石川技研工業株式会社

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制
  • ワークエンゲージメント

企業情報

石川技研工業株式会社
企業名
石川技研工業株式会社
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所在地
石川県白山市
社員数
46名(男30名、女16名)
業種
製造業

取組事例

取組の目的
当社は、企業の責任として労働者の福祉の増進とワークライフバランスの実現にむけて、長時間労働によって失われる、タレントマネジメント(人材確保と育成)、プレゼンティーズム改善(健康と活力)、ダイバーシティ&インクルージョン推進(多様性と包摂)、イノベーション創発(創造性と価値創造)といった企業の成功要素を拡充することを目的に働き方改革に取り組みます。
取組の概要
<現在の取組>
○トップメッセージ
社員一人ひとりが働きやすく多様な生き方が可能な職場となるよう、様々な課題と向き合いながら職場環境の整備に努めています。社員の幸せや成長が会社の発展に繋がるという理念の下、今後もより多くの改革を進め実現していきます。

○長時間労働の解消に向けた取組
・労働時間の適正把握
自社の働き方・休み方の改善に向けて、労働改善委員会を開催し、時間外労働の現状や年次有給休暇の取得状況について説明しました。職場意識改善助成金(令和2年度から働き方改革推進支援助成金に改称)を活用し、労働時間の適正把握を図るために、ICカードを導入しました。このことにより、労働者が複数の工場で行った労務管理についても適切に行えるようになりました。
・時間外労働の削減
当社は、受注から出荷までのトータルな管理体制を整え、コンピュータを組み入れた最新設備を導入し、ミスのない迅速な生産体制に基づき、不良品を確実に排除する丁寧な仕事を企業理念に掲げています。まずは、現行の業務の棚卸を図り、作業工程、製造品の量などの見直しを図り、能率の劣る部門には設備投資等を行いました。時間外労働については、「残業指示報告書」により上長への申告、承認制を徹底するとともに、事前に申請した時間よりも実際の作業に要した時間が大幅に増加した場合は、ヒアリングを行い、原因の解明と改善方法の考察を徹底的に行うようにしました。その結果、業務のムダの削除と機械化による作業能力の向上により、労働者の総残業時間はおよそ1/10となり大幅に減少しました。一方で残業の削減に努力・協力した従業員には、インセンティブとして残業の削減時間に合わせ賞与の増額を行った他、平成29・30年度には手厚い賃上げを実施しました。
また、17時、18時、19時にそれぞれ「社内の一斉放送」を実施し、自発的な退社を促しています。

○年次有給休暇の取得促進の取組
平成29年度より、本社、工場同時に年次有給休暇の計画的付与制度を導入し、全社一斉付与を行いました。また、労働者が柔軟に休暇を取得できるように、多能工化を目指し、従業員の能力向上・複数業務の習得を図り、交代要員を育成しました。

○人材確保に向けた取組
タレントマネジメント(人材確保と育成)も大きな課題のひとつであり、人材確保と離職防止のために、一定要件を満たした派遣社員を従業員(正社員)へ登用する制度を設けました。
また、高度な技術を継承するために、熟年工から若手労働者への技術の伝承や多能工化を図るための人材育成を行いました。さらに、派遣社員に対しても、積極的な資格取得支援を行い、男3名、女4名の正社員への登用実績があります。
かねてより従業員から要望のあった特別休暇の親族等の適用範囲を拡大し、慶弔時の休暇を取得しやすくしました。また、メンタル不調者に係る休職・復職規程を作成し、従業員、医療機関、会社が一体となり、従業員の復職にむけて、相談に応じられるような仕組みを作りました。

<今後の取組>
当社では、プレゼンティーズム改善(健康と活力)を念頭に置き、令和2年度より勤務間インターバル制度の導入を行う予定です。制度導入に向けての課題の洗い出しを行い、実効性のある制度として導入します。
当社は、本社工場と寺井工場に分かれており、非効率な面がありましたので、本社工場隣接地に新工場を建設し、両事業場を統合・移転することにしております。新体制では効率的な人員配置が行えるほか、運搬等の無駄な作業が無くなるため、従業員の作業負担の軽減に資するものと考えています。
また、工場の機械稼働実績については、現場担当者が実績を書き込み、翌日、事務所で入力処理をしていましたが、作業の自動計測装置と自動入力システムを開発することにより、従業員の負担を軽減するとともに、管理業務の精度を上げます。さらに、不良品発生防止装置も導入し、より一層の作業の効率化と生産性の向上を図りたいと考えています。
現状とこれまでの取組の効果
・年次有給休暇の年間平均取得日数
 平成28年度 6.7日、平成29年度 12.1日、平成30年度 13.6日、令和元年度13.6日と着実に増加しています。
・従業員一人当たりの年間平均残業時間
 平成28年度 244.3時間、平成29年度 144.1時間、平成30年度 24.7時間、令和元年度21.6時間と大幅な時間の削減に成功しました。
<表彰>
平成12年 5月 ISO14001の認証取得
平成17年 8月 ISO9001の認証取得
平成19年 6月 『明日の日本を支える元気なモノ作り中小企業300社 2007』(経済産業省、中小企業庁)受賞
平成23年11月 松任税務署より優良申告法人の表敬状受理
(R2.6)

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