだわらない年次有給休暇取得促進
実施に向けて検討。1年間の変形労働時間制を1ヶ月の変形労働時間制にする。
2)「記念日休暇」、「誕生日休暇」等のメモリアル休暇の設定
実施に向けて検討。年次有給休暇の計画取得(この中を記念日休暇・誕生日休暇と位置付ける)を強く促進し、かつ誕生日休暇を創設する。計画取得については管理職が100%を目標とする。
3)一般社員向けの意識改善に向けた研修
すぐに実施は難しいが、今後検討したい。早く帰って自分の時間を作ること、長時間労働により引き起こされるマイナスの事柄を毎回の研修で10分入れ込む。
4)施工管理事務関連資料作成の負荷軽減
すぐに実施は難しいが、今後検討したい。
5)購買方法の一括化・システム化の推進
実施に向けて検討。
6)作業工程の標準化・効率化
すぐに実施は難しいが、今後検討したい。
7)専門性の強化と多能工化の両立に向けた人材育成
実施に向けて検討。技能職から順にOJTでの教育を進める。
8)事務業務の組織的対応体制整備と人材育成
すぐに実施は難しいが、今後検討したい。
9)社員意識調査の実施・分析
実施に向けて検討。上記取組を行った上で以下の項目についてアンケートを取る。
・働き方改善についての取り組みと、実情について
・年次有給休暇の取得についての満足度
・働き方に対する自信の満足度
・上司と自信に関する関係性についての満足度
(8)「働き方・休み方改善指標」活用の効果(結果)
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