タルボットジャパン株式会社
事例カテゴリ
- 所定外労働削減
- 年休取得促進
- 多様な正社員
- 朝型の働き方
- テレワーク
- 勤務間インターバル
- 選択的週休3日制
- ワークエンゲージメント
企業情報
企業名 |
タルボットジャパン株式会社
|
---|---|
所在地 |
東京都港区
|
社員数 |
300名
|
業種 |
服飾品小売業
|
取組事例
取組の目的 |
女性従業員がその意欲や能力を十分に生かして活躍できるように、また、多様で優秀な人材の確保・活用を目指すダイバーシティの一環として、所定外労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進など、働き方・休み方の見直しに積極的に取り組んでいる。
|
---|---|
取組の概要 |
<現在の取組>
〇女性活躍やダイバーシティの推進を軸とした働き方・休み方の見直し 女性向け衣料品等の小売業を営む同社は、経営理念に基づき「地域社会を始めとした様々な分野で活躍する自立した女性を応援する会社」でありたいとの思いから、自社においても従業員の多くを占める女性がその意欲や能力を十分に生かして活躍できるような職場環境の整備を進めていきたいと考えている。 また、同社では従業員の平均年齢が50歳前後であって、今後は親族の介護を行いながら働く従業員の増加が見込まれることから、社長自身の親族の介護経験等も踏まえつつ育児・介護と仕事を両立しやすい職場環境を整備するとともに、今後も人手不足の傾向が続くと見込まれる中、多様で優秀な人材の確保・活用を目指す人事戦略としてダイバーシティを推進していくことが重要であると考えている。 これらの観点から、働き方・休み方の見直しを進めている。 〇取組の推進体制 ~店舗や各部門から「ダイバーシティメンバー」が参集~ 同社では2013(平成25)年ごろから、社長自らを始めとして管理本部長(役員)、営業部長、国内31店舗のうち3店舗の店長、本社の営業部門及び管理(人事)部門の従業員の計8人で構成する「ダイバーシティメンバー」による会議を月1回開催し、働き方・休み方の見直しに関する取組を検討するとともに実行に移している。 それ以前には管理(人事)部門の従業員だけで取組を検討・実行しようとしたこともあったが、従業員の多くを占める店舗や営業部門の理解や積極的な協力を得るためにはそれらに所属する従業員の参画が不可欠であるとの考えから、現在は上記のようなメンバー構成により全社的な取組となるように工夫している。 〇年次有給休暇(年休)の取得促進 ~記念日休暇の設定~ 同社では従業員の年次有給休暇(年休)の年間最低取得目標日数を10日に設定し、月1回、取得状況を記載した用紙を全従業員から提出させることで本社がその状況 を把握するとともに、その時点での店舗ごとの平均取得日数を全店舗に配信している。社内会議では店舗と本社の年休の取得状況が一目でわかるようになり、平均取得日数の少ない店舗においては、当該店舗を統括するエリアマネージャーから従業員への声かけを行ったり従業員が互いに年休取得を呼びかけあうなど、取得に向けた意識が高まってきている。 また、年休の付与日数のうち年6日については「記念日休暇」としている。これは年度初めに全従業員が各人の記念日等を年休の取得予定日として設定するというもので、本社や各店舗の管理職は所属従業員の「記念日休暇」の設定状況を把握し、これを確実に取得できるようにシフトや業務を調整するなどして、年休の取得率向上を図っている。 さらに、積極的な年休の取得に向けて特に40代以上の従業員の意識変革を促すため、経営層(役員)が積極的に休暇を取得するようにしており、全社的に年休を取得しやすい雰囲気づくりの一助になっている。 これらの取組の結果、年休の年間平均取得率は2015(平成27)年度に63.7%、2016(平成28)年度に69.7%となり、2017(平成29)年度も2月から8月までの平均で38.4%と上昇傾向が続いている。 〇所定外労働時間(残業)の削減 ~ノー残業デーでは「終礼」を実施~ 店舗では1か月単位の変形労働時間制を採用し、店舗ごとに繁忙日の所定労働時間を長めにする代わりにそうでない日の労働時間を短くするなど、メリハリを付けた労働時間の設定により所定外労働時間の削減を進めている。 また、複数の店舗を統括するエリアマネージャーが担当店舗の各従業員の労働時間を把握し、所定外労働時間の長い傾向にある店舗の店長に対し、シフトの調整等をアドバイスするなどして、所定外労働時間の削減に取り組んでいる。 本社の営業部門や商品の企画、生産管理を行う部門では、取引先との関係などから所定外労働時間が長い傾向にあったが、月1回の社内会議において、社長が各部門長に対しダイバーシティの推進の観点からも会社にとって所定外労働時間の削減は重要なミッションであることを呼びかけるなど、トップの意思を継続的に表明することで従業員の意識向上を図っている。 また、本社では毎週水曜日を「ノー残業デー」と設定し、所定終業時刻である18時には退勤することを促す「終礼」を行うこととし、やむを得ず18時以降に業務を行う場合は、あらかじめ上長の許可を得ることを要件としている。この終礼時の当番については、当初は管理(人事)部門の従業員だけが輪番で担っていたが、それでは営業部門など他部門の従業員に当事者意識が生まれにくかったことから、現在では他部門の従業員も含めた輪番制で終礼時当番を担当している。これにより、本社全体で「ノー残業デー」への意識を高めることができている。 これらの取組の結果、2017(平成29)年度は10月時点で月35時間を超える残業を行った従業員は0となっている。 〇「えるぼし」の取得、女性の管理職登用 ~女性管理職は4割超~ 従業員の多くが女性である同社では、従来から女性の管理職への登用を進めてきたが、2017(平成29)年3月には女性の活躍に関する状況等が優良な企業としての厚生労働大臣の認定である「えるぼし」(2段階目)を取得し、女性活躍に積極的に取り組む姿勢を対外的に明確にするとともに、従業員の意識の一層の向上も図っている。 2015(平成27)年度には31.3%であった女性の管理職割合は、2017(平成29)年度の上期末時点では 42.9%となり、意欲や能力のある女性従業員が活躍の場を広げている。 〇管理職研修等の充実 同社を含むイオングループでは、年に数回、ダイバーシティの推進等に関するグループ会社向けセミナーを行っており、同社の管理職はこのセミナーに積極的に参加してダイバーシティや働き方・休み方の見直しに関する社会の動向やその重要性について見識を深めている。 また、社内の管理職研修においてもそれらの重要性を継続的に説明するなどして、各店舗や部門の実務を取り仕切る立場にある管理職の意識向上を図っている。 <今後の取組> 〇店舗の年休取得率向上に向けた取組 店舗においては、本社に比べて所定外労働時間はそれほど長くないものの、年休の取得率が低い傾向にあることから、今後、店舗での年休取得率向上に向けてさらに実効性の高い取組を検討し、実行していく必要があると考えている。 |
現状とこれまでの取組の効果 |
〇所定外労働時間の削減
2015(平成27)年度上期 → 2016(平成28)年度上期 21.5% 削減 2015(平成27)年度上期 → 2017(平成29)年度上期 4.0% 削減(※) ※採用難が影響し2016年度上期比では増となったが、引き続き削減に取り組んでいる。 〇年次有給休暇(年間平均取得率) 2015(平成27)年度 63.7% → 2016(平成28)年度 69.7% 〇女性の管理職割合 2015(平成27)年度 31.3% → 2017(平成29)年度(上期末時点) 42.9% |
(H29.10)