社会福祉法人福泉会

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
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  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制
  • ワークエンゲージメント

企業情報

社会福祉法人福泉会
企業名
社会福祉法人福泉会
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所在地
福井県福井市
社員数
215名
業種
高齢者介護福祉事業

取組事例

取組の目的
介護業界の慢性的な人材不足に対応するため、多様な働き方を用意し、労働者のニーズに合う選択肢を広げ、若者雇用対策、メンター制度、充実した研修制度を取り入れた職場環境整備を行い、離職率の低下や定着率アップを目指している。
取組の概要
○トップメッセージ
常に「お客様満足、職員満足、地域満足」を追求して「社会貢献」に努めることを経営方針としている。お客様満足、職員満足のためには、職員全員が働きやすい環境をつくり能力を発揮できる職場を作る必要がある。職員が安心して働ける環境を整えるため、介護DXを活用した生産性の向上に取り組む事と、既にほぼ達成できている時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に加え、ワーク・ライフ・バランスを目指した多様な働き方、悩みや不安の解消、充実した研修制度を実施し、人材育成、定着率アップにつなげる。また、施設サービスの提供だけではなく資源を地域に開放しニーズを探っていく。

<現在の取組>
○選択的週休3日制の導入
本来の所定労働時間は週40時間(8時間×5日)であるが、職員のニーズに合う選択肢を広げるため、2020年4月から短時間正職員制度(労働時間短縮型)を導入し、所定労働時間週32時間(8時間×4日)とする選択的週休3日制を導入した。2024年4月からは、賃金が減らない所定労働時間週40時間(10時間×4日)の週休3日制正職員制度(給与維持型)も利用可能とする制度を導入予定である。


○若者雇用への取組
2023年9月1日に「ユースエール」の認定を受けた。若者雇用に日ごろから力を入れてきたこと、正職員の残業時間が月2.8時間と少ないこと、年次有給休暇取得率が高いことが申請条件に当てはまった。
女性の採用や活躍を期待して登録した「福井県女性活躍推進企業プラス」も若者採用につながった。
インスタグラム、ブログ等のSNSによる情報発信を定期的に行っていることも若者の採用につながっていると思われる。日常の飾りのない様子を発信することで、施設の状況がよくわかるとして県外からの転職にもつながっている。

○人材育成への取組
中堅職員を対象に年1回実施してきた研修制度を、2023年度初めから全職員対象とした。新人から勤務年数やキャリアに応じた研修(アンガーマネジメント、ファシリテーション、ロジカルシンキング等)を用意し、職員1人が毎年1回受講できるように実施している。さらに勤続20年以上のベテラン職員には、初心に戻るブラッシュアップ研修を行っている。アンガーマネジメント研修では、施設利用者への対応方法が分かったとの意見があり、ファシリテーション研修は会議の進行役の育成になるなど効果が出ている。
自社独自のメンター制度を採用している。原則、社内メンター3人の中から自己の希望による選択が可能であり変更も自由である。3人以外のメンターを希望することも可能で、外国人の職員は英語の話せるメンターが選べる。定期的な面談で悩みなどの問題に対応している。採用時は10日、1か月、3か月と段階的に行っており、離職率の低下や定着率アップにつながっている。

○男性育児休業制度への取組
2022年8月から男性職員の育児休業取得を促進し、配偶者が妊娠した場合、個別面談による制度説明を行っている。2021年6月に1人が取得し、約1か月間休業した。2024年も2人が取得予定である。急な出産に対応するため、配偶者の出産予定日の約1か月前からは夜勤を免除している。

<今後の取組>
現在、育児短時間勤務は子の小学校入学まで取得可能である。今後子育て中の職員がより働きやすいように小学校低学年まで伸ばし、職員の更なる定着を図りたいと考えている。
初任給後の昇給率は、他の業種と比べ低くなっている。介護報酬の制限がある中、昇給率をいかに上げるか課題である。
現状とこれまでの取組の効果
<取組の効果>
・選択的週休3日制の導入
その年に短時間正職員として契約した人数
2020(令和2)年 2名利用
2021(令和3)年 2名利用
2022(令和4)年 3名利用
2023(令和5)年 1名利用

・若者雇用率
若者:30歳以下を想定
2021(令和3)年 新規採用24名中、若者5名採用
→2022(令和4)年 新規採用21名中、若者2名採用
→2023(令和5)年 新規採用14名中、若者5名採用

・離職率(1年未満での離職率)
2020(令和2)年 離職者数28名(1年未満離職率 42.9%)
→2021(令和3)年 離職者数19名(1年未満離職率 31.5%)
→2022(令和4)年 離職者数26名(1年未満離職率 15.3%)
※2022(令和4)年は高齢を理由とした契約期間満了での退職者が多い
※2021(令和3)年9月にメンター制度を導入後、1年未満の離職率が減少

・男性の育児休業取得実績
2021(令和3)年 6月~1ヶ月間、育休1名取得
→2022(令和4)年 取得なし(対象者1名)
→2023(令和5)年 取得なし(対象者なし)
→2024(令和6)年 5月~28日間の産後パパ育休1名取得(予定)
4月末~2週間の産後パパ育休および7月~約1ヵ月間の育休を取得予定1名(特定技能で雇用している外国人労働者)
(R6.1)

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