福井鋲螺株式会社

事例カテゴリ

  • 所定外労働削減
  • 年休取得促進
  • 多様な正社員
  • 朝型の働き方
  • テレワーク
  • 勤務間インターバル
  • 選択的週休3日制
  • ワークエンゲージメント

企業情報

福井鋲螺株式会社
企業名
福井鋲螺株式会社
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所在地
福井県あわら市
社員数
570 名
業種
製造業

取組事例

取組の目的
社員一人ひとりの「働き甲斐」や「働く喜び」を大切に考えながら、社員と共に成長していく企業を目指す。そのために、公正で働きやすく、健康と安全に配慮した職場環境の整備に努める。「環境」は人を育て、人は「品質」を作り上げる。これからも企業として、「より良き品」を作り続けるために、さらなる職場環境の向上に取り組む。
取組の概要
<現在の取組>
トップメッセージ
当社は社員と共により豊かな生活を実現しようとしている。そのために「革新、自立、前向き、挑戦」こうした言葉を社員に向けてよく発している。全員がクリエイティブになるためのキーワードである。
これらを社員が無理なく自然に会得できるような職場環境や各種支援制度の整備に努めていきたい。

○より良き「職場環境」を目指して
本社は「ネジ(金属部品)を扱う会社」というイメージとは全く異なる洋館風の建物。敷地内一面に広がる緑の芝生にはオープンテラスが設置されている。トップの方針「社員が働きやすい環境をつくらなければならない。中身はもちろん。見た目も大事!両方大事!!見た目がきちんとしていれば、行動も変わる」。
・ホテルを感じさせる大理石のエントランス
・ゆったりとしたソファーが置かれた展示&面談スペース
・白を基調とした癒しの女性用パウダールーム
・天井が高くてカラフルな色調のランチルーム

女性社員(入社7年目)の声
「他の会社に勤める友人からは、本社での勤務を羨ましがられています。ホテルを連想させる外観、シンプルでゆったりとした雰囲気の内装、建物全体がくつろげる空間となっています。来社される海外からのお客様のおもてなしだけでなく、働く私たちも気持ちよく勤務できる素敵な職場です。」

○効率的な働き方に向けて
・フレックスタイム制度の導入
一律に時間管理された労働時間体制では、労使ともに無駄な時間が生じていた。社員が柔軟で自律的な働き方ができる労働時間の体制を検討し、フレックスタイム制度(以下、「FL制度」という。)の導入に至った。
<2010年頃  間接部門で試みのFL制度導入。>
総務部では、各月内の特定の時期に業務が集中する。各人の業務は明確化されており、主体的な業務遂行が可能であった。そこで試みにFL制度を導入したところ、時間外労働時間は減少した。
<2011年  生産部門を含めた全部門でFL制度導入。(シフト勤務者は除外)>
以前から、生産工程は完全分業制となっており、製造現場でのFL制度の導入が可能であった。各人の自律した業務遂行をさらに促進するため、各人が自分のペースで伝票に応じた業務をこなせる体制を構築。
社員の声
「コアタイムは、原則13時から15時までなので、用事があるときは朝夕に済ませるようにしています。自分のプライベートの用事に合わせて、労働時間が決められるのはとても便利で、働きやすいです。勤怠については、部署内全員が始終業の予定時刻を社内のPCに入力して、情報の共有化を行っています。」

○BYORAイズムで意識改革
仕事への取り組み方や考え方などを社員に示す経営管理指針。2010年初版。4年ごとの改訂で、2018年第3版を発行予定。今回のキーワードは「生きがいと働きがい」。自ら率先して仕事の中で楽しさを見つけることが、社員一人ひとりの「生きがい働きがい」につながるとトップは強調。
2002年ITバブル崩壊、2008年リーマンショックによる世界的金融危機。当時は人員調整を行わざるを得ない時期もあった。そのような経験を通して、社員が安心して働ける職場とやりがいのある仕事を実現するために、4年ごとに社長自らが全社員に直接指針を説明している。説明会は全社員を部署ごとに分けて、社長と社員の“face to face”で行われる。
開催後のアンケートの声
「工場勤務なので職場で社長と顔を合わせる機会はほとんどありません。直接社長からお話をお聞きすることで、日々の業務へのやる気モチベーションUPにつながっています。また、全社員が同じ目標、同じ価値観を共有することで、部署を超えて、社内全体の連帯感も生まれています。」

■教育体系
社員の成長に応じて、モチベーションアップ研修を実施している。

新入社員 : 新入社員研修 + BYORAイズム研修
若手社員 : フォローアップ研修 + BYORAイズム研修
中堅・ベテラン社員 : セカンドライフセミナー + BYORAイズム研修
管理監督者 : BYORAイズム研修

○ワーク・ライフ・バランス(WLB)への取組
 社員が成長し、豊かな人生を送るためには、会社や家庭内での役割を果たし、公私共にバランスの取れた生活を送ることがベースとなる。多様化する社員のライフスタイルに対して、仕事と家庭生活の両立ができるように、各種支援制度や休暇制度を充実させて、WLBの推進に力を入れていく。

・長期休暇制度
年次有給休暇を連続5日間、取得する制度(全社員対象)。
自分の好きな時期に土日の休日と組み合わせると連続9日間の休暇が可能。
・特別積立休暇制度
全社員対象で失効する有給休暇を50日まで積立ができる制度。
・配偶者出産特別休暇
法定の有給休暇とは別に、配偶者出産のためにプラス2日間取得可能。
・子供参観日の実施
社員の子供たち(小学3~6年)を会社に招待し、親(社員)が働いている様子を見てもらい、子供たちに家族の仕事に対する認識を深めてもらう交流イベントを毎年開催。
・メンタルヘルス
企業にとって「社員」は最も大切な財産。社員が心身ともに健康で働けるために、メンタルヘルスケア(ストレスチェック)の他、メンタル面に関する相談窓口を社内外に設置。産業医や専門医と連携を取りながら気軽にカウンセリングを受けられるサポート体制を構築。セルフケアを促す社内報なども活用し、メンタルヘルス不全者の発生を未然に防止する環境を整備。

〈今後の課題・取組〉
・長期休暇制度の取得促進
年次有給休暇取得を促進するために、今後は長期休暇制度の利用をさらに奨励していきたい。社員には長期休暇を利用して、業務から離れ、心身ともにリラックスできる時間を確保してもらいたい。そして仕事への新たな創造性と生産性を生み出す原動力としてほしい。 
家族と過ごしたり、趣味やボランティア活動に打ち込んだり、自己研鑚に取り組んでもらったり、社員にとって成長できる良い機会となることを期待し、毎年の「全社員の完全取得」を推進していく。

・年次有給休暇が取得しやすい環境づくり
年次有給休暇取得への取組や働きかけを行っているが、未だに有給を取得しない者がいる。現状では、有給を取りたくても取れない状況が社内にはまだ残っていると考えられる。全社員が有給休暇を取得できる職場環境の整備と、誰が休んでも仕事が回る職場への働き方の見直しが今後の課題である。

・仕事と家庭の両立支援の推進
当社社員の平均勤続年数は18.2年で平均年齢は41.6歳。結婚や出産後も働き続ける女性が多いのが社風となっている。一方で男性の育児休業取得率は0%。
男女社員ともに在職中に経験する「出産」や「育児」という重要なライフイベントに対して、支援体制を強化していくことが、企業の社会的責任を果たすことにつながると考え、両立支援推進体制の構築を目指す。
現状とこれまでの取組の効果
■年間月平均時間外労働時間
(各月の対象労働者の「法定時間外労働」+「法定休日労働」の総時間数の合計/対象労働者数)
2015年:5.8時間
2016年:6.6時間
2017年:11.0時間
・FL制度導入後は、時間外労働時間が減少して10時間未満で推移していた。
2017年は3月に主力生産拠点となる新工場が完成し、業務量が増加し若干の増加になった。

■年次有給休暇取得率
2015年:50.4%
2016年:50.8%
2017年:52.4%

■有給取得0日の人数
2015年:12人
2016年:11人
2017年:6人
・全員が気兼ねなく有給を取得できる職場環境づくりが今後の課題。

■長期休暇制度の取得率
長期休暇制度・・・年次有給休暇を連続5日間取得する制度
取得率の算出方法・・・取得者/対象者×100
2015年
対象者:522.0人、取得者:327.0人、取得率:62.6%、平均取得日数:3.4日
2016年
対象者:535.0人、取得者:394.0人、取得率:73.6%、平均取得日数:3.3日
2017年
対象者:541.0人、取得者:444.0人、取得率:82.1%、平均取得日数:3.3日
・毎年の「全社員の完全取得 100%」を目指していく。

■特別休暇制度の付与日数と消化日数(率)
特別積立休暇制度・・・失効する年次有給休暇を積立てて取得する制度
取得率の算出方法・・・消化日数/新積立日数×100
2015年
新積立合計日数:862.5日、付与合計日数:16,679.0日、消化合計日数:297.5日、取得者数:15人
取得率:34.5%
2016年
新積立合計日数:821.0日、付与合計日数:16,519.0日、消化合計日数:123.5日、取得者数:8人
取得率:15.0%
2017年
新積立合計日数:765.0日、付与合計日数:16,669.5日、消化合計日数:129.0日、取得者数:7人
取得率:16.9%

・特別積立休暇制度は着実に社員に浸透しており、2015年は15人が利用している。
傷病で入院した場合の長期の傷病休暇などに利用されている。

■育児休業取得者
取得率の算出方法・・・取得者/対象者×100
2015年
男性:0人、女性:2人
2016年
男性:0人、女性:4人
2017年
男性:0人、女性:0人
・直近3年間の女性の取得率は100%。男性の育児休業は今後の課題。

■離職率
算出方法・・・過去3年間のうちに採用した人のうち離職した人数/3年間に採用した人数×100
2015年
新卒採用者:8人、離職者数:1人
2016年
新卒採用者:11人、離職者数:0人
2017年
新卒採用者:8人、離職者数:0人
2015年~2017年の3年間における離職率:3.7% (2018/1/20現在)
・直近2年間の新卒採用離職率は0%。若手社員がしっかり定着している。
(H30.2)

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