各種解説

事例の種類

指標を使った診断・取組事例

コンサルタントが企業の課題分析と改善提案を行った企業事例。

働き方・休み方改善取組事例

自社の働き方や休み方を改善する取組を紹介している企業事例。

年次有給休暇取得促進取組事例

休み方改革に重点をおいた(「休暇」に特化した)企業事例。

指標

法定外労働時間

「法定外労働時間」とは、法定労働時間(原則、1日8時間、1週40時間)を超える労働時間、すなわち、割増賃金の支払いが必要な時間外労働時間(残業時間)となります。
なお、労働基準法第40条により、特例措置対象事業場として、労働者数10人未満の①商業、②映画・演劇業(映画の製作の事業を除く。)、③保健衛生業、④接客娯楽業については、1日8時間、1週44時間が認められています。

取組チェック:チェックリスト

「チェックリスト」は8つの項目(社員向け自己診断は9つの項目)を、4つの段階に体系化したものとなっています。
詳しくは、「企業向け自己診断について」「社員向け自己診断について」をご覧ください。

方針・目標の明確化

<方針・目標の明確化>としては、次のような取り組みがあげられます。
働き方や休み方の改善に取り組むことを「企業からのメッセージ」として社員に伝えたり、目標を掲げたりするなど、方針や目標を明確化しているかどうかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • 長時間労働の抑制について経営トップがメッセージを発信している。
    • 長時間労働の抑制を経営や人事の方針として明文化している。
    • 全社・部署・個人等で労働時間や残業時間等に関する数値目標を設定している。
    • 年次有給休暇の取得促進について経営トップがメッセージを発信している。
    • 年次有給休暇の取得促進を経営や人事の方針として明文化している。
    • 全社・部署・個人等で年次有給休暇取得日数や取得率等の数値目標を設定している。
  • 社員向け自己診断
    • 長時間労働の抑制に関する方針や目標に沿って工夫や取組を行っていますか。
    • 年次有給休暇の取得促進に関する社内体制・相談窓口について知っていますか。

改善推進の体制づくり

<改善推進の体制づくり>としては、次のような取り組みがあげられます。
長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を図るための体制を構築しているかどうかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • 長時間労働の抑制に向けた社内体制を明確化している。
    • 労働時間に関する相談窓口を設置している。
    • 長時間労働の抑制に関する労使の話し合いの機会を設定している。
    • 年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制を明確化している。
    • 休暇取得に関する相談窓口を設置している。
    • 年次有給休暇の取得促進に関する労使の話し合いの機会を設定している。
  • 社員向け自己診断
    • 長時間労働の抑制に関する社内体制・相談窓口について知っていますか。
    • 年次有給休暇の取得促進に関する社内体制・相談窓口について知っていますか。

改善促進の制度化

<改善促進の制度化>としては、次のような取り組みがあげられます。
柔軟な働き方を行ったり、労働時間の適正化を促したり、多様な休み方を行えたりする制度があるかどうかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • フレックスタイム制や朝型の働き方等、勤務時間について柔軟な働き方に関する制度を導入している。
    • 在宅勤務やテレワーク※2等、勤務場所について柔軟な働き方に関する制度を導入している。
    • 【長時間労働の抑制のための措置】ノー残業デー、ノー残業ウィークなどを設定している。
    • 【長時間労働の抑制のための措置】労働者個人について所定外労働の上限時間を設定している。
    • 【長時間労働の抑制のための措置】勤務間インターバル制度(勤務終了から次の勤務開始までに一定時間以上空けること)を設定している。
    • 【長時間労働の抑制のための措置】休日労働の制限・禁止を設定している。
    • 【長時間労働の抑制のための措置】平日の残業時間の制限・禁止を設定している。
    • 【長時間労働の抑制のための措置】代休の付与を設定している。
    • 業務閑散に応じて営業時間を設定している。
    • 大型連休や夏季・冬季等の機会を捉えた、年次有給休暇の計画的付与制度を導入している。
    • 【年次有給休暇に関する措置】半日での年次有給休暇制度を導入している。
    • 【年次有給休暇に関する措置】時間単位での年次有給休暇制度を導入している。
    • 【年次有給休暇に関する措置】個人別年次有給休暇取得計画表の作成を行っている。
    • 【年次有給休暇に関する措置】年次有給休暇の取得状況を確認する制度を設定している。
    • 【年次有給休暇に関する措置】連続休暇・長期休暇取得を設定している。
    • 【年次有給休暇に関する措置】社員の自己啓発やボランティア、地域活動等を支援する休暇制度を導入している。
  • 社員向け自己診断
    • あなたの会社の柔軟な働き方に関する制度を必要に応じて利用していますか。
    • 長時間労働の抑制のためのルールを遵守していますか。
    • 時間単位等の年次有給休暇の制度を必要に応じて利用していますか。

改善促進のルール化

<改善促進のルール化>としては、次のような取り組みがあげられます。
長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進につながる人事管理・評価の仕組みを導入しているかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • 部下の残業の状況について、管理職が把握・管理及び改善促進を行っている。
    • 部下の長時間労働抑制について、管理職の人事考課に盛り込んでいる。
    • 残業を行う際の手続きを厳格化している(上長への事前申請等)。
    • 部下の年次有給休暇の取得状況について、管理職に把握・管理及び改善促進を行っている。
    • 部下の年次有給休暇の取得状況について、管理職の人事考課に盛り込んでいる。
    • 管理職の年次有給休暇取得状況について、部門等の評価項目に盛り込んでいる。
  • 社員向け自己診断
    • 残業が多い際に、管理職がアドバイスしてくれますか。
    • 年次有給休暇の取得日数が少ない際に、管理職がアドバイスしてくれますか。

意識改革

<意識改善>としては、次のような取り組みがあげられます。
長時間労働や年次有給休暇について社員や管理職の意識を高める取組を行っているかどうかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • 長時間労働抑制に関する社員向けの教育・研修を実施している。
    • 長時間労働抑制に関する管理職向けの教育・研修を実施している。
    • 時間制約社員(短時間勤務制度利用者等)のマネジメントについて、管理職向けに教育・研修を実施している。
    • 長時間労働抑制のための周知・啓発を行っている(ポスターの掲示等)。
    • 年次有給休暇促進に関する社員向けの教育・研修を実施している。
    • 年次有給休暇促進に関する管理職向けの教育・研修を実施している。
    • 年次有給休暇取得促進のための周知・啓発を行っている(ポスターの掲示等)。
  • 社員向け自己診断
    • 周囲が残業していても、自分の仕事が終われば帰るべきだと思いますか。
    • 所定の労働時間で成果を出せるように意識して仕事の段取りをしていますか。
    • 時間管理ツール(スケジューラーなど)を用いて職場メンバーのスケジュールを共有化していますか。
    • あなた以外の人が見ても業務の内容が分かるような文書管理・資料管理を心がけていますか。

情報提供・相談

<情報提供・相談>としては、次のような取り組みがあげられます。
長時間労働や年次有給休暇にかかる情報提供や相談を行う取組を行っているかどうかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • 労働時間・残業時間を社員各自に通知している(もしくは社員自身で確認することができる)。
    • 36協定で結ばれている時間外労働の上限を周知している。
    • 長時間労働に起因するストレス・疾病に関するカウンセリング機会等を提供している。
    • 年次有給休暇残日数を社員各自に通知している(もしくは社員自身で確認することができる)。
    • 休暇制度利用促進のための情報提供(制度利用事例の紹介等を含む)を実施している。
  • 社員向け自己診断
    • 自身の動労時間・残業時間を把握していますか。
    • 自身の年次有給休暇取得日数を把握していますか。

仕事の進め方改善

<仕事の進め方改善>としては、次のような取り組みがあげられます。
長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進につながる業務改善を行っているかどうかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • 業務フォローアップ体制を構築している(顧客・取引先情報の共有等)。
    • 会議数の削減や会議時間の短縮を行っている。
    • 必要性の低い資料の廃止や、ペーパーレス化を行っている。
    • ICTの利活用等を通じて業務効率化を図っている。
    • 必要に応じて業務計画、要員計画、業務内容や役割分担を見直している。
    • 育児や介護との両立支援等をきっかけとして、業務の見直しを行っている。
    • 長時間労働の抑制及び有給休暇の取得促進に向けた好事例となる取組等を社内や職場で共有している。
    • 長時間労働の抑制及び有給休暇の取得促進を目的として、営業時間の短縮や取引先の関係見直し等を行っている。
  • 社員向け自己診断
    • 定型業務のマニュアル化・標準化を進めていますか。
    • 会議では事前に議題の連絡・資料提供など、目的やゴールを明確にしていますか。
    • 上司・同僚とコミュニケーションは図られていますか。
    • 休暇・欠勤時などに相互フォローできる体制作りを進めていますか。
    • 自分の仕事が終わったら帰りやすい雰囲気ですか。
    • 年次有給休暇が取りやすい雰囲気ですか。
    • 業務負荷が高いときは助け合える環境づくりを進めていますか。
    • 短時間で質の高い仕事をすることを評価していますか。
    • 職場メンバー間の業務負荷を平準化していますか。
    • 部下に対して、残業時間の抑制や有給休暇取得促進を働きかけていますか。
    • 率先して定時退社や有給休暇取得を行っていますか。

実態把握

<実態把握>としては、次のような取り組みがあげられます。
労働時間や年次有給休暇の取得状況を定期的または常時チェックしているかどうかについての項目です。

  • 企業向け自己診断
    • 社員の働き方や労働時間に関する意識や意向を、アンケートやヒアリング等により定期的に把握している。
    • タイムカードやIDカード等の客観的な方法により労働時間を管理・把握している。
    • 管理職やみなし労働・裁量労働制等の適用者について労働時間を把握している。
    • 社員の休暇取得に関する意識や意向を、アンケートやヒアリング等により定期的に把握している。
    • 管理職が部下の年次有給休暇の取得日数を管理している。
  • 社員向け自己診断
    • 会社は社員の働き方・休み方の希望を定期的に確認していますか。

ワーク・ライフ・バランス

<ワーク・ライフ・バランス>としては、次のような取り組みがあげられます。
社員のワーク・ライフ・バランスや健康状態の満足度を確認するための項目です(社員向け自己診断のみの項目)。

  • 社員向け自己診断
    • 自身のワーク・ライフ・バランスに満足していますか。
    • 現在の健康状態は良好ですか。

企業の取組内容

経営トップによる呼び掛け

経営トップが自ら社員に対して広報媒体、社内イントラネットなどを通じて働き方や休み方の改善を促す。

テレワーク

ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方。在宅勤務や、サテライトオフィスにおける勤務、移動中や顧客先、カフェ等において行うモバイル勤務など。

労使の話し合いの機会の設定

労使協議会などの場で、労働組合と使用者が長時間労働の抑制等の話し合いを行う。

朝型の働き方

終業後の残業より始業前の早出を奨励する「朝型勤務」の働き方を行う。

業務の効率化

作成する書類の枚数や会議の回数を減らすなど、仕事の進め方や業務内容の見直しを行う。

ゆう活

日照時間が長い夏に、朝早い時間に仕事を始め、早めに仕事を終えることで、まだ明るい夕方の時間を有効に活用し、生活を豊かにしようという取組。

年休の計画的付与制度の導入

創業記念日等の契機を利用し、年次有給休暇の計画的付与制度を導入する。

勤務間インターバル制度

労働者の健康確保などを目的として、実際の終業時刻から始業時刻までの間隔を一定時間以上空ける制度。

選択的週休3日制

勤務日数の柔軟化を目的とする制度の一つであり、希望する労働者に、1週間に3日の休日を付与する制度。

ワークエンゲージメントの向上

働く人々のエンゲージメントを高めるため、個人の能力・キャリア開発の充実や労働環境の整備等の取組を行う。