宮川バネ工業株式会社
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
企業名 |
宮川バネ工業株式会社
|
---|---|
所在地 |
滋賀県東近江市
|
社員数 |
22名
|
業種 |
製造業(金属部品製造)
|
取組事例
取組の目的 |
地域に魅力ある職場を作り、若者の流出を防ぎ、地域を活発化することこそ中小企業の最大の地域貢献であると考える。自社がモデル企業になり、地域に魅力ある企業を増やし、その情報を発信する。そのために労働環境改善に取り組んでいる。
|
---|---|
取組の概要 |
<現在の取組>
○トップメッセージ 先代経営者の頃から、「中小企業家同友会」で学び、労働組合の設立や就業規則の整備を進め、今では全社員との社長面談や、働きやすい会社アンケートなどを定期的に行って、良い会社を労使一体となって作り上げていく体制が完成しつつある。経営者の属人的なセンスや人柄でなく、「人間尊重の経営」という理念のもとに、同友会の先進事例から手法を取り入れ、全社アンケートで「この会社で働けて良かった」が100%になることを目指したい。 ○時間外労働削減への取組み ・経営体質の変換 「時間外労働を削減する方法は業務量を調整するしかない」と考え、所定労働時間内で完了する業務量で経営が成り立つ付加価値の高い製品を製造できるよう、経営体質を変換するよう努めた。 ・取引先との契約内容適正化 大口顧客に頼りすぎ、適正な契約内容を確保できなくなることを防ぐため、各顧客の占める売上高が平均するように努めた。これにより、適切な納期設定が担保しやすくなり、業務の平準化を進めやすくなった。また、自社の協力会社への発注時にも納期設定や発注内容の変更等への配慮を行っている。 ・業務分担制の導入 以前は個人ごとに仕事を行っていたが、組織で業務を分担し、全体で成果を上げることを目指し業務分担制を導入。業務全体を管理する部長職を新設し、部長が全体の納期を把握のうえ、部署を超えて業務を分担できないかなどの人員配置を確認。時間外労働の可否を判断して、不要な時間外労働の発生を防ぐようにしている。 ○働きやすい環境づくりの取組み 労働者が働きやすい環境づくりのコツは、①労働者の働き甲斐、②労使コミュニケーションが良好であることと考え、次の取組みを実行している。 ・資格取得の援助 資格取得に向けた勉強を所定労働時間内に実施することを認め、労働者のやる気を引き出すようにしている。資格内容により金額は変動するが、業務との関連がない資格内容に対しても、受検料を補助している。また、合格時報奨金や業務に関連した資格保持者には資格手当を支給している。 ・労働者の意見を集める機会づくり 年1回の社長との個人面談や労働組合との協議を実施。さらに、労働者の意見を集めるため「意見ポスト」を設置している。 5年前から、労働者意識アンケートを1年間に1回実施。アンケートは44の質問項目(例:労働契約書の条件が守られている、目標は自分で立てることができ、ある程度の裁量も与えられている、会社の理念や指針が明確である)があり、各質問項目に対する満足度を数値化している。労働者満足度は5年間で12%向上しており、これまでの取組みの成果と捉えている。 ・割増賃金率を法定超えに設定 割増賃金率について法定を超える率として就業規則で定めた。 (法定時間外労働=3割増し、所定休日労働=3割5分増し、法定時間外深夜労働=6割増し、休日深夜労働=7割増し) ・任意の休暇制度の導入 地域社会でも活躍できる人材育成と法改正に柔軟に対応することを目指し、平成24年に、必要な日数を休める裁判員休暇(無給)を就業規則に定めることとした。 ○有給休暇取得促進のための取組み ・多能工化 業務の棚卸を実施し、業務を担当するために必要な技術的要素を明確化。明確になった技術的要素を習得している労働者が2人以上在籍する体制がとれるように不足している能力や技術を習得させるための教育を行った。 6年程前から取組みを始め、現在は9割程度の業務に対して対応できており、有給休暇取得促進に向けた体制が整った。 |
現状とこれまでの取組の効果 |
○年次有給休暇の取得状況(有給休暇取得率)
平成29年度:91%、平成30年度:92%、令和元年度:83% ○時間外労働の発生状況 平成29年度:月平均時間外労働:69.45時間(21人)、1人あたり月平均時間外労働:3.3時間/人 平成30年度:月平均時間外労働:58.87時間(21人)、1人あたり月平均時間外労働:2.8時間/人 令和元年度:月平均時間外労働:56.41時間(23人)、1人あたり月平均時間外労働:2.45時間/人 |
(R2.9)