平野純薬株式会社

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制

企業情報

平野純薬株式会社
企業名
平野純薬株式会社
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所在地
福井県福井市
社員数
63名(グループ計181名)
業種
卸売業

取組事例

取組の目的
平野グループでは、試薬(平野純薬株式会社)、調剤(株式会社エイチアンドケー)、理化学(真晃ELS株式会社)と医療関連3分野を手掛けている。グループ全体の方針として「健康経営」を掲げ、社員の健康維持につながる就労環境の充実を目指す。
1.「社員の健康こそが企業の成長に繋がる」という「健康経営」の推進
2.健康産業に関わる企業として、社員が心身ともに元気で働ける環境づくり
3.業務を効率化させ有給休暇取得の促進や残業時間削減
取組の概要
<現在の取組>
○トップメッセージ
柔軟な発想で業務の効率化を行ない、やるべきことをやって早く帰る。オンとオフをしっかり切り替えプライベートを充実させて欲しい。そうすることで、気力が満ち仕事にもいい結果をもたらす。また、自分の10年後の姿を思い描き、そのために今、何をしなければいけないのかを考えて行動してほしい。

○「働き方改革」の成果は社員に還元
・削減された残業代は賞与原資へ
営業日報をシステム化し、1日の活動内容や帰社時刻を視覚化し、所定外労働時間の正確な把握と見える化を実施するとともに、業務改善による削減指導を実施した。結果として時間外労働が減少し残業代が減額した場合、その減少分は賞与原資に加えている。
「『働き方改革』の成果を社員に還元する」というのがトップの方針である。

≪業務改善のための具体的な取組≫
◇取引先への訪問順序や移動ルートを一から見直し、移動時間を削減。
◇iPad導入による受発注業務や在庫管理で、営業スタッフの業務削減。
めざせ!健康経営 Part① 「安心して能力を発揮できる職場」
残業時間の減少で月々の残業代が減額することを不安に思う社員には、減額された残業代は、業務改善の成果に応じて社員に還元することを説明し、協力を得る。社内全体で業務改善に取り組み、社員が安心して能力を発揮できる職場環境づくりを推進。

→営業サポート社員の声
「iPadが導入されたことで、訪問先での営業スタッフからの問い合わせが減り、時間に余裕ができました。業務の質向上につながっています。」

○人事考課制度
・自己目標の明確化
社員は全員半年に一回、「営業目標」として業績の自己目標値と、「意識行動目標」をたてる。これら自己目標に対する達成度は、本人、上司、社長が評価して点数化し、成果に応じて賞与査定に加味する。
めざせ!健康経営 Part②
仕事の数値目標だけでなく、日々の心の持ち方など仕事以外での「意識行動目標」を設定することで、公私にわたる目標達成度を自ら検証する機会を提供し、社会にも貢献できる人間力を身につけるためのサポートを行う。

→若手社員の声
「意識行動目標を念頭においていることで、言葉遣いや立ち振る舞いなど普段の生活でも気を付けるようになりました。」

○部署間の“壁を越える”取組
従来は、社内部署間での業務シェア体制が未整備で、部署ごとに異なる繁忙期は、それぞれの部署で対応していた。そこで社内全体での時間外労働削減のために、前例にとらわれない部署間と担当者間の壁を超える社内体制を構築した。

・業務内容の細分化
まずは業務を細分化し、他部署に任せられない業務と任せられる業務の仕分けを行った。営業では、同じ方角へ納品のみで行く場合は他部署へ依頼したり、事務では、伝票の確認や単純作業は他の部署がフォローする等の取組を始めた。業務を細分化したことで、社内全体でのフォローアップ体制が実現した。

・社員全員の日報を共有化
営業日報をシステム化し、社員全員が閲覧できるようにした。各拠点や部署、他のチームで発生している情報を共有化し、互いの業務内容を把握できるようになった。トラブルが発生した場合には、社員間でコメントアドバイスをもらうこともあり、社内の連携強化につながっている。
めざせ!健康経営 Part③ 「壁を乗り越えろ!」
こうあるべきという前例や常識といった壁を破った挑戦に新たな発見がある。従来の職場慣習にとら
われないゼロベースでの発想から始まる業務改善をトップ主導で推進。

→社員の声
「今までは自分の部署の業務しか分かりませんでした。日報の共有で、社内全体の業務が分かるようになりました。他の部署の取組などを業務の参考にしています。」

○トップダウンのスピーディな始動体制
全社員の日報はすべてトップが目を通しており、日報の中にはトップ以外は非公開にできる欄があり、直属の上司には相談しにくいことや、業務改善についてトップに直接提案する社員も多い。トップ自ら社員に返信するなど、社内でのコミュニケーションツールとしても活用。
めざせ!健康経営 Part④
現場の社員が提案する業務改善案を、トップダウンでスピーディに始動できる体制。


〈今後の課題・取組〉
○今後3年間の取組
・全社スローガン「自分の存在価値を高める」
周りから自分の仕事が認められた時に、人は「仕事にやりがい」と「自分の存在価値の高まり」を実感できる。人の仕事がAI(人工知能)やロボットに替わる時代が来ても、会社や社会から存在価値が認められるために、社員それぞれがさらなる自己研鑚を積み重ねていく。会社はこれからも社員をサポートしていきたい。
・社員の人間的成長にフォーカスした経営
「今の仕事は自分に合っているか」「別の部署に興味がある」「新しい分野に挑戦してみたい」等社員の希望をもとに、全部門垣根を越えた配置転換を行っていく。新しいポジションへ移ることで新たな発見や気づき、そして自分を見つめ直すきっかけをつくるための取組。
社員が健康でイキイキと、やりがいを持ち輝き続けられる職場、それが企業の成長に繋がる。
現状とこれまでの取組の効果
直近4年間
・年間売上総利益
H27年  前年比 109.0%
H28年  前年比 102.2%
H29年  前年比 102.5%
★ 試薬部門は福井県内シェア85%

・年間月平均時間外労働時間
H26年  48.66時間
H27年  44.64時間
H28年  45.29時間
H29年  38.57時間
★ H26とH29を比較すると20%削減(-約10時間)
(H30.2)

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