上田運輸株式会社

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  • 選択的週休3日制
  • ワークエンゲージメント

企業情報

上田運輸株式会社
企業名
上田運輸株式会社
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所在地
石川県小松市
社員数
95名
業種
運輸業

取組事例

取組の目的
近年2024年問題が問題視されており、運輸業界の労働時間や待機時間の削減、人手不足などが取り上げられている。そこで、当社ではこれらの問題に対応するために、下記のような取組みを行っている。
(1)積込み・荷積み時間の削減
(2)従業員のやりがいを維持しながら働ける環境の整備
取組の概要
<現在の取組>
○トップメッセージ
当社は「明るい豊かな社会の実現を目指すと共に、全社員の物心両面の幸福を追求する」を理念とし、社会に貢献するとともに労働環境の見直し・生産性の向上・従業員満足度の向上を目指します。

○長時間労働の削減に向けた取組
1)積込み時間の削減
(課題)これまでは、荷主の物流担当部署の出荷情報を元に出荷の業務を行っていたが、それでは出荷に合わせた生産体制ではないため、ピッキングなど業務が効率的では無かった。
(解決策)荷主側と問題点を共有し、出荷に合わせた生産体制を構築。
川下(物流)だけではなく、川上(生産)まで含めて改善活動することで、荷主様と当社の双方の生産性UPに繋げることができた。また、作業効率向上により、その分のコストメリットを双方で得られるようになった。
2)待機時間の削減
(課題)以前は、いつ製品が出荷可能なのかを荷主側が把握しておらず、トラックが出荷可能になるまで何台も待機していた。また、配送先ごとに仕分けができておらず、作業が二度手間になっていた。
(解決策1)出荷する製品に優先順位付けた生産管理をすることで、出荷が可能になる時間を明確にした。そして、出荷が可能になった製品から順に積み込むことで、待機時間を大幅に削減にすることに成功した。
(解決策2)配送先ごとに仕分けができていなかったものについては、ピッキングの際に配送先ごとに仕分けをして、作業の二度手間を削減した。

○年次有給休暇の取得促進の取組
(課題)労働時間の増加傾向に伴い、年次有給休暇は取得しづらい状況だった
(解決策)長期休暇を促進するために、計画的付与制度を導入した。ゴールデンウイーク、お盆、年末年始などの間にある出勤日を「年次有給休暇取得推奨日」に設定して、ブリッジ休暇やプラスワン休暇を促した。休息日を増やすことで、労働者の疲労回復とワークライフバランスを促進して、働きやすい環境を整備した。その結果、全社的に年次有給休暇取得日数が増加した。

○その他の取組
1)年間所定休日の増加
2022年度 111日
2023年度 112日
2024年度 115日
2)男性育休休業取得の促進
取組初年度の令和6年度の実績は1名。今後も積極的に取得を促進していく。
3)「資格取得制度」を設けて各種免許・資格の取得を支援
トラック、フォークリフトやクレーン他、キャリアアップを支援している。
4)多様な働き方に対応
本人の意向を聞き、長距離、中距離、近隣などの業務を決めている。
現状とこれまでの取組の効果
取組の結果、以下の効果が認められた。
1)積込み時間の削減:
作業指示書による優先順位を決め、出荷日の5日前に社内に通知した。午前中に出荷する物件は前日に仕分けを完了させ、「前日AM完成一覧表」で管理した。
また、搬入区分や出荷エリアを色分けするなど庫内のレイアウトを変更した。
その結果、トラック1台あたりの積込み時間:90分 → 50分 ▲40分削減
2)待機時間の削減
ピッキング作業から荷纏め作業をワンオペレータ化した。荷姿の高さを平準化、パレットサイズを調整、ピッキング台車とパレットの数量を軽減した。
その結果、トラック1台あたりの拘束時間:17.7時間/日 → 15.5時間/日 ▲2時間20分削減

<今後の課題・取組>
運送業界では人手不足の問題が深刻なため、2024問題の影響および効果がこれからでてくると予想される。そのため、労働時間、待機時間、拘束時間の削減が引き続き業界全体の目的とし必須である。その成功のカギは荷主側との協力体制にほかならず、双方の利益に繋がるような改革を促進していきたい。また、業界のイメージアップになるような仕組みを構築し、採用につなげたい。
(R7.1)

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