KDDI株式会社
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報

企業名 |
KDDI株式会社
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所在地 |
東京都
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社員数 |
61,288名(連結含む)(時点:2024年3月時点)
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業種 |
情報通信業
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取組事例
取組の目的 |
・企業理念の冒頭に「全従業員の物心両面の幸福を追求」を掲げ、従前より、会社が永続的に成長し社会の発展に貢献し続けていくためには、従業員一人ひとりが経済的な安定と心の豊かさを得られる環境にあることが何より重要であると考えてきた。また、2022~2025年の中期経営戦略では「人財ファースト企業への変革」を重要課題(マテリアリティ)の一つとして掲げている。上記の理念のもと、社員エンゲージメントの向上を、経営上の目標指標として設定している。
・競争環境の変化に伴い事業領域の拡大が求められるなか、若手を中心とした従業員の挑戦意欲の向上が課題となっていた。また、エンプロイーエンゲージメントは高いもののワークエンゲージメントが比較的低く、従業員が主体的に仕事に取り組む環境の整備が必要だった。同社は、多様で高度なプロ人財の活躍と挑戦心あふれる企業風土の醸成によりイノベーションを創出することを目指しており、そのためにジョブ型人事制度の導入や新たな人材育成体系の整備などの各種人事改革とともに、働きがいの向上にも取り組んでいる。 |
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取組の概要 |
○主な取組内容
①エンゲージメントサーベイの実施と現場へのフィードバック、②人事データとアンケート結果を掛け合わせた分析、③1on1ミーティングの実施の大きく3つの取組を行っている。 ①エンゲージメントサーベイの実施と現場へのフィードバック ・同社では、ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントを合わせて「社員エンゲージメント」と呼称している。「社員エンゲージメント」を計測し、また向上させるためにエンゲージメントサーベイを実施している。 ・以前より組織パフォーマンスの測定を目的に自社開発の従業員意識調査を実施していたが、2019年より外部のエンゲージメントサーベイに切り替えた。 ・外部ツールを採用した理由は①集計結果が現場で確認・活用可能となるまでの迅速さ②他社との比較が行うことができること、③エンゲージメント研究の第一人者の監修による学術的な裏付けのある調査ができること、の3点である。 ・外部エンゲージメントサーベイでの初期設定の設問(支援、人間関係、承認、自己成長、職務、健康、理念戦略、組織風土、環境について)32問に、独自に設問を約30問追加し、合計で70問前後のサーベイを年3回実施している。 ・エンゲージメントサーベイの回答率は毎回97~98%と非常に高い回答率である。「毎回70問を回答することの負荷は低くない」という認識はあるものの、回答すればきちんと現場へフィードバックがなされるということを従業員が認識しているため、高い回答率となっていると推測される。 ・従業員の回答完了後、リーダー(課長職相当)がすぐに結果を閲覧可能であり、現場の現状把握・改善サイクルを迅速に回すことにつながっている。 ②サーベイ結果と人事データを掛け合わせた分析 ・エンゲージメントサーベイで得た結果と、人事部門が持つ他の人事労務データ(勤怠、異動、時間外労働時間、副業実施状況、人事評価の結果、1on1の回数など)を掛け合わせて、どのような要素がエンゲージメントと相関関係にあるか分析し、現場にフィードバックしている。 ・人事部門のなかに人事データの収集・分析に特化した部署があり、当該部署がサーベイの結果と人事施策のデータの分析を行っている。「人事部門×KDDIの強みであるデータ分析」を掛け合わせた体制を構築している。 ③1on1ミーティングの実施 ・これまでの分析の結果、エンゲージメントの向上と、1on1の実施回数や内容などとの関連性が判明してきている。より有意義な1on1が実施されるよう、現場のリーダーに対する支援を人事部門から行っている。例えば、1回30分間で1on1を実施する場合の進め方をハンドブックとして作成し配布したほか、1on1に関するリーダー向け研修を実施した。 ・新たな人事制度の導入以降、人事部門肝入りの施策として1on1を重要視しており、経営層の強い意向を受け、人事本部が積極的に浸透させた経緯がある。1か月に1回実施することを義務づけ、2023年には実施有無を確認する実態調査も行った。 ・1on1の実施回数や内容がエンゲージメントとの影響があることを示すデータを現場に提示し、エンゲージメント向上のための重要な施策であることを理解してもらっている。 ・また、職務への納得感も重要な要素であることがわかってきており、新たな職務への配属に際しては異動理由や期待する役割などを説明し、納得感が得られるように工夫している。 ○その他の取組 ・現場と人事部門での両輪の施策がワークエンゲージメント向上に重要であると考えており、現場のリーダーに対するサポートを積極的に人事部門から展開している。 ・前回の調査結果からの変化や他の職場との比較に基づき部署の強みや弱みをまとめた「スコアギャップシート」や、ストレスチェックの結果や時間外労働時間など、他の人事労務データと紐づけた結果を提示し、どの要素がエンゲージメントと関連しているのかまとめた「マネジメント・インサイト」を人事部門で作成し、現場のリーダーに提示している。 ・サーベイの結果を踏まえた具体的な現場での改善施策については、人事部門で「アクション集」を作成し、現場に配布することで、エンゲージメント向上のための具体的な取組の実施を支援している。 |
現状とこれまでの取組の効果 |
・2019年のエンゲージメントサーベイの導入と同時に、新人事制度への変更、キャリア自律を意識した人材育成制度の導入も進めてきた。これらもあいまって、特に若手層のエンゲージメントスコアが向上したほか、挑戦する風土に関するスコアの向上にも成功している。
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(R6.8)