トヨタファイナンス株式会社
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
企業名 |
トヨタファイナンス株式会社
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所在地 |
愛知県名古屋市
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社員数 |
2,070名
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業種 |
金融業
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取組事例
取組の目的 |
「働き方改革」により、仕事を効率的に進め、創出した時間を新たなチャレンジや、プライベートの充実、創造的な仕事に振り向け、個人と組織の成長、さらには、お客様への付加価値提供へつなげていくことを目的としている。
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取組の概要 |
〈現在の取組〉
○働き方改革で目指す姿 働き方改革の最終のゴールは、当社で過ごす時間が充実したものとなり、仕事で達成感が得られ、自分が成長できるような働き方ができ、かつ、それぞれのライフイベントと充実した仕事を両立できること。そして個人の充実が会社・組織の成長につながり、それがまた個人に還元される。そのような仕事の仕組み、環境を社員全員で考え、つくり上げていくことを目指している。 ○働き方改革に向けての3STEP ・《STEP1》として、生産性向上と多様な働き方により、時間を創出していく。 ・《STEP2》では、《STEP1》で創出した時間を活用して、①仕事上の新たな課題へのチャレンジ、②自己研鑽や社内外との人的交流、③育児や介護などライフイベントや家族とのふれあい、④健康づくり、余暇、趣味等に充てることにより、多様な個人が成長できる環境をつくっていく。この環境のもとで、個人の成長が組織・会社の成長につながり、組織・会社の成長が個人の充実と成長を促すといった「個人と組織の持続的成長サイクル」がまわる働き方を実現していく。 ・《STEP3》では、一連の取り組みを通じて「お客様への付加価値提供」につなげていくことを目指している。 ○働き方改革としてのテレワーク導入の経緯 ・3~4年前から、営業部署を中心にタブレット端末を利用したモバイルワークを導入していたが、利用できる機能が限定的なものであった。また、在宅勤務に対するニーズも上がり始めた。当時はどこでも自席同様に働ける環境はなく、モバイル環境で働ける全社的なプラットフォームを構築する必要があった。 以上のことから、2017年1月にテレワークを含めた働き方改革実現に向けた専任組織として、「BR働き方改革室」を設立した。 ・2017年は、まず職場意識改革から着手。働き方改革の必要性や目的について全マネージャーを対象に説明会を開催し、会社全体で進めることと職場が主体となって進めることなど意見交換を重ねた。また、役員、マネージャー、一般社員を対象に外部講師を招いてセミナーを開催し、社員の意識改革と目的の共有を図った。 ○トライアルとしてのテレワーク実施 ・「社内モバイルワーク」、「社外モバイルワーク」、「在宅勤務」の3つの区分で2018年4月にテレワーク制度を導入した。4~9月までの上半期は、対象部署を絞りトライアルという位置付けでスタートした。 ・「社内モバイルワーク」では、前年から開始した役員、部長級の会議のペーパーレス化を経て、本社の一部の部署・フロアを対象にトライアルを実施した。社内無線LANで接続するPCを利用し、自席以外でも自席同様の仕事ができる環境を構築し、Co-Workなどの社内連携の強化やペーパーレスでの会議やMTGの推進、また自席を離れて企画業務に集中するなど、意思決定やアクションのスピード向上や仕事の生産性向上を目指した。 ・「社外モバイルワーク」では、支社の営業部署を対象にトライアルを実施した。出張中の移動時間や待機時間の有効活用や社外での実施可能業務を拡大することで、在社時間の使い方を本来業務(お客様への提案内容の企画や営業戦略を練る会議など)にシフトさせていくことなどを狙いとした。 ・「在宅勤務」では、在宅で実施可能な業務が限定的であり、一般的に利用が難しいとされるコールセンターなどのお客様対応を行うオペレーション部署で正社員を対象にトライアルを実施した。業務改善などの企画的な仕事をはじめ、管理的な業務、研修資料作成等、在宅で可能な仕事を中心に行った。 ・在宅勤務時の仕事の管理は、事前に実施予定の業務内容と実施時間を上司と共有するとともに、実施後は、実際に行った仕事内容を上司に報告することで勤務時間とアウトプットや仕事の成果を上司が確認することとした。これにより仕事の難易度や部下の能力を踏まえて、上司が個別に業務状況の適否を把握、指導できるようにしている。 ・在宅勤務時の時間管理は、通常の勤怠システムへの打刻や勤務時間登録に加え、在宅勤務開始時と終了時の2回、メールで上司に報告することとした。 なお、在宅勤務時間中に一定時間を越える家事や育児・介護などを行った場合は離業扱いとし、数分で済むような自宅にかかってくる私用の電話や宅配の応対などの短時間の私事対応については、勤務時間中での許容の範囲として取り扱っている。 ・テレワーク利用者向けの在宅勤務規則や社外勤務マニュアルを整備するとともに、管理者向けの詳細なマニュアルも整備し、同マニュアルに基づく運用を徹底している。 |
現状とこれまでの取組の効果 |
「社内モバイルワーク」の実施者の93%が、ペーパーレス会議の実施により、準備時間の削減、意思決定やアクションのスピードアップ、また連携機会の増加、議論中心のスタイルに変化などの効果を回答。狙いであった仕事のスピードアップやCo-Workの強化に有効であることが確認できた。
○「社外モバイルワーク」の実施者は、出張時の移動などの隙間時間を利用して、欲しい情報や資料を随時閲覧、更新したり、社内手続きの申請や承認など、これまでタブレット端末ではできなかったことが社外でもできるようになり、有効活用できた隙間時間がこれまでの1.6倍となった。また、直行直帰なども併せて活用し、仕事の時間や家族との時間の創出にもつながった。 ○「社外モバイルワーク」では、結果的に、在社時の時間の使い方も当初の狙い通り、提案内容の検討、戦略会議などお客様への営業活動に資する業務時間へシフトしたことを確認できた。 ○「在宅勤務」では、実施者の77%が、自宅であっても仕事に集中できたと回答。また、自宅で1人でその日の業務計画に基づき働くことを通じて、90%の社員が会社に出勤した場合も時間やアウトプットをより意識して働くようになったと回答。生産性向上や時間管理意識の向上に効果が見られた。 ○在宅勤務する上で制約条件の多いオペレーション部署でも、実施者の77%が今後も在宅勤務は月に1~数回程度可能であると回答。可能な業務として「企画業務」が63%と最も多かった。また、トライアル実施者の78%が通勤時間がなくなったことを好評価している。 ○管理者からは、在宅勤務だから特別ということはなく、普段のマネジメントと変わらない、つまり、仕事の付与とその確認、メンバーの仕事の状況や能力の把握、日常のコミュニケーションなど、普段のマネジメントがいかに重要であるかを再認識したとの意見が多かった。管理者自身の意識変革につながり、マネジメント能力の向上にもメリットがあることが確認できた。 ○トライアルの結果を踏まえ、2018年12月から在宅勤務の対象を全部署へ拡大した。将来的には、端末台数などの環境、利活用促進に向けた運用をさらに充実させ、「社内」、「社外」、「在宅」でのテレワークを必要な人が必要な時に使える環境をつくり上げていくことを目指している。 |
(H30.12)