三井情報株式会社

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
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  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク

企業情報

三井情報株式会社
企業名
三井情報株式会社
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所在地
東京都港区
社員数
1,823名(連結)
業種
情報通信業

取組事例

取組の目的
一人ひとりが心身ともに健康で、いきいきと働くことで生産性を高め、価値を創造し利益を生むことと、それにより「働きやすい会社」「やりがいのある会社」「成長し続ける会社」を実現することを目的として、働き方改革の取組を進めている。
取組の概要
<現在の取組>
○「働き方改革推進室」を中心とした取組の推進
同社では約10年前から社内のワーク・ライフ・バランスの推進に取り組み始め、ノー残業デーの設定や育児・介護休業の取得促進等を行ってきた。
2017(平成29)年4月からは、人事総務部門、経営企画部と連携する組織として「働き方改革推進室」を設置し、「より高いパフォーマンスを発揮するために」をコンセプトに、同室が中心となって働き方改革に関する取組の企画・立案を担うとともに、毎月発行される社内報への掲載等による従業員への周知を進めている。

○「時間管理徹底運動」による所定外労働時間の削減
就業時間の管理をみんなで徹底しようという取組を「時間管理徹底運動」と呼称し、2014(平成26)年度から実施している。

・従業員の意識改革と退勤しやすい雰囲気作り
当初は所定外労働時間の削減を進めるため、まず、自身や所属チームが行うべき業務は終えているものの、「他のチームのメンバーが残っていて帰りづらい」という意識から生じる「付き合い残業」を無くしていくこととした。
このため、業務は基本的に所属チーム単位で行っているものという意識を徹底させ、他のチームでイレギュラーな事態が起きていて支援が必要であるような場合はともかく、通常は所属チームの担当業務がきちんと進捗していれば周りのチームの状況に影響されて残業する必要はない、という考えを浸透させていくこととした。
また、「上司が残っていて帰りづらい」という意識も一部に見られたため、管理職は可能な限り残業せずに率先して退勤するよう奨励することとした。
・過重労働防止の取組
所定外労働時間の多い従業員については、個別に注意喚起のメッセージを送付するなどして、過重労働を防止するための取組も進めた。

このような取組や、後に挙げるような場所に捉われない働き方の推進等により、不要な残業は行わず所定時間中のパフォーマンスを高めようとする意識が社内に浸透し、2014(平成26)年度には月平均17.8時間であった法定時間外労働は、2017(平成29)年度には月平均9.8時間まで減少した。
また、36協定による法定時間外労働の上限時間についても、2018(平成30)年度からは2016(平成28)年度比で月10時間引き下げることができた。

○場所に捉われない働き方の推進等による生産性の向上
生産性の更なる向上を目的として、場所に捉われない働き方の推進を始めとした次のような取組を進めている。

・フリーアドレス制の導入
2017(平成29)5月から、本社と東中野オフィスにおいてフリーアドレス制の導入を開始した。導入にあたっては、各従業員のワークスタイル(自席での作業が多いか少ないか、個人で進める業務が多いか、社内外と調整しつつ進める業務が多いか等)を可能な限り正確に把握し、業務の内容からためらいのある部署でもまずは導入してみるスタンスで始めた。
同時に、過去より書類入れとして袖机を利用していたが、フリーアドレスの導入に際しては袖机を無くし、個人用ロッカーを用意してPCや必要最小限の紙資料はそこに保管することとし、併せて一部の社員には固定電話を廃止して各人に貸与するスマートフォンに内線番号を割り当てるなど、フリーアドレス制に併せて必要な環境整備を進めた。

・テレワークの試行
外出先や自宅でも会社と同じように働くことができるようなテレワークの導入を目的として、2017(平成29)年2月からテレワークを試行している。在宅勤務、外出先や移動時間中のモバイル勤務のほか、他社サービスを活用したサテライトオフィスでの勤務も可能とし、当日の外出予定や作業内容に応じ、各人が最適な場所を選択して効率的に業務に取り組めるようにしている。
この試行では原則として対象従業員を限定せず、また、役員が率先して毎週1回テレワークを行うなど、多くの従業員が試行に参加してテレワークのメリットを実感できるような工夫を行っている。
また、同社では国や東京都の提唱する「テレワーク・デイ」の取組に賛同し、2017(平成29)年7月24日には約400人の従業員がテレワークを実施した。「テレワーク・デイ」に初めてテレワークを行った従業員からは、「通勤時間をプライベートに充てることができて良かった」「通勤による疲労がない分、能率高く業務に取り組むことができた」など、好評の声が上がっている。
・スキルの向上と共有化
情報システムの開発等を業とする同社では、各技術者のスキルを向上させるとともに、高いスキルを持つ技術者から他の技術者にそのスキルを移転させて平準化することが生産性向上のために重要である。
このため、社内セミナーや社内研究会等を多く開催し、技術者のスキル向上と併せて、技術者同士の連携や交流、技術移転の場となるようにしている。

○「取得奨励日」の設定等による年次有給休暇の取得推進
法定の年次有給休暇については、毎月、全社的な「取得奨励日」を数日設定して該当日の年休取得を奨励しており、従業員からは「取得奨励日にはいつも以上に気兼ねすることなく年休を取得できるので良い」と好評である。
また、法定外の有給休暇として年1日のバースディ休暇や、長期勤続者に対する年5日間のリフレッシュ休暇を設けており、祝日や法定の年休と組み合わせた長期休暇の取得を推奨している。
このような取組は着実な成果を上げており、年休取得率は2017(平成29)年度には全体で81.5%で、特に非管理職層は85.5%と高い水準に達している。

○育児や介護を行う従業員の支援制度
同社では従業員の平均年齢が40歳前半となっており、今後、介護を行う従業員の増加が見込まれている。また、従業員が育児・介護と仕事を両立しつつキャリアアップを図っていけるような環境を整備していくことが重要であるとの考えから、2017(平成29)年4月から以下に挙げるような制度拡充を実施し、育児・介護と仕事の両立を積極的に支援している。

・法令を上回る制度の整備
育児支援制度に関しては、育児短時間勤務について小学校3年修了までの子を養育する場合(法令では3歳未満の子を養育する場合)に拡充し、子の看護休暇についても子が1人の場合は年10日(法令では年5日)、2人以上の場合は年20日(法令では年10日)まで取得できることとした。
介護支援制度に関しても、対象となる家族の介護を行う場合の短時間勤務や時差出勤(始終業時刻の繰上げ・繰下げ)について、利用可能な期間を無制限(法令では対象家族1人につき最低3年間)とした。

・退職者の再入社制度
育児・介護を理由として退職した元従業員を対象に、退職後5年以内であれば再入社を認める「再入社制度」を創設した。この制度により、育児・介護のためやむを得ず退職した場合でも要件を満たす場合には再度同社で働くことが可能となり、すでに2名の元従業員がこの制度を利用し退職した。5年以内に再入社が出来るため、部署では元従業員の再入社を待っている状況にある。

支援制度の拡充と並行して、育児・介護に伴う短時間勤務経験者のインタビューを社内報に掲載したり、経営トップ層から「育児や介護は多くの従業員がその当事者になる可能性を持つことから、当事者は支援制度の利用をためらうことなく、また、周囲の同僚は当事者を積極的にサポートしてほしい」といったメッセージを発信するなど、整備した制度を実際に利用しやすいような意識の醸成にも取り組んでいる。
その結果、短時間勤務などの支援制度を利用する従業員に対し、現在では多くの従業員が積極的な協力意識を共有するに至っている。
さらに2018(平成30)年2月には、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から「くるみん」の認定を受けた企業の中でも、より高い水準の取組を行っているものとして「プラチナくるみん」の認定を受けており、両立支援に積極的に取り組む姿勢を対外的にも明確にしている。

<今後の取組>
○フレックスタイム制の検討
働く場所に加えて働く時間についても、労働時間や業務量の適正な把握を前提としつつ労働者の自律性を高め、生産性の一層の向上を目指すべく、フレックスタイム制の導入について検討を進めている。

○フリーアドレス制の充実
導入済みのフリーアドレス制については、今後、個人で集中して取り組むための席やチームで打ち合わせながら進めるための席、大型モニタを配置した席、スタンディングデスクなど、各人がその時々の作業内容に最適なものを選択できるように様々な形態の席の設置を検討していく予定である。

○テレワークの導入
2017(平成29)年度の試行で明らかとなったメリット・デメリットを踏まえて、2018(平成30)年第2四半期からテレワークを正式導入する予定である。
現状とこれまでの取組の効果
・法定時間外労働時間(月平均)
2014(平成26)年度:17.8時間 → 2017(平成29)年度:9.8時間
・年次有給休暇取得率(年平均)
2014(平成26)年度:73.1% → 2017(平成29)年度:81.5%
・男性従業員の配偶者出産休暇取得率、育児休業取得率
配偶者出産休暇取得率
2012(平成24)年度:61.7% → 2017(平成29)年度:74.2%
育児休業取得率
2012(平成24)年度: 8.3% → 2017(平成29)年度:9.7%
(H30.5)

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