S社(2015年度)

(1)企業概要

社名
S社(2015年度)
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業種/事業概要
金融・保険業/金融商品の開発・販売等
従業員規模
8,000名程度※2015年11月
本社所在地
東京都
労働時間制度
始業終業時間 9:00-17:00(1日の所定労働時間は7時間)
休憩時間 12:00-13:00(60分)
フレックスタイム制(コアタイムは10:00‐15:00)は内勤のうち一部に適用

(2)働き方・休み方改善に関するこれまでの取組と指標活用のきっかけ

1)これまでの取組
決められた時刻(例えば遅くとも20時)での退社を推進するキャンペーンを行っている。 
・男性の育児休業又は休暇取得促進・効率的な働き方への改革の啓発 ・休暇取得予定表の部署への配布 ・毎月役員へ労働時間の状況と年次有給休暇取得率を報告
・バケーションポリシー(連続5日の年次有給休暇の取得を奨励)の設定
・在宅勤務制度の導入(対象は内勤、本人希望と上司の承認に基づく)
・女性をコアメンバーとする会議を毎年社内で開催しており、今年は「ワーク・ライフ・バランス」をテーマとして実施。

2)「働き方・休み方改善指標」活用のきっかけ
ワーク・ライフ・バランス改善のため、「効率的に働く」というコンセプトで全社員へ啓発活動を始めたばかりであり、これから具体的なアクションに落とし込んでいきたいと考えているが、実際にどのようなアクションを行うかについての検討を行うに当たり、第三者の意見を伺うため、活用することとした。

(3)働き方・休み方の現状・背景

1)人事部の課題認識
今回の働き方や休み方改善取組の対象は、本社等の主に営業に関連する内勤社員を想定している(以下、課題などは内勤社員についての記述である)。
部署によって労働時間や年次有給休暇取得率に大きな差がある。
管理職になりたくない若手が増えている。

2)仕事特性と働き方・休み方の現状
①組織体制
拠点として、都内に2拠点(本社及び代理店からの問い合わせに対して、一次対応を行うコールセンター)を置き、地方に本社機能の一部(コールセンターや経理の一部)を移転している。また、営業所は47都道府県にある。
本社・コールセンターは「部門」で構成されており、各部門下に「部」、その下に「チーム」があり、営業所は、「局」→「支社」→「営業所」で組織する。
働き方や休み方の改善取組の推進は、ダイバーシティ推進担当部署を中心に行っており、部門ごとに窓口となる社員を配置している。
中途採用が多く平均年齢は40歳前後。新卒採用を数年間行っていなかったが、2016年の春に再開する。現在、退職補充の形で中途採用を行っているが、採用と育成が間に合っておらず、慢性的に人材不足の状態となっている。

②働き方
新規商品を売り出す時期やキャンペーンを実施する時期が忙しくなる。時期が一定で無い為、繁忙期の時期は毎年ばらばらである。
部署によって労働時間や年次有給休暇取得率にかなりの差がある。特に、管理部門や営業部門の内勤社員、例えば金融機関や代理店とのやり取りを職務とする部署の内勤社員は、顧客の営業時間、顧客の働き方に合わせて業務を遂行する必要があるため、労働時間が長くなりがちである。また、代理店の営業時間が長いため、代理店に係る営業部署の内勤社員は、長時間労働になりやすい(特に大規模小売店舗の店子である代理店への対応は朝早くから夜遅くまでと長い)。
会社の方針として、近年、本社業務各部門を縮小しつつ営業機能の拡大を図った結果、本社における事務作業が増えた。
管理職は自身の労働時間管理についての意識が低く、総じて労働時間が長い。従業員意識調査によれば、多くの社員が「管理職は労働時間が長い」というイメージを持っており、長時間労働等を理由に、若手社員の管理職等への昇進意欲が下がっている。
平成27年に週1回の在宅勤務制度を本格的に導入したが、モバイル・IT環境等在宅勤務の作業環境改善をさらに整備していく必要であることが分かっており、今後の検討課題となっている。
ワーク・ライフ・バランス推進を目的として、決められた時刻での退社を推進するキャンペーンを実施しているが、キャンペーンに対する意識が根付いていないこともあり、部署や個人によって、目標退社時刻(20時)よりも早く帰る社員、遅く帰る社員と様々で、有効に機能しているとは言い難い(形骸化している)。また、全社でノー残業デーは取り入れていない(自ら行っている部署はある)。
残業を美徳とするような個人の意識はないが、営業成績のためには残業を惜しまないような意識は存在すると人事は考えている。
新人研修・教育が十分でないまま営業担当部署に配属することがある。しかし、現場でもOJTに対応できないほど周囲の社員も多忙のため、新人のケアが不十分な状態が発生し、その結果、知識等も十分でないためにミスに繋がる。このように、業務上必要な教育研修の不足しているため、その後の現場配属で実際の業務と知識レベル等のミスマッチが起こり、そのことが、退職者を発生させる一つの要因となっている。また、退職者の発生に起因する人材不足が他の社員の長時間労働に繋がっている。

③休み方
土曜・日曜・祝日が所定休日であり、夏季休暇(7~9月に5日間取得※連続でなくてもよい)と年末年始休暇(12月29日から1月3日)がある。ゴールデンウィークは所定休日以外に休暇を設けていない。
年次有給休暇の取得予定表の様式はあるが、部署による使用状況はまちまちであり、年次有給休暇の取得は進んでいない。
営業担当の内勤社員は、休日に顧客獲得のためのセミナー等に参加することがあるが、代休の取得が徹底されておらず、年次有給休暇取得率も低い傾向にある。
所属する営業部署が営業目標等を達成できていない場合、休暇取得が進まない雰囲気がある。また、管理職の年次有給休暇取得に対する意識に個人差があることから、部署により社員が年次有給休暇を取得しにくい雰囲気のある可能性がある。
上司が部下に対して、年次有給休暇取得の働きかけを行っている部署では取得が進んでいる一方で、上司が年次有給休暇を取得していない場合、部下は、年次有給休暇を取得すると印象が良くないのではないか、といった間違った認識を持ってしまっているのではないかと考えており、年次有給休暇の取得促進には、上司の意識・働きかけがポイントではないかと考えている。

④マネジメント
グループ企業の結束が強く、グループ企業共同による取組が多い。改善の取組に対するトップの理解も深く、全社的に施策に取り組むことができる環境がある。経営層は、働き方や休み方改善の重要性や意義を理解しており、取組推進には積極的な姿勢であるが、実施するためのノウハウが無く、推進できていない。
また、ダイバーシティにも積極的であり、その一環として、企業風土の改革とダイバーシティを推進する専任の部署を設置した。あわせて、各部門にダイバーシティ担当者を置き、ダイバーシティ施策を各部門で効果的に実施するための体制を整えている。
勤怠管理システムに各自が出退勤時刻を入力する「自己申告」をベースとするシステムで社員の勤怠管理を行っており、部署の勤怠は月末にまとめて上司が電子上で承認する。このように、労働時間管理を社員の自己申告により行っていること及び上司が月末に一括承認しているため、労働時間が適正に把握されていないおそれがあるが、具体的に対策を講じることができていない。
管理職研修において、部下の労務管理(ワーク・ライフ・バランスを確保した働き方・休み方など)に関する内容が数年前から廃止された。その為、現在は労務管理についての研修はない。残業の多い社員、年次有給休暇の取得の進まない社員を部下に持つ管理職に対する指導等を行うルールもない。また、管理職・一般社員ともに、ワーク・ライフ・バランスや働き方・休み方改善についての研修はない。
中途採用者が多く、管理職の部下マネジメントも、これまでに培ったマネジメントスタイルが影響しており、実態は多様である。
内勤社員の評価は成果が中心で、管理職・一般社員ともに、自身・部下の働き方・休み方の改善と社員の評価が紐づいていない。
職務型の人事マネジメントを行っており、通常、各人の担当する職務がはっきりとしている。その為、職能型のマネジメントで行われることがある従業員の「多能工化」は行いにくい。また、自身の業務は他に任せにくい。

⑤その他
ES調査を毎年実施している。結果は○○に対して共有されており、例えば社内における「職場環境の改善に向けた提言」などの立案の根拠資料になるなど、施策に活かされている。

(4)働き方・休み方に関する課題

1)働き方
部署によって労働時間や年次有給休暇取得率に大きな差がある。
36協定の周知が徹底されていない。
長時間労働の抑制を目的とした決められた時刻での退社を推進するキャンペーンが形骸化している。
労働時間管理を社員の自己申告により行っていること及び上司が月末に一括承認しているため、ため、労働時間が適正に把握されていないおそれがある。
管理職研修に、部下の労務管理(ワーク・ライフ・バランスを確保した働き方・休み方など)が盛り込まれていない。また、管理職・一般社員ともに、ワーク・ライフ・バランスや働き方・休み方改善についての研修を行っていない。
管理職・一般社員ともに、自身・部下の働き方・休み方の改善(長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進等)が人事評価と関連付けられていない。

2)休み方
所定休日に出勤した場合の、代休の取得が徹底されていない。

3)その他
長時間労働等を理由に、若手社員の管理職等への昇進意欲が下がっている。
業務上必要な教育研修の不足から、その後の現場配属で実際の業務と知識レベル等のミスマッチが起こり、そのことが、退職者を発生させる一つの要因となっている(それに起因する人材不足が他の社員の長時間労働に繋がっている)。

(5)「働き方・休み方改善指標」診断結果

働き方・休み方に関するアウトプット指標
働き方・休み方に関するアウトプット指標
働き方・休み方に関するアウトプット指標
「働き方・休み方改善指標」による診断結果は以下のとおり。
【労働時間】
週労働時間60時間以上の雇用者の割合は1.6%であった。

→貴社の週労働時間60時間以上の雇用者の割合は、全国の雇用者の平均値である8.0%(社員規模1、000人以上のカテゴリ)及び、国の定める目標値5.0%ともにクリアしている。
(36協定で定める労働時間の延長の限度基準である1か月45時間を超える社員は18.9%(注1)いる。)
(注1) 繁忙期における値
【年次有給休暇取得率】
年次有給休暇取得率は全社員平均43.2%であった。

→主要産業の平均値である54.6%(社員規模1、000人以上のカテゴリ)及び、国の定める目標値70.0%ともに下回っている。
貴社の長時間労働の社員の割合は目標値以上だが、36協定で定める労働時間の延長に関する国の限度基準である1か月45時間を超える社員が一定程度存在しているため、働き方の改善が求められる。また、年次有給休暇の取得率は主要産業の平均値に到達しておらず、休み方の改善が求められる。
※「1ヶ月あたりの残業時間が80時間を超える社員の割合」を「週労働時間60時間以上の雇用者の割合」と見なした。
働き方
休み方

(6)課題の整理と改善提案

働き方・休み方に関する課題の整理と改善提案は以下のとおり。

指標項目
現状と課題
対策案
System(システム)
項目3
改善促進の制度化
長時間労働を抑制することを目的とした決められた時刻での退社を推進するキャンペーンが形骸化している。
トップのコミットメントを全社で徹底させる
前頁のアウトプット指標で確認できる通り、「方針・目標の明確化(トップのコミットメント)」の数値は高い。しかし、他の項目をみれば、ルール化や制度化、意識改善の数値はとても低い。つまり、トップのコミットメントに対して、全社徹底がなされていない。全ての取組のベースとなる「トップメッセージ」とは会社の経営方針であることを全社員が自覚し、コミットメントに対する意識の統一を図る。
ルールの周知・運用を徹底する
項目5の「意識改善」における、働き方・休み方改善のための教育・研修等において、決められた時刻での退社を推進するキャンペーンについて、取組の意義を伝える。さらに取組推進担当部署が中心となり、各部署の管理職に対し、部下に対する周知を行うように働きかける。
項目4
改善促進のルール化
部署によって労働時間や年次有給休暇取得率に大きな差がある。
管理職・一般社員ともに、自身・部下の働き方・休み方の改善(長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進等)が人事評価と関連付けられていない。
所定休日に出勤した場合の、代休の取得が徹底されていない。
長時間労働等を理由に、若手社員の管理職等への昇進意欲が下がっている。
管理職・管理者の人事評価項目に、部下のワーク・ライフ・バランス管理に関する項目を設定する
適正な労働時間の管理、年次有給休暇の取得促進は、社員の労働生産性を高め、質の向上、優秀な人材の確保その他さまざまな効果が期待できる。このため、管理職の人事評価に部下のワーク・ライフ・バランス管理についての項目を組み込み、上位層になるにつれ、ワーク・ライフ・バランス評価の重要度を高める。また、休日出勤に対する代休の取得状況についても、同様にワーク・ライフ・バランス評価に組み込むことで、部下のワーク・ライフ・バランス管理への関与を促す。
一般従業員の人事評価項目にワーク・ライフ・バランス管理に関する項目を設定する
所定外労働、年次有給休暇の取得実績を、本人のモチベーション等にも配慮し、人事考課にも反映させることで、従業員全体、特に、長時間労働に従事している(1か月の平均所定外労働時間数が45時間以上等)、又は年次有給休暇の年間取得状況が低調(取得日数が5日未満等)な従業員のワーク・ライフ・バランスに対する意識を高める。また、休日出勤に対する代休の取得状況についても、同様にワーク・ライフ・バランス評価に組み込む(休日出勤が想定されている場合には、あらかじめ休日の振替日を決めたうえで休日出勤することも検討する)。
※適正な労働時間の管理、年次有給休暇の取得促進は、社員の労働生産性を高め、質の向上、優秀な人材の確保その他さまざまな効果が期待できる。残業時間、年次有給休暇の取得最低ラインを自己管理させて人事考課にも反映させることで、従業員全体、その中でも特に、長時間労働や年次有給休暇の取得日数が低調な従業員のワーク・ライフ・バランスに対する意識を高める。ただし、残業時間数の増減は、従業員の能力にも大きく左右されるため、仕事効率が評価に加わることによりサービス残業を助長させることがないように、教育を行い、さらに会社はPCのログチェックなどによって入退社時刻はきちんと管理する。
Action(アクション)
項目5
意識改善
管理職研修に、部下の労務管理(ワーク・ライフ・バランスを確保した働き方・休み方など)が盛り込まれていない。また、管理職・一般社員ともに、ワーク・ライフ・バランスや働き方・休み方改善についての研修を行っていない。・長時間労働等を理由に、若手社員の管理職等への昇進意欲が下がっている。
一般社員向けの働き方・休み方改善のための教育・研修を行う
休養の重要性、長時間労働と健康・仕事効率の関係などを従業員に認知してもらうため、全従業員の受講を義務とする教育・研修を行う(集合研修に限らず、e-ラーニング等でも可能)。その際、年次有給休暇取得によって上司からの印象が悪くなることはないこと、会社として取得を奨励していることも伝える。
管理職向けの働き方・休み方教育・研修を行う
管理職自身の働き方・休み方の改善、部下の労働時間管理、部下の所定外労働や年次有給休暇取得の適正な管理について教育・研修を行い、日頃から部下の働き方・休み方に対するマネジメントが必要である事を意識させる。
併せて、現状個人差のある部下の働き方・休み方に対するマネジメントスタイルも標準化する。
また、上司の年次有給休暇の取得が、部下の年次有給休暇の取得に対する印象を変え、取得に繋がることも伝える。
※なぜ取り組むのかを理解した上で行動に移すのでなければ、取組自体も、そしてそれが評価に紐づいていることも従業員には単なるストレスとなるため研修内容は工夫が必要。
項目6
情報提供・相談
36協定の周知が徹底されていない。
36協定の上限、特別条項について周知を徹底する
36協定の意味、内容を知らないことは、長時間労働が常態化する原因となりうる。
そこで、社員に対して、項目5の「意識改善」における、働き方・休み方改善のための教育・研修等を活用し、時間外労働の意味、残業量と労働災害の関係などを周知徹底することで、長時間労働の抑制を認識させ使用者は、部下が長時間労働による体調不良等を引き起こした場合の責任の所在を自覚し、お互いに長時間労働をしない・させない環境づくりを行う。
業務上必要な教育研修の不足から、その後の現場配属で実際の業務と知識レベル等のミスマッチが起こり、そのことが、退職者を発生させる一つの要因となっている。
現場配置前の初任研修を手厚くして、現場における不安を軽減させる
現場配置前の初任研修を手厚くすることで、配属後の知識レベル等にミスマッチを起こすことを防止し、退職者の発生を抑制する。
また、退職者の発生を抑制することは、新人研修を行うための人的・金銭的負担の削減にもつながり、働き方・休み方の改善につながることが期待される。
退職者の退職理由については、より具体的にヒアリングを行い、ヒアリング結果を新任研修の内容に反映させる等により、社員定着を図るための一助とする。
※採用担当者の労働時間、生産能力のない新人への研修・人件費等の費用の投入、トレーナーの労働費用の投入、トレーナーが通常業務で生産できる成果物のロス、研修に使用する事務用品費、光熱費その他の多額の費用を費やしている。
新任の従業員ケアを充実させる
新人が現場で業務を行い馴染むには、上司をはじめとする周囲のサポートは欠かせない。
そのため、上司・先輩等が、新人を手厚くサポートする環境を整え、新人が孤立しないような環境ケアを行うことが重要である(メンター制も有効である)。
Check(チェック)
項目8
実態把握・管理
労働時間管理を社員の自己申告により行っていること及び上司が月末に一括承認しているため、労働時間が適正に把握されていないおそれがある。
自己申告とPCのログ記録等の照合による労働時間管理を日々行う
ことから、管理職を含む社員各自のPCログ記録等の客観的な記録と自己申告時間を日々照合する方法により、労働時間管理を改善する。
また、上記による労働時間管理と併せて、月の所定外労働が一定時間(例えば36協定の最大延長時間)蓄積した社員に対して、取組推進担当部署等から、部門長や本人に対してメール等により警告が行われるような仕組みを導入することで、長時間労働の注意を促し、抑制を図る。

(7)改善提案の活用

提案の活用、取組状況に関しては以下のとおり。
1) ルールの周知・運用を徹底する
以前発信した職場環境改善に関するメッセージの内容を一部変更の上、新社長の名前で再度周知する。
2) 管理職・管理者の人事評価項目に、部下のワーク・ライフ・バランス管理に関する項目を設定する
人事評価項目ではないが、役員の意識向上アクションシートにWLBに関する項目を必ず入れることを来年度より開始する。
3) 一般社員向けの働き方・休み方改善のための教育・研修を行う
直接全員に向けたものではないが、各部門の企業風土変革の担当者に働き方変革のセミナーを実施し、それぞれの部門で伝達研修を実施する。
4) 管理職向けの働き方・休み方教育・研修を行う
働き方・休み方の改善に向けたガイドブックを作成しイントラネットに掲載するまた、ガイドブックを活用し、管理職向けの働き方・休み方の改善のための説明会を開き、各チームで働き方改革を実施する。
5) 36協定の上限、特別条項について周知を徹底する
勤怠管理システムを改修する方向で検討している。
6) 自己申告とPCのログ記録等の照合による労働時間管理を日々行う
現在システムを確認しており、システム上可能であれば導入に向けて検討したい。

(8)「働き方・休み方改善指標」活用の効果(結果)

1) ルールの周知・運用を徹底する
各部門でワーク・ライフ・バランスの改善に関する取り組みの推進が加速し、実際に時間外労働時間が減り、年次有給休暇の消化率が増えた部門もあった。また、業務効率化につながるシステム改善の優先順位が上がり、効率化が進んだ。

2) 管理職・管理者の人事評価項目に、部下のワーク・ライフ・バランス管理に関する項目を設定する
アクションシートの記入や回収がうまくいかなかった。シートの記入に関わらず、役員の時間外削減に関する意識は高まっているため、部門による取り組み自体は上記の通り進んだ。

3) 一般社員向けの働き方・休み方改善のための教育・研修を行う
在宅勤務の活用など多様な働き方も含めて働き方改革の事例を共有することを継続的に行った結果、部門によるオリジナリティのあるアクションが多く実施された。

4) 管理職向けの働き方・休み方教育・研修を行う
業務の見直しに関するアクションのメニューはイントラにアップしたが、管理職研修では一部触れる程度となっている。その代わり、ワーク・ライフバランス社の小室淑恵氏の講演をイントラを通じて社員全員が聞けるようにした。

5)36協定の上限、特別条項について周知を徹底する
時間外の年間累積が見えるようになり、上限を意識するようになったと感じる。引き続き管理職研修で重要性を訴えていきたい。

6)自己申告とPCのログ記録等の照合による労働時間管理を日々行う
未実施:PCログ記録について、ログオフしないままの社員が多いことが判明し、そのまま使えない状態。引き続き労働時間管理の方法を検討している。

7)その他
会社全体で長時間労働はよくない、という雰囲気になってきたと感じる。さらに、まだ検討段階ではあるが、時間外労働削減の取組にインセンティブを付ける、というような新たな取組のアイディアも出てきた。また、営業部門の一部でも強力なトップダウンで18時退社という目標を掲げ、社員に本気だと思わせるような取り組みも出てきた。

(平成27年度事業)

事例を評価する